[劇評]新国立劇場「透明人間の蒸気」@新国立劇場中劇場

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宮沢りえはけしてもう若いとはいえない年齢のはずだが、ピュアの感じの少女役が結構似合っている。阿部サダオもなかなか。遊眠社特有の疾走感を久々に見た感じがするが、若いときに見たときの感動とはちょっと遠い。僕の年のせいか、演出のせいか。日々野さんの衣装は、いつも驚かされるが、今回の衣装は結構すきなタイプ。

劇団 新国立劇場
題名 透明人間の蒸気
公演期間 2004/03/17〜2004/04/13
作/演出 野田秀樹
出演 宮沢りえ、阿部サダオ、野田秀樹、手塚とおる、高橋由美子、有薗芳記、大沢健、秋山奈津子、六平直政、櫻井章喜、池谷のぶえ、小手伸也、山中崇、小林功、福寿奈央、須永祥之、阿部仁美、木下奈津子、中川聖子、浜手綾子、小椋太郎
劇場 新国立劇場中劇場(初台)
観劇日 2004年3月20日(ソワレ)

【ストーリー】

太平洋戦争開戦の日、「20世紀を後世に伝えよ」という天皇の勅命が下った。それを受け、華岡軍医、愛染かつら看護兵、のらくろ軍曹、ロボット三等兵は「20世紀で消滅してしまうもの」の収集に励む。その最中、彼らは「20世紀を生きた人間」として透アキラを選んだのだ。
実は彼は結婚詐欺師で、父刑事に追われ鳥取砂丘まで逃げてきた。そこで目の見えないヘレン・ケラと出会う。ケラは砂丘でみやげ屋を経営するサリババ先生と暮らしている。アキラは華岡軍医らに100年間眠りつづけるカプセルに入れられ、爆発事故が元で透明人間になってしまう。が、ひとりケラだけには彼の姿が見えていた。

【感想】

会場にはいると、いきなり舞台全面に日の丸がぶら下がっている。どうも最近の野田マップは、日本の国体とかそういう部分に対しての強い主張のある舞台が多く(カノン、パンドラの鐘、オイルもそうか)それが、必ずしも僕にとっては、良い印象の舞台ばかりではない為、内心「またかぁ」という感じ。どっちかっていうと、こういうのに拘らない野田さんの作品の方がすきだなぁ。

実は、芝居見終わるまで、この日の丸とかそういう類の演出は、今回の再演向けの演出だと思っていたのだが(こういう国体とかの話は、最近の野田さんの傾向だと思い込んでいたので)どうやらそれは僕の誤解だったらしく、初演時から変わっていない演出であるらしい。(昔からこういう芝居も好きだったのか。ちょっと意外)

芝居は、面白いのだが、20世紀に消えるものを集めるあたり、21世紀の今の時代に上演するのはちょい難しい脚本だなと思った(別にメインテーマじゃないんだからいいんだけど、同じテーマを語りたいならば、別の脚本を作ればいいのに…と思うのは観客のわがままかもしれない)

舞台がはじまると、スピード感がいつもの野田地図とちょっと違う気がする。 遊眠社時代の脚本のせいか、役者に六平さんや有薗さんといったちょっといつもと違うテイストの役者さんが混じっているせいか…軽さ(軽快さ)がない。(良くも悪くも)

主役二人以外が、どうもしっくりこない。六平さんとかは、いい役者なんだが….野田演出にどうもなじんでいないと言うか….

少し時間がたてば(公演を繰り返せば)解消されるものなのだろうか。

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