[劇評]劇団桟敷童子「珍獣ピカリノウスの法則/コタツのある風景」

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劇団 劇団桟敷童子
公演期間 2014/02/25~2014/03/02
演出 東憲司 サジキドウジ
出演 白石健太、桑原勝行、山本あさみ、川原洋子、板垣桃子、椎名りお、井上昌徳、大手忍、徳留香織、鈴木めぐみ、外山博美
劇場 西新宿成子坂劇場

■概略

本当に久しぶり(前回来たのは「風呂泥棒」)に、西新宿の劇場に足を運んだ。本公演とは違う雰囲気で、役者もとても芝居を楽しんでいる雰囲気がこちらにも伝わってきた。最後は、こんな「コンパクトな」劇場でも、やっぱり桟敷童子。

■詳細

<珍獣ピカリノウス>

 

-物語

人の孤独に寄生して増えていくという珍獣ピカリノウスが現れるという都市伝説がある町。その珍獣が現れるという建設中のラブホテルの廃墟に、その正体を暴くべく向かう2人の男と1人の「小劇場女優」

-感想

劇団の中では、シニア組というか昔馴染みの皆さんの舞台。セリフ回しや内容がとても「アングラ」している。小さな劇場に似合わぬおおぶりかつ熱のこもった演技。小さい劇場で、すぐ目の前で見るとちょっと違和感を感じる…それは明らかにわざと。

バカバカしいような設定を徹底的に作りこんでいて、その世界の中で全力で演技していると、そのバカバカしい設定で、少し感動が生まれるというのを示してくれた。メイク、衣装あたりはある意味ちゃちいのだけど、ピカリノウスの世界に逝っしまった演技があまりに真に迫っていて、なんかその世界が有るみたいに感じました。

全般的には、もっと笑いが起きても良いかなぁという感じだったけど、演技が迫真過ぎて笑いが怒るまでになかなか至らないのが残念。

舞台上の板垣さんのカッコ良さは格別。でも、桑原さんとの親子関係って設定は無理あり過ぎでは….

<コタツのある風景>

kotatsu

-物語

1週間前に男と別れたOLは、「ローマの休日」を見ようと週末を楽しみに帰宅するも、とうの男が押しかけてきて喧嘩の最中に会社の同僚たちが押しかけてきて何故か鍋を囲むことに。突然、窓の外、通りの向こうでは、交通事故が。

-感想

ピカリ~とは打って変わった若手公演。演技が自然で、こっちのほうが、見ていて安心できる。

椎名さんの演じる主人公の心の不安定さとかが、周りのバカ騒ぎメンバーとの対比で割りと繊細に描かれていました。コタツ、猫、雪、ローマの休日、そんなものにシンパシーを感じている彼女は、まだちょっとオトナになりきれていなくて、それであるがゆえに、彼氏を含む周りとはなにかすれ違うというところをうまく演出されているなぁと思いました。

劇中に出てきた誰とも関係のない、窓の外の交通事故の経過が、何かを椎名さん演じる主人公に影響を与えるという話も心に染みてきます。

演出も、ちょっといつもの桟敷童子とも違っていたところもあって、短い(数秒?)のシーンを連続させることで夜の長い時間が過ぎていくのを表現するところは、テンポが良くて、笑いをうまく誘っていました。一種の一発芸的なところで、楽しく作ったんだろうなと思いました。でも、「良心回路」ってそんなキカイダーな話出てる人みんな知らないんじゃないか?

若い役者さんの日常的な演技の中で、馴染みの深い鈴木さん、外山さんの演技も独特。独特の間で、きちんきちんと笑いを取ってきた。鈴木さんなんて、こっちが笑い出すまでえんぎつづけないんじゃないかという凄みさえ感じつつ笑ってました。

桟敷の若手女優さんまだ、名前を覚えていないなぁとか思って終わった後、パンフの配役見て仰天しました。あのちっちゃい人大手さんだったのね。

大手さんと徳留さん二人ならぶと遠近感が出てしまいます。ならんでいるのに大手さんが遠くに見える…

最後は、いつもの桟敷童子のような舞台崩し。座席の窮屈さに耐えたかいがありました。

PS

劇場は、西新宿の桟敷童子の稽古場でした。恐ろしいことに私の会社から歩いて5分(信号渡ったらすぐ)。昼間なんども前を通ったのに場所がわかりませんでした。まさかあんなところに稽古場あるなんて。

こんなに近いので、次の番外公演も絶対行こうと思いました。会社帰りに現実的にいける唯一の劇場な気がします。

 

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