[劇評]劇団fffff「ひともどきシュレッダー」@王子小劇場

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ひともどきシュレッダー110分の大作であるものの、長さが面白さに比例していない….まだ、脚本が出来上がりきっていないイメージ。舞台美術の完成度や役者のテンションの高さもあっただけに、少しざんねんだった。

劇団 劇団fffff
題名 ひともどきシュレッダー
公演期間 2014/10/03~2014/10/05(全5回公演)
演出 安田智 安田智
出演  稲垣晋太郎、尉林暉、大竹加耶子、小倉修也、笠浦静花、島田洋樹、高田彩香、都倉宏一郎
劇場 王子小劇場(王子)
観劇日 2014/10/04

<物語>

人の脳の中を現実に映し出す機械が発明された。しかし、その機械で脳の中身が表示されない「ひともどき」を検出する機械として使われるようになり、世の中は空前の「ひともどき」狩りの世界へ。人が主人公と脇役に描き分けれられる映画も、そんな世の中で禁止された。両親がひともどきとして処刑された守とあかりは、「証人」として、法廷に呼ばれたがそこでは「被疑者」と呼ばれて戸惑う。

<感想>

お誘いを受けて、「ひともどきシュレッダー」という耳慣れない言葉に興味を惹かれて劇場に向かいましたが、結局、それが何だったのかわからずじまいだったのが、見終わった後の感想でした。(説明はあったのですが、どうもピンとこず。なんかごまかされた感じでした)

110分の時間の長さも、面白ければ時が経つのも忘れる事ができたと思うのですが、法廷劇の中に個々の被疑者の実体験を劇化した物語が入れ子で入っているという構造は、見ている側としては同一パターンの芝居を繰り返して見せられているようで苦痛でした。

5人被疑者がいたので、3人目あたりで「あと2人いるなぁ」とか考えてしまった時点で、この芝居の構造自体が、あまり観客のことを考えていないのではないかと思ってしまいました。5人の被疑者役全てに主役をさせることが芝居の目的になっていたとしたら(そうではないと信じたいですが)、観客本位とはいえないものだったと思います。

とはいえ、舞台美術はとてもかっこ良かった(好みの問題かもしれないが)ですし、笠浦さんが主人公になるシーンは見応えもあったので、王子まで足を運んだカイはあった気がします。

 

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