オーツーコーポレーション「飛龍伝-今蘇る、青春の魂」@全労済ホールスペース・ゼロ(新宿)

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劇団 O2プロデュース
題名 飛龍伝
公演期間 1997/3/16~1997/3/27
つかこうへい 演出 金盾珍
出演 近藤弐吉、近藤結似花、佐藤誓、桂憲一、腹筋善之介、樋口浩二、一ノ瀬めぐみ
劇場 全労済ホールスペースゼロ(新宿)
観劇日 1997年3月31日

かつて、(多分,富田靖子が飛龍伝をやるときだったと思うが)つかこうへいさんが何かの雑誌のインタビューで「全共闘版のロミオとジュリエットとして愛の物語として見直したい」と言っていた。その時、僕はなんとなく寂しい思いをした。
実際、つかさんの「飛龍伝」見たことがなかった(今もないが)が、脚本は読んだことがあったその頃の僕には、あの物語はけしてロミオとジュリエットなんかじゃないという思いがあった。(転勤等諸事情から実は、つかさんの飛龍伝は「富田靖子」版も「石田ひかり」版も見ていないのでほんとのところどうだったのか知らないのですが)

 結果として、今日の芝居は、その僕の数年前の「思い」に対する一つの回答として見ることができました。この芝居の中では(少し強引に)ロミオとジュリエットというような悲恋的な部分がさらりと流され、熊田と山崎,あるいは全学連と機動隊といった男と男の対峙をメインに置かれていました。滑稽でそれでいて哀しい男達の対峙に、僕自身熱くなる思いを感じることが出来ました。僕自身は全共闘世代でもなんでもない世代ですから、きっとこの演出は正解だったのではないかなと思いました。とは、いえいくつか不満が残ったのも事実。

 梁山泊の面々による集団シーンは結構見どころ。特に、機動隊員の歌とダンス(?)は不気味で結構良い。ただ,ヴァリューゼロの「ジョバンニのパレット」を 見た後だからか、圧倒されるほどではなかった。

 また、役者達も演技が若干空回り気味な気がした。あまり誰かにスポットをあてた演出ではないからか、あるいは割と広い舞台を持て余しているのか、個々の演技で胸に迫ってくるシーンが非常に少なかく、役者として印象に残る人がいなかったのが寂しかった。(プロデュース公演の悪いところが出てしまったのだろうか)

 ラストは、予想通りというかああするしか終わりようがないような気がするが少し、白けてしまった。人をあんなに出す終わりかたじゃない方が観客にはより熊田と山崎の対峙が印象に残ったんじゃないでしょうか。実はこの手の不満は時々金さんの演出に感じる。過剰な物量(今回は人の量ですが)でラストシーンを形作ると,時にそれが鼻につく事があるような気がします。

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