[劇評]寓想雑貨店「さなぎ」@アートシアターかもめ座

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劇団 寓想雑貨店
公演期間 2013/09/21~2013/09/23
演出 岡田和子 宮下奈都/平安寿子/千早茜
出演 澤谷香織、松本しゃこ、石本典子、横田成吾、村田美沙紀、藤田周、澤谷香織、よしみゆか、鈴木絵理、浅井慶一郎、志村貴博、北川ゆめ
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目次

朗読✕演劇が相乗効果は?

朗読劇というか、朗読と演劇の融合。せっかく融合するのだから、こういう形でしか表現できないものをやってほしいなぁというのが、感想。今日の舞台では、朗読☓演劇の計算結果が、朗読単体、演劇単体よりも大きくなれていない気がする。

見ていてずっと感じるのは、語りが邪魔….という感じ。でも、それは多分、いつもの習性で、役者に意識を集中させているからでおそらく、朗読に集中しようとすると芝居の役者が邪魔に感じてしまうのではあるまいか….

おそらく小説の地の部分を「語り」が読みあげているわけだが、その読み上げ部分に合わせて、役者が動いたり、セリフを話したり、するのが、なんかかみ合っていない。練習不足とかいうより、しいていえば、演出のフォーカス不足かなぁ。

役者さんの熱演がもったいない、演出の工夫も

実際、役者さんの練習量や演技力は高いと感じた。あくまでも感じる違和感は、合成の誤謬というべきか、各々が頑張れば頑張るほど舞台上でのメッセージがわかりにくくなっている感じがする。

なんか、もっと大胆に演出というか公演形態の刷新を図るべきなのかなぁ。それこそ、役者はセリフを喋らず、動きに徹し、語りがセリフも含め全て語るとか(トーキーの始まる前の映画のように弁士が物語を語るようなイメージ…ちょっとク・ナウカの芝居に似てきちゃうけど)

もちろん、本をもっと芝居向きに変えて、役者が自分のセリフをきちんと喋り、心情についても、演技や表情で伝える=普通の芝居の演出を強化しても見やすくはなると思うけど、そうすると「語り」の存在理由がわからなくなるので、この劇団の目的と合致しないきがしますし。

以下各作品についての寸評

「転がる小石」

遠くの声に耳を澄ませて (新潮文庫)
宮下 奈都
新潮社 (2012-02-27)
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視点キャラクター=語り役が、ストリーの中での出演をしているのはこの作品だけ。二人芝居でその状況で、結局どっちに感情移入すればいいかがわかりにくい話。役者さんの表情は良かったのですが、表情だけで主人公の気持ちの変化がわかるほどの内容が語られず、なんとなく物足りなさを感じた芝居。

 

「UFOに乗ってモンスターが行くぞ」

心配しないで、モンスター
平 安寿子
幻冬舎
売り上げランキング: 554,364

始まるまでは、完全にSFモンスター者が始まると思っていましたが、完全に裏切られました。主人公の心の中を別にいる「語り」が語る構造で、一番わかりやすくはあった。ピンクレディ世代なので、(いや、コスプレはしないが)劇中の話もなんとなくイメージできる。

石本さん….体力付けよう。語りも、ピンクレディーを踊った後ゼーハー行っていたのはちょっとかっこ悪い。(笑えたからいいけど)

「機尋」

あやかし草子 みやこのおはなし
千早 茜
徳間書店
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ある意味この形態の舞台(朗読+芝居)の一番フィットする構成の物語…なのだが、いまいちうまく行っていない。

ちょっとおどろおどろしい異世界と現世界がうまく表現しきれていない。「語り」の表現力も含め世界の構築がうまくいっていなかった気がする。

この題材は、普通の舞台では表現しきれるものではない、逆いいえばこういう題材を舞台として成立させるために語り+役者+照明+音響+舞台装置が融合できれば、今まで見たことのないような芝居ができるのかなぁ・・・と夢想しながら見ていました。

うーーん いろいろ惜しい

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