[劇評]劇団桟敷童子「海猫街」@ベニサンピット

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最近ではピカイチだと思いました。この劇団、これからが本当に楽しみです

劇団 劇団桟敷童子
題名 海猫街
公演期間 2006/10/27~2006/11/12
サジキドウジ 演出 東憲司
出演 東憲司、原口健太郎、池下重大、桑原勝行、小野瀬弥彦、尾崎宇内、鈴木めぐみ、外山博美、川原洋子、山本あさみ、もりちえ、松本しゃこ、新井結香、中井理恵、板垣桃子、ヨネクラカオリ(劇団阿佐ヶ谷南南京小僧)、川田涼一、朱源実、南谷朝子
劇場 ベニサンピット(森下)
観劇日 2006年11月4日(マチネ)

【ストーリー】

時は日露戦争後。
その勝利で日本中が沸き立っていた。が、その陰で人々の生活は貧困を極めた。 断崖絶壁に囲まれた港、通称「海猫街」もその一つだ。

ある日、そんな海猫街に鯨で財をなした[玄海憂鯨社(げんかいゆうげいしゃ)]が視察に来るという。

玄海憂鯨社は日本政府の命令で、軍艦基地への輸送中継の港を探しており、候補の一つに海猫街があがったのだ。

輸送中継の港に選ばれれば、街に金が落ちてくる。 海猫街に住む嶽崎部の集落の人々は、盛大に玄海憂鯨社を招き入れる準備をする…

しかし、玄海憂鯨社の真の目的は、嶽崎部の祖先が海底に隠したと言われる財宝であった。 玄海憂鯨社の会長・千草は海底調査のため、卑しいと蔑まされている景浦部の海女達に近づいてゆく…

【感想】

今回の舞台は、最近見た中でもピカ一だったなと思いました。主要な役柄一人ひとりの役の位置づけが明確で、物語がきちんとありだれかだけが、主役あるいは主役級の扱いをされているということがなかったのが最も私にとっては良かったポイントでした。
特に、芝居のシーンの中で「グッ」と来るシーンがありました。見ていて少し涙ぐんだのは、この劇団を長くみていますが、今回の舞台が初めてです。
(ちなみに、グッと来たのは鈴木めぐみさんが、老海女として深海に潜るのをみんなで見守るシーン。)

海賊の末裔と自らを鼓舞しつつも、国に頼って村の繁栄を考える海沿いの人たち。その人たちの中にも、差別のようなものがありながらも、実はどちらも貧しく中央・国からみればあくまでも、蔑まれるような貧しい人たち。

そのような中で、反目し、協力し、そして裏切られて、ついにひとつの集落が壊滅する話。

いつものこの劇団のテーマではありますが、いつもよりも、少し対立関係が複雑で結果として、話が深くなっているような気がします。

2時間ちょっとのストーリーは少し長いと感じなくはないですが、この盛りだくさんなストーリーを消化するためにはしょうがないかもしれません。

マイミクのかわひさんのブログでも言及されていますが、南谷さんの存在感はかなりのものです。彼女がいることで、シーンが締まると感じたシーンが非常に多くありました。体の切れ、姿勢の美しさ(正座で座った時や誰かと話す時)がその存在感をかもし出しているのだと感じました。

若い役者の多い劇団なので、朱源実さん演じる悪役もかなり気になりました。安定感があるいかにも悪役と言う感じですね。

新宿梁山泊に出ていた頃から見覚えのある役者さんであるもりちえさんも今回は色っぽいいい役をやっています。

阿佐ヶ谷南南京小僧(未見ですが)からの客演のヨネクラさんも今回初めてその顔を見れました。前回見たときはほとんど顔がわからないメイクでしたが。美人であることがわかりびっくりしました。少し演技が一本調子なのが気になりました。

いつものように、おおがかりな舞台装置も圧巻です。初めて訪れたベニサンピットの劇場でしたが、存分に使いこないしていたと思います。

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