[映画評]「記憶にございません」@TOHOシネマズ錦糸町

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政治を題材にした作品でありながら、政治的な話はほとんどない。他の舞台作品にも通じる極度の緊張状態/ありえない設定の中で、各々の人がバタバタと必死に振る舞う様が、傍から見ていると面白いというコメディの王道作品
個人的なツボは、一区切りをつけるために片っ端から過去の(割とつまんない)不祥事を正直にサバサバ語る首相による記者会見というシーン。なんか今も、あんな感じでさっさと謝るべきは謝っちゃって話を先にすすめる方がいいのかなぁと思いました。

舞台の仇を映画で返す

勿論舞台作品を作る三谷幸喜さんも大好きですが、最近はチケット争奪戦に破れがち(泣)。映画くらいはちゃんと見たいと映画館に足を運びました

とはいえ、三谷さんの映画をちゃんと映画館で見るのは有頂天ホテル以来な気がします。
舞台はチケット争奪戦に破れる一方で、映画は混んでいるのが嫌なのでついつい公開当初を避けて、少し空いた頃を狙っているとみるみる公開映画館がなくなっていき見そびれるということが多い…
最近の映画の公開期間の短さは驚異的です。
今回は、過去の反省を踏まえ、早めにチケット確保して見に行きました。

ここからはネタバレします

ちにみに、三谷さんの政治を舞台にした作品としては、ドラマであった「総理と呼ばないで」とかもありました。あれも面白かったなぁと思いながら映画館に向かいました。

政治劇ではなくあくまでコメディ

支持率2%代という超不人気首相が、群衆から石をなげられたをきっかけに記憶喪失になったら…というシチューエーションコメディ。舞台はたしかに政治の世界ですが、どちらかというと 何もしがらみがなくなったら人がどれほど変わるのかという割と普遍的なテーマを扱っています。

政治的劇ならばどうしても、現政権批判になったり、政治のあり方みたいな部分にフォーカスがあたりそうなものですが、この映画はそれよりも、記憶喪失になったということを隠しつつ、以下にまわりとやっていくか的な部分がコミカルに描かれています。

個人的には、政治ゴロ(佐藤浩市さん)に脅されているらしいことがわかっていても、何が脅されているポイントなのかも、いくら請求されているかもわからない状態から、中井貴一さんが必死にわかったフリをしながら話を聞き出すという会話の進み方が好きでした(細かいポイントですが、一番好きなシーン)

その他、いわゆるシチュエーションが生み出すドタバタや三谷さんがそこここに潜まさせているギミックに笑わされっぱなしでした(小池栄子さんのコメディエンヌぶりは素晴らしい)

三谷さんの政治感

政治観ではなく、政治感。今回の映画を見ていて、三谷さんが持っている政治に対しての感覚がちょっと垣間見えたような気がしました。

政治家という人たちを特別な人ととらえず、人間として捉えてその家族関係や人間関係を描くことに徹しています
そして、政治もあくまでも人間の営みである以上、その人間関係や人間性がきちんとさえすることができるのであれば、政治もきちんとするものだという考え方が貫かれているように思います

国会討論の場で、家を出ていった妻へ語りかけるという前代未聞のシーンも、上記のような三谷さんの感覚が色濃く出ているなぁと思いました。
安倍さんもこの映画の試写会に行き、その後に安倍さんと三谷さんが鼎談をしたあたり下記のような左派メディアは批判しています。

三谷さん的には、政治についてはわりと冷めたあくまでも一つの舞台設定としてとらえているだけで、安倍政権批判(それっぽいところはいっぱいありますけど)が映画の主眼ではないんでしょうね。
上記の記事で、中井貴一さんが、安倍首相と同窓というのは初めて知りました

全部あやまっちゃいなよ

上記の三谷さんの政治感が現れているなぁと思ったのが、途中で中井貴一さん演じる首相が過去の疑惑、不祥事について記者会見してかたっぱしから謝っちゃうというシーンでした

あれなんかも、複雑に政治的な影響とか考えないで全部「ごめんなさい」しちゃえばいいじゃない。人間なんだから…という意味が伝わってきました

キャスティングは本当に豪華なのに、米国大統領役がなぜ日本人?

中井貴一さんと三谷幸喜さんのタッグといえば、舞台でみた「グッドナイト・スリイプタイド」が印象に残っています(ブログ記事書いてませんが)

その他、補佐官役にディーン・フジオカさんという(多分)三谷さんと組むのは初めてな役者さんもありますが、田中圭さん、中川大志さん、小池栄子さん、斉藤由貴さん、草刈正雄さんなどなど舞台やドラマなどで既に三谷さんとものづくりをしたことがある人が出演していていつものように豪華です

でも、 でも、木村佳乃が米国大統領ってどうなの!

シン・ゴジラのときも、アメリカ大統領補佐官が石原さとみさんがやっていたりしたわけですが、舞台じゃないんだから米国人役、ましてや大統領役はさすがに日本人の俳優がやるのは冷めますorz

映画全体としては、とてもおもしろかったし、木村佳乃さんの演技も良かったしとあまり文句をつけるところではないのですがここだけは作り方がちょっと雑になっているように感じてしまいました

以上 三谷幸喜さん監督作品「記憶にございません」の感想でした 

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