[劇評]コローレ「ハルちゃん」@シアターVアカサカ

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ラサールさんの昔の脚本ということで、見に行きました。勿論、見知った役者さんや演出の方という安心感もあったのですが、それほど期待していなかった舞台。しかし、びっくりするほど面白かったです。脚本も演出も出演者も私的には結構はまりました。

劇団 コローレ
題名 ハルちゃん
公演期間 2006/05/09~2006/05/14
ラサール石井 演出 田村孝裕
出演 デビット伊東、松永玲子(ナイロン100℃)、八十田勇一、国分佐智子、野本光一郎(ONEOR8)、古川悦史(文学座)、鈴木歩己(グリング)、本間剛、星野園美、原武昭彦、水野あや、関川太郎、平野圭(ONEOR8)、七月王、高石正彦、新納敏正(特別出演・声のみ)
劇場 シアターVアカサカ(赤坂)
観劇日 2006年5月12日(ソワレ)

【ストーリー】

ハルちゃんと呼ばれる女性が、部屋で刺された。その犯人としてつかまった男の裁判。ハルちゃんの昼の仕事と夜の仕事、証言であかされる事態は次々に変わる。

【感想】

予想外に(失礼)面白い舞台でした。

舞台は、法廷そのまま。昔(まだ法学部の学生だったころ)法廷の傍聴に行ったことがありますが、そのときの雰囲気そのままです。

面白いのは、当然法廷劇で重要な役割を果たす被告が、客席に背を向ける配置になっていること。確かに傍聴にいけば、そうなんですが、演劇としてはちょっとした冒険です。

ストーリーは、事実が少しづつ明らかになるにつれて、逆転逆転という展開は、目が離せない感じで、見ていて面白くてしょうがなかったです。

役者さんも、よくて、ちょっとお茶目な感じの裁判官(でも、確かにいます。あんな雰囲気の人。傍聴に行くと)やかっこ悪い弁護士(これもいます。)がすごくはまっています。

僕自身、法学部の学生だった時代、傍聴に行った裁判で、まさにビシッと決まった検事と頼りないかっこ悪い弁護士、ちょっとお茶目な裁判官という組み合わせを見たので、この舞台の設定はすごく現実味がありました。(おかげで、弁護士志望から検事志望になりました。いや、結局司法試験そのものをあきらめましたが)

今回の検事役、松永さんはかっこよさピカ一です。対照的にデビット伊藤さんの弁護士役の情けなさが際立ちます。(デビット伊藤さんが太っていたというのも情けない感を出してた気がしますが)

お楽しみの、日替わりゲストは、SETの丸山さん。すごく妙なイメクラ嬢をやっています。創りすぎててなにがなんだかわかりません。大爆笑でした。

さて、舞台として冒険だと思った被告が舞台に背中を向けている配置。やはり、ラストシーン近くの被告の長せりふを背中越しに聞くことになりました。いや、法廷にいったってそうなんですが、すごく重要なシーンであったこともあり、すごく不満が残りました。演出意図としては、理解できるのですが、観客って(俺って?)わがまま。

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