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書評

[書評]リンダ・グラットン, アンドリュー・スコット「LIFE SHIFT(ライフシフト)-100年時代の人生戦略」

投稿日:2017/04/29 更新日:

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これから、人類が迎える百年超えて生きる時代の生き方に対しての警鐘であり、長い人生という旅のサバイバルガイドブックです。著者の筆致は、楽観的かつ希望に満ちた未来を語っているが、その条件として示される生き方への転換を受け入れないとどうなるかと考えると空恐ろしい未来が待っているのも事実のようです。

遅ればせながら読んだ

同じ著者の何年か前の著作「ワークシフト」を読んで面白かったので、気になっていたのですが、ついつい先延ばしにしていました。100年を超える人生というものが突きつける現実は、あまり楽観的なものではないなぁという感想です。ちょっと前に書いた以下の書評を書いた時に感じた危機感と同質のものを感じました。

ちなみに、上記の書評の中に出てくる「セカンド・マシン・エイジ」の引用は本書にも出てきます。

日本だって例外ではない

著者による日本版の「序文」では、以下のような推計をあげ、「幸せな国、日本」と讃えてくれています。

国連の推計によれば、2050年までに、日本の100歳以上人口は100万人を突破する見込みだ。第1章の図1‐1で示したように、2007年に日本で生まれた子どもの半分は、107年以上生きることが予想される。いまこの文章を読んでいる50歳未満の日本人は、100年以上生きる時代、すなわち100年ライフを過ごすつもりでいたほうがいい

いやいや、そんなに喜ばしいことばかりにじゃないですよね。と思いながら読み進めました。

ガイドブックがなければ、下流老人化してしまうかもしれません。

長生きが、災厄になるか、幸福に過ごせるか

オンディーヌの呪いという言葉で、本書では、その災厄を表しています。(オンディーヌとは、ギリシャ神話に出てくる嫉妬深い女神。嫉妬によって、その夫は眠ってしまうと死んでしまうという呪いをかけらたということです。ちなみに、眠ると死んでしまう奇病の名前としても知られているようです。)

オンディーヌの呪いがかけられたように、眠る(休む)事がゆるされず、働き続ける未来が我々には待っているのかもしれません。

就活していた頃(大昔(汗))、早く引退すること(アーリーリタイアメント)が目標の一つだったのですが、その夢は潰えたようです(いや、わかってたけど orz)

長く働き続ける為の戦略が必要になる!

著者は、具体的には三つの世代のそれぞれの生き方のモデルを示している。
(私から見て)親世代、私の世代、これから社会に出る世代の3世代。親世代であれば、20代までに身に着けた能力で、引退まで働き続け、引退生活を迎えることが可能でした。

でも、これから社会に出る世代は言うに及ばず、私たちの世代でさえも、その常識は通用しなくなります。

引退生活を、現役時代の生活費の半分の範囲で切り盛りするとしても、引退生活を始めるのをできるだけ遅くする必要に迫られます。

そして、それは単純に今の仕事で働き続けると言うわけにはいかなくなっていると言うことです。

働き続ける為の障害

セカンドマシンエイジに代表される技術と労働の未来を語る書物は一様に、次のように書かれている。

現在多くのホワイトカラーがこなす仕事が遅かれ速かれ機械に取って代わられるであろうと。

  長く働き続けるためには、一つだけのキャリアを全うすることは諦めた方が良いと言うことだ

長く働き人生を過ごすために今から出来ること。

  • お金を貯めること
  • 新しいキャリア再構築
  • 健康に気をつけ、健康寿命を伸ばすこと。

特に健康面は、本書によると劇的に改善している

結論は一目瞭然だった。いつも運動し、たばこを吸わず、体重をコントロールできている人は、概して不健康期間が大幅に短縮されていたのである。
アメリカで2万人を調べたデータによると、この点で目覚ましい変化が起きているようだ。1984~2004年の20年間で、85~89歳のアメリカ人のうち、体が不自由とされている人の割合は、22%から12%に低下した。95歳以上の人の場合も、この割合は52%から31%に減っている。高齢者は昔より健康に生きていて、テクノロジーの進歩と公的支援の充実により、できることも増えたようだ

著者の未来像は楽観的過ぎる嫌いもあるかもしれない

しかし、お金と人生の選択は大きく変わることは間違いない

ここに語られている事実を受け入れ、人生のあり方についてちゃんと考えるのは有意義だと思いました。

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