前に見たときにどうしても気になった、無理やりみんなに見せ場があるという演出はなくなった気がする。その結果見やすくなったと思うのだが、演出がとても古臭いという新たなあらが目立ってきたように気がする。テーマも古いが、見せ方も古い。それが完成しているのならばまだ良いのだが….
粗を探しに見に行っているわけではないのだが、芝居が終わるまでの時間がとても長かったのはその辺が原因だと思う
劇団 | 劇団ギルド | ||||
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題名 | 修羅シュシュシュ!-賢治先生の教室- | ||||
公演期間 | 2004/11/22-2004/11/24 | ||||
作/演出 | 高谷信之 | ||||
出演 | 岡村勝之、石井啓太、爪竜健司、恩田江里子、永島広美、中谷守男、鈴木悠真、廣岡由子、千代木義之、彩部道代、加藤敦洋、田口潤、林真紀子、彩貴恵 | ||||
劇場 | スタジオあくとれ(中野) | ||||
観劇日 | 2004年11月23日(ソワレ) |
【ストーリー】
宮沢賢治は、父や母とぶつかりながら、学校の先生をし、童話を書いていた。 童話の世界の登場人物や、病身の妹と語りながら世界を形作る。しかし、最後に自らも病に倒れ…
【感想】
宮沢賢治はきらいな作家ではないし、芝居で見ることが一番多い作家の一人だと思う。(僕が見た中でも、トムプロジェクト「マリィヴォロン」別役実「ジョバンニの父への旅」VALUE-ZERO「ジョバンニのパレット」が全部賢治もの)
でも、どうもイマイチ話に乗れない。
演出手法が古くってどうも乗り切れない。なんか賢治作品のまったりとしたイメージがそのまま舞台化されてしまっていると見ているこちらの緊張感が高まらない。
まず、暗転が多い。暗転をもっと削ることができるはずだし、いちいち暗転で場を繋げられるのは、見ていてほんとに集中力が切れる。
光の使い方も、音響効果もどこかで見たことのあるようなシーンの繰り返しで、何も新しいものが見当たらない。
それでいて、けして完成度が高いわけではないのがよけいにいらだつ。若い劇団の新しい事への挑戦(結果としてそれが完成に至らなくても)は観ていてすがすがしいし、円熟の劇団の緻密な完成度を持ったマンネリはそれはそれで、感動ものだったりするが、この劇団は両者の悪いところが集まっている感が強く残念でしょうがない。
役者さんでは、賢治役の役者さん(岡村勝之さん)は雰囲気のある役者さんであった。それが唯一に近い収穫か…(逆に女優陣は今回目立たなかった。ただ、バランスは良くなったと思う)
何か新しい血(演出とか本とかに)入れてもいいんじゃないだろうか。
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