[劇評]PARCOプロデュース「江戸は燃えているか」@WOWOW視聴

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今年の3月に上演された作品が、早速WOWOWで放映されていました。録画したまま見ていなかったのですが、今月もまた放映されるということもあり見てみました

三谷ワールド全開で、とても楽しめる舞台でした

松岡茉優さんの大活躍で、ニュースで読んだ三谷幸喜さん代役版がまったく想像できず、ある意味凄まじさを感じてしまいました

劇団 PARCOプロデュース
題名 江戸は燃えているか
公演期間 2018/03/032018/03/26

三谷幸喜

演出 三谷幸喜
出演 中村獅童、松岡昌宏、松岡茉優、高田聖子、八木亜希子、飯尾和樹、磯山さやか、妃海風、中村蝶紫、吉田ボイス、藤本隆宏、田中圭
劇場
新橋演舞場(新橋)
観劇日 2018/9/30(WOWOW視聴 放送日は2018/7/28)

途中での三谷さん代役でも話題になりました

かなりの豪華キャストで、演じられている舞台。それだけでも話題でしたが、以下のニュースでも話題でした
松岡茉優ダウンで三谷幸喜氏が代役「まさか自分が」

夜公演は、三谷氏が開演前に「松岡さんの具合がよくありません。(代役の)人が見当たらないので、代わりに私がやります」と自分が代役を務めることになった経緯を説明した。松岡は中村獅童(45)演じる勝海舟の長女ゆめ役。三谷氏は本番では、台本を手に持ちながら黒子姿で舞台に立った。

観客によると、時折アドリブを交えるなど堂々と演じていたという。またカーテンコールでは「劇場に毎日来ているわけではないのに、まさか自分が(代役を)やることになるとは」と話して観客を笑わせていたという

かつて「ユー・アー・ザ・トップ」で、病気降板の鹿賀丈史さんの代役探しをすることになった際に、公演日が迫っていることもああり三谷さん自身がやることを覚悟した際に、鏡に映った自分の姿を見て「若き天才音楽家が日曜日のお父さんにしか見えない」という理由で他をあたった(浅野さんが代役)

あるいは、「オケピ!」で小日向さんが昼公演があるのをすっかり忘れて遅刻してきた時に、代わりに出るために小日向さんの衣装を着ていた。

その手の話題はあるものの、なかなか実現しなかった三谷さん自らの代役が実現するのが、まさか「松岡茉優」さんとは

という経緯もあり、松岡茉優さんの役がどんなものなのかなと思いながら見始めました

豪華キャスト、初顔の中で唯一の馴染みが

WOWOW視聴のメリットですが、開演前に記者会見かなにかでのキャスト一同と三谷幸喜さんの会話が放送されました

その中での三谷さんの話が面白かったです

初顔合わせの方が多い現場で唯一頼りになる馴染みが高田聖子さんだったのに、稽古と劇団☆新幹線の舞台(髑髏城の七人 月)が重なって、毎日屍のような感じで稽古場に現れて

そうか、髑髏城の七人やりながら次の舞台の稽古をやるんですね。すごいなぁと感嘆

ここからはネタバレします

一幕終わりで終わった気になってしまった

こちらは、WOWOW視聴(かつ録画視聴)の良くないところですが、見る時にその舞台が一幕ものなのか、二幕ものなのか知らずに見始めてしまいました

一幕は、松岡昌宏さんを、勝海舟(中村獅童さん)の身代わりを松岡茉優さん演じる勝海舟の娘の一計でやることになってしまい上へ下への大騒ぎの末なんとか、西郷隆盛(藤本隆宏さん)との会談を終わらせることができたというストーリー展開でした

集中力を途切れさせない話の運び方はさすが。

そして、相当な盛り上がりがあり、笑いも十分 大団円!と思った矢先に、今度は逆に西郷隆盛の替え玉を建てなければならない羽目になり、松岡昌宏さんが大爆笑というなかで舞台は終わりました

僕は、てっきりこれで芝居は終わったと思い込んでいました

もちろん、じゃ、西郷隆盛の替え玉はどうなるんだとか色々と気になる部分があるのは事実ですが、それでもここまでの満足感を考えるとそこは観客の想像に任せるという終わり方も嫌いじゃないし、コメディとしての終わり方としては「うぁ、今度は逆かぁ」と頭を抱える登場人物たちの姿で十分余韻になると感じたのです

一方で、逆の形でもう一回やるだけならば、一幕と同じような展開が待ってるだけのように思ったし、それを繰り返されるのもなぁと言う印象。

というわけで、そのまま2幕が始まったときには「あれ?」と声を上げてしまったほどでした

当然に、二幕は一幕の終わりで僕が想像した以上に色々なことがあり、無事江戸城無血開城が、あいなるわけで想像の上をいく三谷さんの構成力に感動しました

松岡茉優がすごい

とにかく、このオールスターキャストの中で、実は主役はまごう方なき松岡茉優さん

堂々たるコメディエンヌぶりで、舞台の端から端まで、共演者の一人ひとりを振り回しまくる超重要キャストを熱演されています

実は、見るまで彼女の役がこんなに重要な役とは知らず(だって周りがあまりにも主役級の方々なので)、割と脇なんだろうと勝手に想像していました

なので、この舞台を見終わって思ったのは、冒頭話題にした三谷さんの代役ニュース。

この役をいったい全体どうやって、三谷さんはやったんだ!!

いや、確かに見たい。でも苦労してとったチケットが、たまたま三谷さん版だった場合、それがどんなに希少なものだったとしても、この松岡茉優さん版も見ておくべきでしょうと思いました。

そのくらい、松岡茉優さんの舞台になっていたと感じました。

かつて、清純イメージの沢口靖子さんを主役に据えてそのコメディエンヌぶりを引き出した「BAD NEWSGOOD TIMING」を思い起こしました

うわぁ、18年前の舞台か。

スーパースターの贅沢な使いっぷりが逆にひきました

ジャニーズの松岡昌宏さん、歌舞伎界の中村獅童さん、宝塚界の妃海風さんなど豪華絢爛なキャストを配しつつも彼らは主役でないというところにある意味少し引きました

なんか使い方が贅沢すぎて、松坂牛でおでんの牛すじ食べさせられている的な(比喩が適切かどうか不明ですが)

特に中村獅童さんの繰り返される見得を切る演技、必要性ありましたっけ?
存在感があるし、序盤のヘタレ勝海舟から、堂々たる勝海舟への変貌する二幕にかけての演技力は素晴らしかっただけに、少々見得を切る演技の繰り返しにはあざとさをかんじてしまいました

妃海風さんは、立ち姿やサムライ姿が堂に入っていてかっこよかったです。ほかの女優さんもそうだけど、この舞台は女優さんに男性がふりまわされるはなしなので、彼女のキャラ設定はかなりよかったです。
それで十分だと思ったのですが、あの歌と踊りのシーン必要でしたか?

スーパースターの見せ場をあえて作ってあげたというか、その見せ場を笑いに変える的な発想がいままでのシチュエーションで押していた三谷さんっぽさがない気がして違和感を感じてしまいました

いや、贅沢な注文であることはよく分かってます

田中圭さんは、とても雰囲気がよかった

実は、未だ舞台上の田中圭さんを見たことはありません(今回も、舞台作品とはいえ、テレビ越しだし)

テレビでは最近本当によく見るようになった役者さんということもあり、この舞台での演技も注目してみていました

この舞台では、暴走する松岡茉優さんをうまくサポートする苦労人役を好演していました

妻の尻に敷かれる情けなさの陰で、もと浪士組だったという剣術の技量をみせたりして舞台映えする役者さんだなと思いました。

単純なハッピーエンドで終わらない三谷幸喜作品

最後に松岡昌宏さんが磯野さん(確かに手が短い)に刺されるシーンは、ちょっと予想外

結局、女の人に最後まで翻弄され続ける男たちの物語として少々ほろ苦い終わり方でした

三谷さんの舞台の印象は、ハッピーエンドで終わることが多いというイメージが強かったのですが、今回はこの意味深な終わり方が、ちょっと異色だなと思いました

あれ致命傷じゃないよねと、物語上のことながら心配に。先日伊勢参りに行ってきた身としては、大金もらって伊勢参りに行くという松岡昌宏さんの役どころを他人事とは思えませんでした

大金もらったとはいえ、あれで死ぬのではバッドエンド過ぎるし。うーーーん

ちょっと後味の悪さが残る舞台で、やはり三谷さんの舞台にしては珍しい終わり方です。

以上WOWOWで視聴したPARCOプロデュース作品「江戸は燃えているか」の感想でした

ちなみに、この「江戸は燃えているか」という題名、有名な映画のパロディなんですよね(映画通に教えていただきました)

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