[劇評]新宿梁山泊「アリババ/愛の乞食」@芝居砦 満天星

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何故芝居を二本連続上演するのかが不明!全体では長い上演時間になる上に個々の芝居が(多分短くするために脚本を刈り込んだ事が原因だと思うが)中途半端な印象が強く芝居としては未完成な印象が強い。

劇団 新宿梁山泊
題名 アリババ/愛の乞食
公演期間 2002/03/13~2002/03/24
唐十郎 演出 金盾進
出演 三浦伸子、大久保鷹、金守珍、小檜山洋一、マシュークロスビー、原昇、松岡哲永、尹秀民、堀田誠、沈友信、大貫誉、近藤結宥花、李秀子、渡会久美子、岩村和子、沖中咲子、草野小夜架、
劇場 芝居砦 満天星(東中野)
観劇日 2002年3月16日(マチネ)

<<ストーリー>>

アリババ:馬を待ち続ける男。とその妻。そこに、その二人の所に現れた老人が引き連れてきたのは、二人がいつの日にか捨てた水子たちだった。
愛の乞食:緑のおばさんを生業とする男は、かつて海賊であった。男は公衆便所を夜になると豆満江という名の飲み屋に変えて営業する。そこに集まったかつての海賊仲間は、やがて仲たがいを始め….

<<感想>>

大久保鷹さんが出るってんで見に行ったようなもんですが、流山児事務所の「愛の乞食」を見たときに感じた中途半端さを感じたのを解消できるのではという期待があった。

 

途中休憩を挟んで、「アリババ」と「愛の乞食」の二本立て。

 

「アリババ」は、大久保鷹さんが主役で、ほとんどしゃべりっぱなしの舞台。大久保鷹さんがこんなにしゃべっているのをみたのは、唐組の公演「電子城」以来になるから下手すると10年ぶりの熱演ではあるまいか(途中で、なんどとなく「もう若くないんだから」という台詞を他の出演者からかけられていたが、衰えを感じない舞台ではあった)

 

鷹さんの独特の存在感は、たいしたもんだなと感じた。独特のなまりで語られる長々とした台詞は、観客を捕らえて放さない。

 

しかし、最後のシーンは納得が行かない。というかめちゃくちゃ中途半端。時間を短くするために無理やり脚本を刈り込んだ印象が強い。なんか、ちょっとずつ男と女の関係とか二人が過去に流してきた罪のようなもの(水子とか….)が、見え隠れし始めて盛り上がって来たときにいきなり馬と子供達が現れる。

なんだかなぁといった印象。
 

愛の乞食は、鷹さんは、脇に入って、金守珍さんが主役。

 

人材不足!といったら怒られるかもしれないが、最近、主役級の役を金さんがやっていることが多い。俳優としての金さんの力があるのはわかるが、もっと他にできるひとはいないかと思ってしまう。金さんが主役をはると、周りを固める役者の弱さが目立ってしまうし、(気のせいかもしれないが)演出のきめが細かくなくなっているような気がする。

 

この芝居も、マンジュシャゲ役の近藤さんにかなりおんぶしている構造になっている気がしていまいちな印象。また、最後の海に出るシーンも、絵的に迫力がなく寂しい。(状況劇場がやったときのことは知らないが、この芝居最後に海に出る開放感をなんとか作りだせないとつらいような気がする)こっちも中途半端。

 

どうでもいいことだが、「ザ・ガードマン」のくだりは必要だったのでしょうか?客席の僕より若い人も、出演者のほとんどもわからないのではないだろうか。

 

最後まで、この二つを何故一緒に公演しなければならなかったのか。(緑のおばさんとかなんか無理やり関連付けようとしている部分は見えるのだが….)

 

[劇評]流山児事務所プロデュース「愛の乞食」@本多劇場(下北沢)

 

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