[劇評]モダンスイマーズ「悲しみよ、消えないでくれ」@東京芸術劇場シアターイースト

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駄目な男を演じさせたら右に出るものがいないモダンスイマーズの新作。山小屋という隔絶された空間での一夜の話は、二転三転する話の行方がどこに決着するのかわからないハラハラ感を感じるサスペンス調の展開。津村さん、古山さんの演じる駄目男ぶりと山男のでんでんさんの対比が良かった。

劇団 モダンスイマーズ
題名 悲しみよ、消えないでくれ
公演期間 2015/01/23~2015/02/01(全10回公演)
演出 蓬莱竜太 蓬莱竜太
出演 古山憲太郎、津村知予支、小椋毅、西條義将、生越千晴、今藤洋子、伊東紗保、でんでん
劇場 東京芸術劇場シアターイースト(池袋)
観劇日 2015/01/31

物語

妻を失った男が、その実家に居候している。山小屋に暮らすその父と妻の妹は、命日の日に集まる娘の友人たちをもてなし、明るく悼む日にしようと準備をしていた。

感想

山小屋という密室での会話劇。先の展開が見えない中で、次々に真相があかされていく脚本は、スリリングでした。、

モダンスイマーズの舞台を見ると、弱い男というか、駄目な男が描かれていることが多くて、その描写が脚本も役者もすごく真に迫る気がします。今回も、生活力が無くて、元妻の実家に居候している男とか、酒を飲むとDVになる男の実像が、とてもうまく描かれているように思いました。

個人的には、そういうイマイチな男たちと、感情的になりながらも、山男らしい懐の深さを感じさせるでんでんさんとの対比が面白く、でんでんさんがいることで、舞台が大分救われる話になったと思いました。

最後は、舞台奥が崩れて、外が見えるようになる屋台崩し的な演出。どうせなら、全面きれいに壊して全景が見えるようにすればよいのに(上手のカウンター部分が崩れなかった)と思いました。崩すところを見せてくれれば….と思うのは、アングラ好きの僕の好みのせいかもしれません。

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