[劇評]松竹「朧の森に棲む鬼」@新橋演舞場

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市川染五郎に始まり、市川染五郎で終わった舞台。主役級をそろえながら、市川染五郎を中心にすえ、ぶれない脚本・演出であったことから3時間半に及ぶ時間を長いと感じない秀逸な出来になっていた。

劇団 松竹
題名 朧の森に棲む鬼
公演期間 2006/12/29~2007/01/27
中島かずき 演出 いのうえひでのり
出演 市川染五郎、阿部サダヲ[大人計画]、、、田山涼成、高田聖子、秋山菜津子、粟根まこと、小須田康人、横山一敏、河野まさと、礒野慎吾、武田浩二、川原正嗣、中谷さとみ、、古田新太、山本カナコ、前田悟、、、真木よう子、村木仁、逆木圭一郎、吉田メタル、保坂エマ
劇場 新橋演舞場(新橋)
観劇日 2007年1月14日(マチネ)

【ストーリー】

森が囁くとき、滅びが始まる
野良犬のようにギラギラとした目の男が、シャレコウベを踏みつけ歩いていく。
そこは累々たる屍に埋まる深い森。
「王の座を欲しくないか、おまえの命と引き替えに」
突然現れた森の魔物《オボロ》の声が、その男の運命を変えた。
……「おもしれえ」。
男の武器は、魔物にもらった「オボロの剣」。
してありとあらゆる嘘を生み出す、赤い舌。
放たれる無数の言葉は果たして正か邪か、善か悪か。
そして告げる想いは、愛か、それとも憎しみか。
嘘で染まった真っ赤な舌が、裏切りと憎悪の無間地獄を作り出し、そして「オボロの剣」が、緑の森に赤い血を降らしていく―――。
『血よ。オボロの森を真っ赤な嘘に染め上げろ!それが俺の、生きる証だ―――。』 (公式サイトより)

【感想】

今回はチケットは争奪戦に敗れ諦めていたのをネットの友人からお譲りいただいた。ありがたや~!
さて、いのうえ歌舞伎の為にしか新橋演舞場にこないせいかだいぶここの設備にヘヴィメタの音楽がマッチするようになった気がします。最初は、ほんと違和感あったのですが。
今回の特徴は染五郎さんの完璧な悪役ぶりです。ライ=嘘という舌先三寸で世をわたるしがない盗賊が森の精霊のちからで王の座に上り詰める。そのための手段を選ばぬさまが痛快なほどです。 マクベスやリア王を下敷きにしたとおぼしき脚本は、僕には痛快な印象を与えてくれました。
一本筋の通ったぶれないストーリー展開がこの痛快さを生み出したのだと思います。ひいては、三時間半という上演時間をけして長いと感じさせない力を生み出したとおもいました。
小須田さん、古田さんをはじめとする主役級豪華キャストを使いながら、いや使っているからこそ、本 当に主役である市川染五郎さんを常に中心にすえる演出が映え、芝居の背骨がみえてきたように感じました
伝統ある新橋演舞場をここまでむちゃくちゃにしていいのかこっちが心配になってしまうような本水を大量につかった演出にもおそれいりました。(こんな大量のみずが舞台にでてるのを見たのは、アングラの唐組か水族館劇場以来だもんなぁ)
そしてなんといっても染五郎さん。主役級といわれるような脇に囲まれ、嘘偽りない正真正銘の超悪役をやりながら、文句ない主役をはる力に感嘆。
あれ、ここまで女優に触れていない。珍しいですが、本当に女優さんが印象に残りませんでした。いや、秋山さんや、高田さんという女優さんの力はいかんなく発揮されていたとは思うのですが。

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2 件のコメント

  • […] 2019/4/12(金) 19:00放送  演劇感想文リンク松竹「朧の森に棲む鬼(2006)」の劇評集 | 演劇感想文リンクhttps://engeki.kansolink.com/shows/shotiku29.html2006年12月に松竹が新橋演舞場で上演した舞台「朧の森に棲む鬼」のレビュー/劇評のリンク集です。この作品は、中島かずきさんの作品をいのうえひでのりさんが演出しています。17本の劇評を読んでいただくことが出来ます。劇評は2018/05/04に更新されました。 市川染五郎(七代目)(現松本幸四郎(十代目))が徹底的に悪役に徹した舞台。私も劇場でみましたが、印象に残っている舞台の一つです 阿部サダヲの演技も見ものです 私の感想は以下  演劇とかの感想文ブログ[劇評]松竹「朧の森に棲む鬼」@新橋演舞場 |… […]

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