[劇評]大森カンパニー「更地 SELECT SAKURA V」@小劇場B1(下北沢)

広告

今年最初の観劇になった更地は、感染対策もバッチリでした。内容も過去の秀作を集めてのことで、どれも脚本は良作ぞろい。ただし、前半少しだけ笑いが起きにくい状況。緊張感かキレかは不明。後半は良かった!

劇団 大森カンパニープロデュース
題名 更地 SELECT SAKURA V
公演期間 2021/02/262021/03/07

故林広志

演出 大森博
出演者  山口良一、辻沢杏子、かんのひとみ、今拓哉、本間剛、加藤義宗、鈴木ゆか、森内翔大、依里、大森ヒロシ:cast()
劇場
小劇場B1(下北沢)
観劇日 2021/03/06(土)

前説の進化?!

前説は、大森さんが自ら担当。感染対策について、きっちり説明していただけるのはとても助かるし、こうしてきっちり自分の言葉で説明されることで安心感が増します。
ちなみに、上演中に何かあったら席でそのまま待ってくれていたら、スタッフが劇場外に案内しますという類のアナウンスは、10年前の3.11の震災以来続く劇場での前説の定番の案内になりました。
このコロナをきっかけに、更に感染対策についても伝えるのが定番化していくのかもしれません

SELECTされた脚本は秀作揃いで好みの物が多い

更地の魅力は、なんと行っても故林さんの脚本。シュールな感じが多く、不思議な世界にいざなわれます。今回のなかでは、ギャグ漫画家の怨霊のせいでシリアスなシチュエーションにも関わらずギャグ漫画のようなセリフが止められない男たちのはなし(冤罪漫画)とか、おっさんなのに子供扱いされる刑事(がきデカ)あたりは、脚本によって見せてくれる作品だなと思いました。
ちなみに、過去作のセレクトという今回の企画では、比較的最近の更地からのセレクトであった上記の冤罪漫画と、ラストの大森さん山口さんの掛け合いが面白い「行くべ!」は、見覚えのある作品でしたが、他の作品は覚えていませんでした(単純に見ていないものもあるように思いますが)

前半は乗り切れず

更地を見に行けば、開幕の作品から役者さんの張り詰めた緊張感を間近に感じながら、終始笑い続けるというのが私の印象でしたが、今回は少し異なりました。

舞台が遠いせいかもしれませんが( これも、ガイドラインに沿った演出のせいですが…)、どうにも舞台上の役者さんにうまく感情移入をして笑うことができません。
冤罪漫画などは、前回見たときはとても面白かったという記憶が残っているのですが、今回はどうも乗り切れませんでした。

ちなみに、後半はきちんとノルことができて、楽しむことができました
 舞台上の演技も、後半の方が間がよくなってきていたように思います

お気に入りは

SELECTというだけのことはあって、脚本は印象に残るものばかり。故林さんらしさが特に出てたなぁと思ったのが以下の作品でした

がきデカ

ボクと呼ばれる刑事が本当に子供として扱われる不条理は、爆笑はしないもののニコニコシながら見てしましました。間違いなく、単なるおっさんである本間さんがなぜか子供に見えてくるのも可笑しい。

レクレーション係

結婚の準備をこっそり進めていたはずが、職場のみんなはすでによく知っていた。ここまでなら、普通の話ですが、異常に周りが詳しくて…。可笑しいよりも、怖いが先に立つ物語。

看護師と春山

病院って、圧倒的にアウェイでそれでなくても不安な場所です。本間さん演じる患者というのがちょうど私くらいの年齢のおじさんということもあり、このコントもだいぶシンパシーを感じながら見てました。
明らかに挙動不審になる看護師さんがいると、一気に不安になります😅
看護師役のかんのさんと辻沢さんの絶妙に頼りない感じが、更に笑いを誘われました。

今年最初の観劇

生活環境が変わったこともあり、観劇は今年はいつもにも増して難しくなりました。結果として、この作品が私の今年の観劇はじめとなりました。
1年前にはまったく想像しなかった激変が演劇界にも影響を及ぼしていますが、このカンパニーのように工夫を凝らしながら芝居をする人がいる限り、劇場に足を運ぶのをいとわないようにしたいなと思いました。

広告

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です