座席の場所が変わったせいかもしれませんが、完成度が上がっていると感じました。2回目見ると、少し殺陣の時間長すぎと感じてしまいました。(全体として長いと感じるけど、個々の殺陣は逆にあっさり感じることもあり、自分の中で矛盾しておりますが)
天海さん視点で見直すと、前半でも、彼女の葛藤は色んな所に出ていて、それが第二幕につながっている。
演出が進化したのも有ると思うが、客席のノリが前回よりもよかったと感じた。
劇団 | 劇団☆新感線 | ||||
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公演期間 | 2014/03/27~2014/04/26 | ||||
演出 | いのうえひでのり | 作 | 中島かずき | ||
出演 | 天海祐希、松山ケンイチ、早乙女太一、梶原善、森奈みはる、粟根まこと、高田聖子、橋本じゅん、平幹二朗、右近健一、河野まさと、逆木圭一郎、村木よし子、インディ高橋、山本カナコ、磯野慎吾、吉田メタル、中谷さとみ、保坂エマ、早乙女友貴、川原正嗣、武田浩二、藤家剛、加藤学、川島弘之、安田桃太郎、井上象策、菊地雄人、南誉士広、熊倉功、岩崎祐也、成田僚、穴澤裕介、阿部誠司、石井雅登、蝦名孝一、長内正樹、熊谷力丸、常川藍里、原慎一郎、生尾佳子、上田亜希子、後藤祐香、斎藤志野、鈴木奈苗、中野真那、森加織、吉野有美 | ||||
劇場 | シアターオーブ(渋谷) | ||||
観劇日 | 2014/04/22 |
目次
物語
前回の感想を参照
感想
2度めでも、新鮮な気持ちで観劇!
新感線の舞台を2回見るのは、本当に久しぶり(いや、初めてか?)
前回は、2階席8列。今回は1階席31列目。
前回は、上から見下ろす感じの舞台でしたが、今回は1階の前回よりも役者に肉薄しての観劇。全体像を見た上で、見なおしたので色々気づくことがあるかもとおもいましたが、結果としては、しっかり楽しんでしまいディテールをみるなんて器用なことはできませんでした。
客席のノセて、伝える。やはり凄い、新感線演出
全体として気づいたのは、客席のノリが良くなった気がします。僕みたいな複数観劇組が多いのかもしれませんが、演出がより客席をノセる演出に微修正されていったのかもしれません。わかりやすいところで、劇中の拍手の回数が明らかに増えました。(前回は天海さん登場シーンくらいしか拍手はなかった気がするのですが、今回は、松山さんや早乙女さんの登場シーンでも拍手。早乙女さんは、二幕退場シーンでも拍手)
改めてみて、スタッフワーク(音効とか証明とか)のすごさが身にしみる。特に音効の付け方は、芝居というより映画やアニメに近い。それをライブでやってのけるから、2000人もの観客にさえ、舞台上の殺気が伝わり、ベタな笑いで会場が沸く。
主役の風格。
天海さんだけではなく、メインキャストの皆様は、各々が 場さえ用意すれば、全員主役が張れる豪華キャスト。
梶原善さんの他の出演者の剛の雰囲気に一人「柔」の立場にたつ、底の知れない人物を巧妙に演じていました。(最後事実上、物語を終わらせたのは、彼だし)
高田聖子さんは、天海さんと年齢が近いせいか、掛け合い漫才みたいなっていたシーンもあり面白かったのですが、天海さんが変わっていく姿に追いつけないでいる様子が、天海さんの物語の中の変貌と対照的でかかせないキャラでした。
橋本じゅんさんは、まさかの馬。それなのに、他のキャストと見事に絡んでいて馬の造形を自らの身体のように駆使して表情豊かに演じているのは流石と思いました。
粟根さんは、こんなかっこいい役をやるのは随分久しぶりじゃないかな。しかも、最後の最後まで、主役サイドの人間でしたし、今回は見どころが多かったと思いました。
その主役の中の主役、天海さんですが、前回は第二幕の展開を知らないで一幕を見ていたので、どうしても準主役の松山ケンイチさんに目がいってしまっていましたが、今回は一幕から天海さんを意識して見てました。
感情の揺れ動きを示しながらも随所にはっとさせるほどかっこいいシーンがあり、「華」があるなぁとつくづく。ラストの草原のシーンは、天海さんでなければ、成立しなかったのかもしれません。
今回の早乙女太一さんは、別物。好敵手は?
前回観劇時のブログで、前半の早乙女太一さんの殺陣は「フツー」と書いてしまいましたが、今回見なおしてわかりました。嘘でした。第一幕の早乙女さんもキレキレでした。なんか、他の人より、関節が2,3個多いんじゃないかというくらい刀が色んな所から出てきます。
前回は、弟さんの友貴さんとの一騎打ちにジーンと来てましたが、今回は新感線の殺陣の総帥川原さんの演じる七巻との一騎打ちが印象に残りました。さすが総帥、一人だけ得物が違って(矛?)ますが、早乙女さんとタメでやりあってました。見事な好敵手ぶりです。
早乙女太一さんは、殺陣以外の成長が著しい。三の線も狙えていて、セリフで観客を沸かせていた。僕は、嫌味をいいながら後ろに下がっていき、口の中に両手指をいれながらしゃべるというシーンが好きでした。(クレヨンしんちゃんのものまねも面白かったけど)感情表現の方法がバラエティに富んでいるがゆえに、凄みのあるシーンとの落差の激しく魅力が増していると想いました。次回か次々回早乙女太一さん、新感線で主役はれるんじゃないだろうか(というか希望!)
気の抜きどころなし!全力全速疾走舞台
別に早乙女さんだけ見てたわけではありません。
個々の役者が、セリフに対してものすごく想像力たくましくて、同じセリフの言い方に本当に色んなアプローチであたっている。そのひとつひとつが観客を沸かせる。主役クラスは当たり前だが、脇役や端役の方まで、それを意識しているから、この長丁場、観客を惹きつけ、感動させる芝居なのだと思った。
歌舞伎とミュージカル。どちらでも最強作品
今回は、若手の方のダンス、歌のレベルが上がっており、よりミュージカル感が高くなった気がします。歌舞伎というよりも、ミュージカルという印象が強くなりました。前は、いのうえ歌舞伎といわれる作品(阿修羅城の瞳とか髑髏城の七人)と、ミュージカル作品(SHIROH とか 大江戸ロケット)は、作り分けられていた感がありましたが、今回は渾然一体となりどちらにとっても高い完成度だと思いました。
これこそ、クールジャパンの極地。是非とも海外へ・・・と思うが、これを引越し公演するのは大変だろうなぁ。
そういえば、衣装もとても独創的。都からの討伐軍俵藤太として、出てきた時の松山さんの衣装は、どう見ても明治維新の時の官軍。確かに、西から東への朝廷軍といえば、この衣装になる。わかりやすすぎるくらいわかりやすい演出。でも、普通はこんなことできないよな
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