[劇評]星屑の会「ストロベリーハウス」@世田谷パブリックシアター

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怪優麿赤児の客演も、日本人が外国人を演じるという冒険も、水谷節とでもいうべき芝居のイメージを壊す事は無く、心の中が暖かい物に包まれる不思議な時間を客席全部で共有できるすばらしい芝居だった。

劇団 星屑の会
題名 ストロベリーハウス
公演期間 2001/11/21~2001/11/29
作・演出 水谷龍二
出演 ラサール石井、渡辺哲、三田村周三、菅原大吉、小宮孝泰、でんでん、清水宏、築出静夫、松永玲子、朝倉伸二、柏進、福島まり子、麿赤児、江端英久、星野園美、李丹
劇場 世田谷パブリックシアター(三軒茶屋)
観劇日 2001年11月24日(マチネ)

<<ストーリー>>

現役を引退した老人が営む「ストロベリーハウス」は、色々な国から来た留学生が、住む家。みんなお互いの事を思いやり、時にはおせっかいなほど周りの人たちの事を気にする。そんなおり、ブルネイから来た留学生が日本人と結婚するという。まわりの留学生達は、騙されているのではないかと心配し、色々おせっかいを焼くが….

<<感想>>

前にも他の劇評で書いているが、いわゆる「赤毛もの」という外人を日本人が演じる舞台は嫌い。特に、日本人が脚本を書き、日本人が演出し、日本人が出演している舞台で、そうなっていると「なんで?」ととりあえず思ってしまう。

だから、日本人キャストで留学生を演じるという今回の公演の案内を聞いた時には、ちょっとひいて聞いていた。(ま、留学生を演じるのと赤毛ものは違うとは思ったのだが、日本人が外人に見えるかなぁという疑問は共通していたし)

 

この疑問、結局杞憂に終わった。

 

ほとんど日本人のキャストで(中に本当に中国人の方がいるが)、世界各国の留学生を演じわけるという試み、結果としては正解。思った以上に各々の役者のたどたどしい日本語が留学生のそれに見えてきてほとんど違和感なくみる事ができた。

 

そんな問題さえ、気にならなければ、水谷龍二さんの芝居作りに破綻はない。2時間近い芝居であったが、心の中が暖かい物に包まれる不思議な時間を客席全部で共有できる芝居だった。

 

留学生同士がお互いに対して示す無私の思いやりは、本当に暖かくて、水谷龍二さんが描きたかった世界が、よく伝わってきた。更に、こういう暖かい風景を描く時、留学生を描くのがぴったりだと思う自分の認識が哀しかった。

確かに、こんな暖かい世界は、日本人同士からは失われてしまったのかもしれない。

 

麿赤児を舞台で見るのは、ものすごく久しぶりで、唐組に唐麿鷹の三人が集合した「電子城2」以来だと思う。今回は、その久しぶりな麿さんの舞台を見るのが楽しみのひとつ。(ちなみに、唐麿鷹とは、唐(十郎)、麿(赤児)、(大久保)鷹という状況劇場時代の怪優3人組のこと)

麿さんが、どんな国の留学生をやるのかと期待していったが、結果としては、留学生ではなく大屋の老人の役。足腰の立たない好々爺を好演。こんな演技ができるのね(失礼!)と感心した。毒々しいまでの怪演しか記憶がないだけに、ちょっと意外に感じた。それでも、終盤の戦時中の記憶を思い出して、三田村さん演じる老人につかみかかるシーンの迫力はさすが。

 

ただ、数年前に唐組の舞台の客席で見たときにも感じたが、麿さんすごく痩せた気がする。今回の役のせいもあるかもしれないが、少し往年の存在感が薄れた気がして、さびしさを感じた(大陀羅艦を見れば違うかもしれないが

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