[劇評]唐組「電子城 背中だけの騎士」

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BSスカパーで、9月の末に唐組の1989年作の電子城を放映していました。
この作品は、僕がテント芝居、唐組というものにふれた初期の作品でとても印象に残っている舞台です。
以下の感想は、テレビ画面を通してこの作品を見つつ、二十歳の時に見た感動を反芻しながら書いた劇評です。

劇団 唐組
題名 電子城 背中だけの騎士</span>
公演期間 1989年4月から6月?
作・演出 唐十郎
出演 大久保鷹、千野宏、伊藤正之、長谷川公彦、藤原京、水上竜士、林隆能、河端保雄、清塚智幸、鳥山昌克、伊藤ゲン、大畑弘、武藤育之、辻あけみ、大野まみ、藤田明子、福士雅彦、福島栄一、唐十郎
劇場 福岡、東京(目黒不動尊)
観劇日 2015年9月27日(放送分)/1989年4月のいつか

■まざまざと思い出される当時の役者の存在感。

まずは、出てくる役者さん達が懐かしく、当時の舞台上の存在感をまざまざと思い出しました。

最初に語り始めるのくは、ヒロイン藤原京さん。昨年、オルガンヴィトーの舞台で見たときは力強い雰囲気でしたが、この頃の彼女は可憐です。
後に白いレザー姿のSM嬢姿で出てきた時は、眼の前でその姿を見た時のドキドキした気持ちを思い出しました。(僕はテントでみた時は、下手一番前で見てました)

最近、ようやくテレビでも見るようになった長谷川公彦さんは、かっこいい悪役です。鋭さに痺れます。
まさかの三谷幸喜作品で、再会を果たしその後、テレビや舞台で大活躍の伊藤正之さんも、ノリに乗ってる感じです。植木等の歌を楽しそうに歌っていました。そうです、この表情(ニタニタ笑い顔、悪い考えが浮かんだ悪人顔になる一幕ラストの顔)が脳裏にこびりついていたからこそ、「グッドニュース☆バッドタイミング」で劇場で再開した時に感動したのです。
確か、この作品が久々の復帰作だった大久保鷹さんの怪演ぶりも鳥肌ものです。しかも、若い!考えてみれば当時の鷹さんは、今の僕より年下なわけですから当然ですが。

そして今も唐組で活躍されている鳥山昌克さんまでいるのにはびっくりしました

■今になって気づいたこと

これ、見たときは、すごいけどよくわからないという感想だったのですが、27年ぶりに見て、気づいたこともありました。

台詞には天皇陛下の崩御の話題もありました。平成元年の舞台だったんだなぁと改めて再認識しました。(当時は当たり前のように聞き流してましたが)

馬鹿馬鹿しいのですが、「背中だけの騎士」って、ゲームに没頭する子供の後ろ姿なんですね。こんな事にも今更気づきました

あと、藤原京さん演じる遊び人が何故お金を持っているのかもわかりました。SMクラブで働いていたからなんですね。二十歳の私はそれがなんなのか当時わかってませんでしたorz
今回は、その辺のところがわかって、現実と虚構(ゲーム)が交差する猥雑な世界観が少し理解できた気がしました

■再演は‥出来ないんだろうなあ。

この作品は、福岡公演のお手伝いをさせていただき、大久保鷹さんや長谷川公彦さんたちとテントでお酒を飲むことが出来た僕にとっては物凄く印象深い作品です。

だからこそ、再演されれば、すぐにでも飛んで行きたいのですが‥再演難しそうな作品だなと思いました。
というのも、唐さんにしては珍しく、時世が強烈に物語に組み込まれていて、このままだと現代の観客にはピンと来ないと思うからです
ドラクエの世界が、当時のロールプレイングゲームのスタンダードであったのに比して今やゲームというものの範囲があまりに広がって、観客と共有出来るものが少なくなっていると思います

そんな現代に、この作品やるのは、わかる観客少なすぎて受けない気がします
今ならMMORPGとかを舞台にするのかな、ちょっと想像つきませんが。狩りとかに行くとか‥

麿赤児さんや、久保井研、藤井由紀さんのインタビューが冒頭にあったのですが、それらをすっとばして本編を見ました。こちらは、これからゆっくりと見たいと思います。

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