[劇評]ホリプロ「ライフ・イン・ザ・シアター」@シアター1010

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あきるのではないかと思っていたのですが、案外あきずに長い上演時間を楽しむことが出来ました。 僕の個人的な思いがストーリーとうまく重なっていたことが大きいと思います。

劇団 ホリプロ
題名 ライフ・イン・ザ・シアター
公演期間 2006/04/12~2006/04/30
デイヴィッド・マメット 演出 ポール・ミラー
出演 市村正親、藤原竜也
劇場 シアター1010(北千住)
観劇日 2006年4月7日(マチネ)

【ストーリー】

ふたりの男優だけが登場。1人は老境にさしかかりつつあるベテラン俳優のロバート。もう1人は俳優になったばかりの若手ジョン。ある劇場の中で、このロバートとジョンが楽屋や舞台袖などで交わす会話や、舞台の上での様子などがオムニバス風につづられる── おそらく同じ劇団にいるロバートとジョン。その劇団はレパートリーで古典劇から現代劇までかなり広いジャンルの作品を上演しているらしい。演技派のベテランと、緊張で食事も喉に通らないような若手俳優…しかし、時間がたつにつれて、ふたりの関係が変わってくる。ジョンは大きなオーディションの話が舞い込んだりと順調な様子。一方、ロバートは、ジョンなど若手の台頭や自分の集中力の低下に不安を感じざるを得ず、また若輩者の無礼に気を悪くしてもいる。こうした中、自信をつけ始めたジョンが次第にロバートの言うことをきかなくなってくる……。 以上 公演情報HPより

【感想】

舞台の向こう側に絵で書いた客席があって、本物の客席は、舞台の裏から見る格好です。楽屋のセットも良く出来てます。なんか、楽屋のセットが出てきて二人で話しているのを見ていると昔見たSETの三宅裕司さんと小倉久寛さんのコントライブを思い出してしまいました。

演技は素晴らしいものでした。それ以上にストーリーにジーンときました。

最近、「実力主義」って具体的にどういうものなの?って考えることが多くあるのですが、俳優の世界ってまさに究極の実力主義だなと見ながら考えていました。経験のない若手俳優が実力により有名になっていき、ちょっといい気になっていく姿と対照的に人生の後半戦にはいる老俳優の姿が対照的でした。

市村さん演じる老俳優は、若い俳優の姿にある意味憧れに近いものを感じ、見つめるようになっていきます。

二人の姿に色々なものが重なって見えてきました。劇場で過ごす人生は、その外の世界と大きく異なるようで、その実ほとんど外の世界とは違わないんだなぁと思いました。

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