劇団 | ホリプロ | |||||
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題名 | 渦が森団地の眠れない子たち | |||||
公演期間 | 2019/10/04〜2019/10/20 | |||||
作 |
蓬莱竜太 | 演出 | 蓬莱竜太 | |||
出演者 | 藤原竜也、鈴木亮平、奥貫薫、木場勝己、岩瀬亮、蒲野紳之助、辰巳智秋、林大貴、宮崎敏行、青山美郷、伊東沙保、太田緑ロランス、田原靖子、傳田うに | 劇場 |
新国立劇場中劇場(初台)
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観劇日 | 2019/04/13(日) |
目次
首都圏直撃台風19号の直後に
ここまで、見れるかどうかを直前までヤキモキした経験は初めてでした
首都圏直撃の台風により、取ったチケットの前日の公演は全てキャンセル。観劇日もともとの公演開始予定時刻は13:30で、今までの台風の経験から朝から電車が動いているとは思えず、13:30に初台につくのは多分無理と思っていました。
ようやく、台風が近づく中で公演開始時刻の後ろ倒しがホリプロのHPで更新され、15時開演に変更。
自宅近辺の電車等初台にたどり着くルートが全て電車が動き出したのを確認して、劇場に30分以上余裕を持って向かいました。(結局、都営新宿線の減便と京王線との直通運転の中止により予定より若干時間がかかりましたが、開場にそれなりに余裕を持ってたどり着くことができました
震災により人生が狂うのは大人だけではない
この舞台は(明言されていませんが311)震災により街中の家(おそらく海に近い)から高台の見知らぬ団地に引っ越してきた子供(鈴木亮平)が、そこで出会ったそれまで存在さえしらなかった従兄弟(藤原竜也)との出会いから始まります。
子供時代に誰もが経験するようなバカバカしいような敵味方に別れた戦いごっこ。銀玉鉄砲(って今でも言うのか?)を使った遊びは、その中に子供の中のカースト構造のようなものがあり、そこにいきなり組み込まれた外から来た子供は戸惑います。
それでも、それに合わせないといけないというジレンマ。
大人の事情というよりももっと大きな震災という事情であるがゆえに、その戸惑いや怒りをどこにもぶつけられない姿はある意味、大人が感じている以上に悲惨かもしれません。
子供の人間関係の描写がエグい
主人公たちの年齢層(10歳から12歳)の時代なんて 目も眩むほどとおぉい昔ですし、身近に子供がいるわけでもないのですが、子供たちの関係性はある意味大人のそれよりエグい描写になっています
藤原竜也さん演じるガキ大将( 死語)のように振る舞う子供に付き従うのは、ドラえもんのジャイアンとは違って、金をばらまくからというのも一つの理由です
その金の出どころに、噂が立っていることも分かっていますが、仲間はずれにされたりいじめの標的にされることを恐れて誰もいいだせていません
それが、本当にひょんなことから立場が逆転します。
子供特有の残酷さのようなものがあり、立場が逆転すると本当にあっという間に手のひら返しをして集団で一気に元ガキ大将をいじめるという部分は、ちょっと背筋が寒くなるような描写でした
闇が深い
元々は、両親が保険金詐欺を働いているのではないかという噂をされ(事実だったことが終盤わかる)、それが負い目になっているガキ大将がもっとも深い闇を背負っているようにみえました。
しかし、更に闇をかかえるアル中気味の母親(大貫薫さん)が抱える双子の妹へのコンプレックスが出てきたり、独居老人(木場勝己さん)が突然、団地のヒーローになって、再びどん底に突き落とされるなどの個々の抱える闇が顕になってきます
2階席から見ていたおかげで、舞台の床に描かれた渦巻き模様がよく見えましたが、その渦巻が何か落ち込んでいく落とし穴のように見え、その上で語られる個々の闇が一層深く、悲しいものに見えてきました
そして、最後に最も深い闇を抱えていることが発覚する鈴木亮平さんが演じる団地にやってきた子供
震災が、様々な人へ様々な形で心に闇を宿らせるという宿命を感じるシーンでした
藤原竜也さんの華が舞台を引っ張る
鈴木亮平さんと藤原竜也さんをテレビで見るときはどちらも主役級の芝居をする好感度の高い役者さんですが、やはり舞台だと藤原さんの存在感の方が高いなというのが今回の舞台の印象です
セリフの喋り方や、喜怒哀楽の表し方が本当に独特かつ魅力的で、憎まれっ子でありながらどこか憎めない役をほんとうにうまく演じていました
最後の周りが冷めまくっている送別会のシーンでまさかの号泣して周りを更に戸惑わせる演技なんて、まさに子供そのものでそれが嫌味なくできてしまうのは藤原さんの力だと思いました。
蓬莱竜太さんっぽい脚本
モダンスイマーズの舞台は何本も見に行っていますし、小劇場の舞台(道学先生、三田村組など)の舞台も見に行ってます。
ただこういう大劇場での舞台を観るのは初めてでした
それでも、テイストは小劇場で見ていたときとあまり変わりがなくて、上記で書いたような人の感情をエグい刳りをする作りに久々に触れることができたのも今回の収穫でした
以上 ホリプロ制作「渦が森団地の眠れない子どもたち」の感想記事でした。
以下の雑誌に特集が組まれているようです
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