[書評]ダン・シモンズ「エンディミオン」

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ハイペリオン四部作の第三作。舞台は、一気に300年下り、ヒーロー ロール・エンディミオンの活躍する血湧き肉踊る冒険ファンタジーのような話になっていた。面白さは一番!。一気に読み終えてしまいました。

HERO、ロール・エンディミオンの冒険譚

前2作品は、複数の登場人物視点で語られる重層的な話でしたが、この物語は主にロール・エンディミオンの視点から語られます。些細なことで死刑判決を受けた彼を助け出し、無茶な試練を課すのは、マーティン・サイリーナス。前作「ハイペリオン」シリーズから、この作品世界まで生きていた年齢1000歳を超える詩人です。

「ハイペリオンの没落」で、崩壊した連邦を今や牛耳っているのは、カトリックの教会組織パクス。彼らは、「ハイペリオン」で僕が一番印象に残っていたあの「おぞましい十字架状の生命体」の助けによる「復活」を武器に元連邦版図を牛耳っています。この組織が今回の敵役になります。

ロールは詩人の指示の元、領事の宇宙船、アンドロイドのべティックを 従え、愛らしいヒロイン アイネイアーを助け出し、惑星から惑星へとパクスの追ってから逃れ続けます。

宇宙SF史上もっともチープな乗り物で宇宙旅行

宇宙の惑星から惑星へと経巡る方法は、転移ネットワークで接続された各惑星の川を筏で下るというもの。この筏、宇宙旅行SF中もっともローテクな旅行ツールだと思います。

僕自身は、この惑星間を転移ネットワークでつないだ川を下るという仕掛けに魅了されました。川から見える各惑星の景色の描写の美しさにも魅了されました。

読むほどに、壮大な絵画のような世界を描ける作家さんは、限られていると思いますが、ダン・シモンズはその一人であることは間違いないと思います。

人物描写も絶妙で、パクスから派遣されつつアイネイアーやロールに親近感に近い感情を覺えるデ・ソヤ神父大佐も、僕の好きなキャラクターでした。

怒涛のラスト、シュライクより怖い究極の悪役ネメス

息もつかせぬストーリーは、最後に究極の悪役ネメスとの戦いで終わります。あっけない終わり方ですが、それも後続の話への伏線なのでしょう。

まだまだ続く、ハイペリオンシリーズ。次はシリーズ最後の作品(やっと)「エンディミオンの覚醒」です。

 

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