橘玲さんの書籍は結構好きでよく読んでいます。以下、この本のおかげで目からうろこの事実を多数知り、保守派と思い込んでいた自分は単なる「日本の」リベラル嫌いだとわかりました。
※以下の感想文は、あくまでも僕が読んだ事による感想です。橘玲氏の言説とずれているところがあれば、それはわたしの理解不足です!
目次
保守派だと思ってきた自分も実はリベラル?
参院選に向けてヤフーの選挙サイトで候補者、党との相性診断したら「日本のこころを大切にする党」になってしまいました。(いや、嫌がっているわけじゃありません。断じて)
しかし、自分が保守になったのは日本のリベラルをうたう人やメディアや党が嫌いなだけだと思いました
まっとうな(グローバルスタンダードな)リベラルであれば、自分はどっちかといえば、リベラルに近いかもしれないと思いました
衝撃的な沖縄戦の真実
勉強不足を露呈するようですが、この本の第1章を読むまで、沖縄戦における日本軍の集団自決の軍令などは本当にあったのだと思っていました
そららのデマがなぜ生まれなぜまことしやかに真実と報道されてきたか。
そして、真実が発覚した後に何故、メディアも識者とそれを認めなかったのか
日本のリベラルと言われる人たちの行動に改めて、ため息交じりの絶望を感じざる終えません
また、立ち位置を間違ったが故に、護憲にまわる日本のリベラルの異常さもよくわかりました。
リベラルに、批判されるべきは、国民を守らない軍隊であった事(満州からの民間人を残しての撤退など)である。
そして、今のリベラルが今の軍(自衛隊)に国民を守る義務を果たさせるためには、明確な憲法の規程の元におき、文民統制を徹底する事が必要というのも納得できる文章でした。
改憲=戦争というロジックの破綻
共産党は、かつて自衛のための戦争を肯定し、吉田茂は否定した。今とは逆のすがたが、戦後すぐの国会で交わされた論戦です。隔世の感があります。
憲法を護持することが平和ではない
法律のない今の状態が一番危険。憲法を改正し、軍隊として法制の元におくことの重要性を理解することが出来ました。
しかし、超平和主義の皆様(日本が一切軍を保有する必要が無いと唱える方々)の主張が、まさか、戦争始まったら、即全面降伏か、パルチザンになって戦えという主張とは思いませんでした。想像の斜め上でした
安保法制反対の気持ち悪さ
沖縄戦の真実に至る過程を読み、日本のリベラルの気持ち悪さの根源は、突き詰めていないことだと、わかりました。
それで、自分が、安保法制反対の議論に気持ち悪さを感じていることも、合点が行きました
反対論の中には、「解釈改憲が違法」「とにかく集団的自衛権が、嫌」「個別自衛権までは、解釈改憲でOKだけど、集団的自衛権はダメ」など各派があるのに、そこをうやむやにして野合しているというのが、僕には気持ち悪い。
そこに気付きました。
特に自分の都合のいいところだけ解釈を許すようなダブルスタンダードが、一番気持ち悪い。僕自身、ダブルスタンダードに見えるものは大嫌いなので、ここが根源なんだと気づかされました(ヘイトスピーチ論争にもダブルスタンダードがあると僕は思っています。詳しくは以下のエントリを)
最終章にあるリベラルの主張
あるべきリベラルの主張として最終章で紹介される東京大学の井上達夫さんの議論も目から鱗でした
いわく、天皇の存在は独裁ではない。しかし、職業選択の自由がない天皇家は奴隷的な扱いであり、民主的なものではない
すなわち天皇家は、リベラルの立場から言えば、人民から解放されるべき存在であると…
目から鱗が落ちるような言説でした。
紹介されている井上達央さんの本「リベラルのことが嫌いでも、リベラリズムのことは嫌いにならないでください。」は是非読んでみたいと思います
リベラルってちゃんとしてんだ
リベラルが嫌いで、保守に傾いている僕ですが、本当のリベラルはちゃんとしてるんだと思いました
戦後の思想的な歪みを我々はいつまで引きずり続けるのか、暗い気持ちにもなった本ではありました。
やっぱ、橘玲さんの本はハズレないなと感謝しました
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