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劇評

[劇評]X-QUEST「PHANTOM BEE」@駅前劇場(下北沢)

投稿日:2017/03/04 更新日:

絢爛たる衣装、ギミック満載の登場人物、架空の世界観ながら、エネルギッシュなアクション/ダンスに圧倒される舞台。それだけで、チケット代の元を取った気分になれる。一方で、人物描写が割りと一面的で、深掘りされた印象がなく、ちょっと不満がのこってしまった。とはいえ、また見たいと思わせる劇団をまた一つみつけました。

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劇団 X-QUEST
題名
公演期間 2017/02/242017/03/05

トクナガヒデカツ

演出

トクナガヒデカツ

出演 ダンバー(ダンヒール):大野清志
シロイ(狼男):清水宗史
F(エフ)(フランケンシュタイン):高田淳
シャドウ(Dr.フランケンシュタイン):塩崎こうせい
ユウヒ(できる方の女王候補):白井那奈
アサヒ(できない方の女王候補):宮島小百合
ジャビス(外界からの訪問者):橘輝
クレア(ジャビスの助手):関谷真由
メイ(アルビノの悪魔):門野翔
ガブ(黒い天使):渡辺隼斗
マリア(先輩女王候補(ちょいあきらめ):佐藤仁美
エミリア(同上。マリアの相方):荻窪えき
エルダーリューカン:市川雅之
ドラキュラ(自分を吸血鬼と信じる普通のおじさん):野地春秋
ギンロウ(最後に美味しいとこもっていった人狼):トクナガヒデカツ
 劇場
駅前劇場(下北沢)
観劇日 2017年03月4日(マチネ) チケット
3,700円

朝劇 西新宿がきっかけでした。初見の劇団です。

朝劇西新宿では、短くて軽い舞台でしたが、その出演者の方が、何人か出ているこちらの劇団でがっつりした舞台を見たいと思い、当日券狙いで下北沢に向かいました。

アクション、華麗なダンス、手間のかかりそうな衣装、贅沢な舞台

手間がかかってる舞台だな感心しました
設定された舞台は、ヨーロッパに実在するという太陽がほとんど照らない町に鏡で日の光を届けるというプロジェクトを基に、日光の届かない町に初めて光が届いたらどうなるかと言った話。
真逆の設定ですが、複数の太陽がある惑星で何千年ぶりに夜が来ることによるパニックを描いたクラークの「夜来たる」を思い起こさせる設定です

ある意味アングラ的

照明効果、断片的なシーンカットと、ベタな設定。少しアングラ的な感じの舞台だなと感じました。
そういえぼ、女性の吸血鬼という設定は、唐十郎の「吸血姫」を思い出します。

舞台は、中世ヨーロッパ的で、アングラとは真逆なわけですが、赤を基調とした照明効果と、あえてわかりくに台詞回しが、共通天なのでしょう(私自身、演劇の初体験に近い所で接したのが、唐組を始めとするアングラ演劇だったので、先に共通点を探しに行ってしまう所があるのだと思いますが)

若さ爆発…でも

私の目から見るとこなれていなくて分かりにくい脚本ですが、それをあまりある観客を惹きつける魅力ある舞台になっています
古文調の言葉が随所に編み込まれている台詞回しは好みのわかれるところでしょうが、設定に固執せず、「東急リバブルのCM」だの「遠くの親戚より近くの他人」をネタにした勘違いだの、ギャグのためなら世界観を壊すあたりは、観客サービスと芝居の雰囲気をうまくミックスしていると思いました
未整理であるが故の若さ爆発のエネルギーを感じる舞台でした。

役者の高い身体能力は衝撃的でした。

殺陣の中での宙返りや、ダンスシーンのなかでのY字バランスとか、個々の役者さんの身体能力の凄さは特筆ものです
ダンスもけして場つなぎ的なものでなく、とても均整がとれていて、ダンス単体としても楽しめる舞台です。
終盤のほぼ全員参加の集団ダンスは圧巻でした。
当日券のため、アブノーマルチケットしか買えず、席の選択肢が余りなかった為、前から二列目上手側の端に近い席からの観劇でしたが、真ん中から全体感のみえる場所から見たかったです

役者さんの出来栄えは、少々ワンパターン?

なかなか感情移入しにくく、舞台に圧倒される一方で、誰かの心持ちに一体化して心を動かされるほど、深く役に入り込めている役者さんが見当たらなかったのは残念でした
役者さんというよりも、脚本と演出の問題でしょうが
先日の朝劇でみた関屋真由さんは、今回はあまり活躍しどころはなかったかもしれません。しっかり笑いをとっていましたし、魅力ある役者さんだとも思いました。
一方、ユウヒ役の白井那奈さんは、独特の雰囲気のある女優さんでした。全般に堅い演技が気になりましたが、こういう役を被るタイプの舞台ではなく、素に迫るような芝居だとどんな演技をするのかなと、気になる女優さんでした
 

恐らく主役だったはずのダンバー役の大野清志さんの内面に迫るシーンがあまり無かったのは残念でした。…つうか、最後の方になっていきなりハーフという出自や母の死に様に悩み出した気がします。ちょっととってつけたような展開に感じました

105分の舞台にしては長さを感じました

105分という上演時間は元々確かに長いです。舞台から発散されるエネルギーに圧倒され、時間を忘れることができました。その一方で、後半になって少しだれたというか、長いなと感じました。
理由は以下のようなところでしょうか

  • 圧倒的なクライマックスシーンの後エピローグが長い
  • 主人公の変化、成長的なものが台詞のみで語られているものの、なんか伝わって来ない
  • エピローグのラストシーンがあまり印象的ではない
  • 駅前劇場の椅子が硬い‼

些細なことが、気になる!!

てっきりヨーロッパ系の話をしてると思っていたら最後に日本ミツバチの必殺技が、でてくるあたりはギャグとしてではなかっただけに、ちょっと違うだろうとか思いました。 殺陣のシーンで使われていた銀色の棒。特に柄の部分が区別されておらず、棒の両サイドを持って戦っているように見えていました。 例えは、2対1で戦っているときに棒を一人から別の一人に渡すときに棒の先の方を受け取って戦いを継続するとか。 くるくる手元でバトントワリング的に回すとか
なので、突然その棒に刺されるシーンが出てきたときはびっくりしました。てっきり棒だと思っていたのが剣だったとは…. じゃ、最初の方でのあの剣の受け渡しの時になんで手がきれなかったんだ。バトントワリング的に回すのも危なすぎるだろう..l

いや、細かいことですし、そもそもそこまでリアリティを追う芝居じゃないことはわかっているわけですが。

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