[劇評]「TWELVE ANGRY MEN 〜そして、陪審員たちは〜」@サニーサイドシアター(新宿)

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小さな劇場での公演でしたが、名作舞台ということもあり緊張感を失うことなく舞台に集中することができました。古い本ですが、変に脚本をいじらず、真正面から名作に取り組んできた様子が伺える清々しい舞台でした。

劇団 新宿サニーサイドシアタープロデュース
題名 TWELVE ANGRY MEN 〜そして、陪審員たちは
公演期間 2016/3/1~2016/3/6
レジナルド・ローズ 演出 坂田俊二
出演 河野晴美、齋藤純子、塚本健一、梅原晶太、あるがゆういち、松島里花、新田敬文、加藤敦洋、丸山美樹、水落磨樹、加藤久美、遠藤綱幸
劇場 新宿サニーサイドシアター(新宿)
観劇日 2016年3月6日

初 12人の怒れる男 観劇

TWELVE ANGRY MANは、とても有名な舞台ですが、有名な原作映画も含め初見です。なんとなくストーリーを知っているのは、若い時に原書を読む練習で、単語が簡単になっている原書シリーズの一冊で読んだことがあるから。原書の挑戦にはちょうどよい作品でしたが、ストーリーがちゃんと理解できているかというと若干不安な部分あり。

 

三谷幸喜さんが、この作品へのオマージュで作った「12人の優しい日本人」は、映画も舞台も見ているので、そちらとの比較をしながら見ることができました。

 

目次

■劇場のちいささにビビる!

いや、行く前から劇場の場所を調べて劇場のスペックを見ていったので意外ではなかったのですが、やはり劇場の大きさにビビりました。ほんとに12人も役者が入って芝居になるんかいな…と開演前は本気で不安になりました。

が、始まってみると杞憂であることに気づきました。「サニーサイドシアター TWELVE ANGRY MEN」をGoogleで検索するといっぱいひっかかるのでわかるように、サニーサイドシアタープロデュースのこの舞台は過去に何度も(多分これからも)上演されている舞台。さすが、劇場を使い尽くす演出は手慣れたもんです。

アパートの部屋から出て廊下を歩くのを再現するシーンは、若干強引でしたが納得させられるような劇場の使い方でした。

当初感じていた不安は、見ている途中で何もなくなりまいした。

■赤毛もの的な違和感もなく、すっと入ってくる。

洋物の脚本をそのまま演じられるのを見るのは、僕は苦手です。が、今回はそのアレルギーをあまり感じませんでした。セリフなどもほとんどいじってない様子だったのに、なんでかなぁと思いましたが、陪審員がお互いに名前で呼び合わないで、番号で呼び合うのが良かったのかもしれません。

僕の赤毛ものへのアレルギーは、洋物の名前が原因だったということを発見しました。

■冒険がない分、堅実で見やすい舞台になっていました。

役者さんは、練習をとてもよく積まれている様子でした。膨大なセリフ劇でしたが、聞き取りづらかったりする方がだれもいませんでした。

特に、ストーリーを展開させる役割を果たした、陪審員8号役の加藤さん、陪審員4号役梅原さんはセリフをきちんと伝えることと感情を伝えることの両立が非常にうまく出来ていました。見ていて安心できる安定した演技で、全体のベースを方続くっていました。

終盤激情に憑かれて暴走する役である陪審員3号役の塚本さんも、セリフが聞き取りづらくなったりしない安定した発声が魅力的でした。

 

この劇場のサイトを見ると、これからも何度かこの舞台を別のキャストでやる様子。他のキャスト版も見てみたいと思わされる舞台でした。

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