[劇評]劇団☆新感線「阿修羅城の瞳」@新橋演舞場

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いのうえひでのり氏の演出は、「広島に原爆を落す日」等で充分に堪能してきており、非常に好きな演出家の一人。新感線の芝居は、髑髏城の七人以来かな。古田さんも、平田さんも、渡辺いっけいさんも、加納さんも、富田靖子さんも他の舞台で見た時からその実力に感動した大好きな役者さんだし、市川染五郎さんにしてもテレビ等でしかみたことがないけど、気になる役者の一人。これは、期待しすぎてしすぎることはないでしょう………期待し過ぎでした。

劇団 劇団☆新感線
題名 阿修羅城の瞳
公演期間 2000/08/17~2000/08/27
中島かずき 演出 いのうえひでのり
出演 市川染五郎、富田靖子、古田新太、江波杏子、加納幸和、平田満、森奈みはる、渡辺いっけい、橋本じゅん、粟根まこと、河野まさと、インディ高橋、村木よし子、山本カナコ、礒野慎吾、吉田メタル、村木仁、新谷真弓、Taki
劇場 新橋演舞場(新橋)
観劇日 2000年8月26日

セリーグでは、巨人がついにマジックを出してしまいました。あの選手層の厚さを考えたら時間の問題とは思っていても、出てしまうと他球団のファンとしてはつまらないもんです。大体、3番江藤/4番松井/5番清原/6番高橋って何?オールスター戦の打線じゃないんだから、どの人も他球団いったら余裕で4番でしょ。まったく、こんな巨人の試合見てて何が楽しいんだろ、巨人ファンって….いえ、野球の解説をする気はありません。れっきとした芝居のレビューを書くつもりでいます。

た だ、先日見た新橋演舞場の「阿修羅城の瞳」を見た時の面白いと思いつつも何か心にひっかかる感覚と、上記の日々のスポーツニュースを見た時に思う感覚がとても似ていたので….というわけでここからが本格的にレビューです。

というところで、感じたのが冒頭の感想になるわけです。

確かに、市川さんは、うまい。別格です。華があるしこの舞台の主役に相応しい。本もすごくいい本です。笑いがあり、愛があり、男と男の友情/葛藤があり、上質のエンターテイメントです。平田さんのほのぼのした安倍晴明もいいし、渡辺さんの過剰なまでの演技に受けまくりました。加納さんの南北も老人に見えない所がちょっと気になりましたが、好きでした。

が、見ていて、不満が残るのです。何故なら主役の市川さんと仇役の古田さん(これは結構よかった)を除くみなさんの出番が少なすぎて見ているといらいらするのです。丁度広島で4番を打っていた江藤がなんで、巨人で3番なんだよぉーーといらつくのと感覚は同じです。そのくせ、芝居全体が長い事にもちょっと不満を感じているわけです。

これは、もうオールスターキャストの宿命かもしれませんが、こんな思いをするほどなら、オールスターキャストを見ない方がいいんじゃないかと感じてしまいました。おそらく、あまりにも個性の強い役者さんを揃えすぎ、またその個性を前面に押出すような演出が返って仇になったのではないかと感じてしまったのです。(ちなみに、同様の不満は新感線の他の役者さんにも感じました。なんで、橋本さんの役があんなに出番がないんだ?等々)

もう一つの不満は、富田靖子さんでした。
この芝居におけるつばきの役は、特に終盤の阿修羅に変化した後どれだけ人間離れした美しさを印象づける事ができるかにかかっているような気がします。それがあって初めて出門の葛藤が、愛情が、恐怖が見えてくるような気がします。しかし、富田さんの美しさは、人間離れしていない。もっと無機質な美しさがある女優さんの方がこの役はあっている気がするのです。(じゃ、誰っていわれると即答できませんが)

僕は、阿修羅への変化のシーンをすごく長く感じしてしまいました。これは、演出家がうすうす上記の事を感じていて過剰なまでの演出で無理矢理美しさを演出しようとされたのではないかと感じるのです。
前半部分の富田靖子さんの演技は最高でした。しかし、阿修羅変化後は非常に見ているのがつらかった(少し声がかすれていたせいもありますが)。

個人的には、非常に広い意味でのミスキャストをこの芝居には感じました。勿論、芝居自体は十分に堪能できたのですが、ちょっとだけ(しかも贅沢な)不満が残ってしまいました。

みなさんが、あまりに誉めているので、ちょっと辛口になっていますが、文句無に楽しめる作品であることも、おそらく伝説になり得る作品であることも変りない気はします

>>野球のわからない方へ
ごめんなさい。いっぱい野球の話題を出して。ちなみに私は広島ファン。

PS 新橋演舞場について
実は、歌舞伎というものを見た事がないこともあって、今回新橋演舞場に行ったのははじめてでした。みやげものを売っていたり蕎麦屋があったり、食べ物を客席に持込んでもOKだったり、浴衣が展示してあったり見るもの聞くものが珍しくお上りさんよろしく、休憩時間や開演前の時間、ついつい演舞場内をうろちょろしてしまいました。芝居の楽しさの一つにああいう劇場の設備が関与しているのかもしれないと感じました。

 

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