夏ドラマのダントツ人気は月9の「コード・ブルー」のようですが、小劇場好きとしては、なんといっても、テレビ東京の「下北沢ダイハード」から目が離せません。実は、前に記事にしたときには、マニアックになりすぎるのではないかと心配していたのですが、思ったよりもずっとちゃんと作ってあって楽しめます。僕が小劇場ファンだから楽しめるいうよりも、ちゃんと万人が楽しめるものになっていると思います。この後も楽しみです。
目次
小劇場の劇作家が一回毎に脚本を提供し、一話完結のドラマを作る
企画の勝利ですね。演劇作品を作り慣れている劇作家の方にとっても、一話完結の方が作りやすいはず。テーマ設定「人生最悪の日」というのも、色々着想が広がるテーマですよね。
キャストにも小劇場/舞台系の方が続々と!
出演者が絞られて(低予算)で作られているせいで、出演者そのものは多くないですし、主役級の方はいずれも映像が主戦場の方が多いように思います。特に第1回は、あまり小劇場系の方が居なかった気が…
ただ、2回目以降は、見たことのある顔や聞いたことのある役者さんが続々と出演されていました。
第2回だけでも、ピンサロ店員役の廣川三憲さん(元ナイロン)、 がさ入れしてきた刑事役の大堀こういち(元ナイロン)、役に立たない店のボーイ役の上川周作(大人計画)、他のサラリーマンの客役は 鈴木理学さん(とくお組)、加藤パーチクさん等が出演されていました。ロバート・秋山についてた風俗嬢のナナ役小川夏鈴さんも舞台の活躍のある女優さんです。
第3回は、主役麻生久美子さんのママ友は、西田尚美さんと植木夏十さん。夫は野間口徹さんと主要なところは小劇場系(とはいえ、テレビで観ることのほうが多い方もいますが)です。しぶいところでは、ちょっと不思議な雰囲気を醸し出していた茶店の店員さんは、ハイバイの上田遥さんでした。
ちょいちょい出演する小劇場の俳優さんを探すのもちょっと楽しいです。
個人的には、「光石研さんが違法風俗で、摘発される話」がお気に入りでした。
本人役で出演している光石研さんの動転ぶりが可笑しい。同じく本人役ロバートの秋山さんや池田鉄洋さんも、本当に自然体で普通にしゃべってそうなことをそのまましゃべっている。細川徹さんの脚本/演出(今回は、ドラマの脚本は劇作家の方ですが、演出は別の映像作家さんがやることが多いのですが、この回だけは、細川徹さんが両方やっているようです)
細川さんの舞台は、シティボーイズで何度か見ていますが(本拠地の「男子はだまってなさいよ」は未見)、その独特のぬるさとシュールさが、ちょうどいい感じで画面からにじみ出てい)たように思いました。
前述の通り、出演者がとても多かったこの回。ナイロン100℃の人(元・・・の人も含め)や大人計画など、細川さんとちょっと作風がかぶりそうな劇団出身者が方が多くキャスティングされていたのも効果的だったのかもしれません。
勿論、主役の光石研さんや、風俗嬢があまりにぴったりハマっていた川栄李奈さんの演技も忘れるわけにはいきませんが。
麻生久美子さんもかわいい
第三回もハラハラされどおしで面白かったですね。
これでもかというほど追い詰める展開でハラハラされどうしでした。松井周さんは、脚本家として名前は聞いたことがありましたが、舞台は未見。ちょっとみたいと思いました。
今後のラインナップも楽しみ
番組ページによる今後のラインナップは以下のような感じです。(リンク先は演劇感想文リンクです!)
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題名 | ストーリー | 作 | 演出 | 主なキャスト |
裸で誘拐された男(放送済み) |
選挙を間近に控えた国会議員・渡部修(神保悟志)には、SM好きという大きな秘密が。 |
西条みつとし |
関 和亮 |
神保悟志 吉沢亮 村杉蝉之介 桜井ユキ 柳ゆり菜 高橋ひとみ |
違法風俗店の男 (放送済み) |
下北沢での舞台に出演中の俳優・光石研(本人役)は、前の仕事が早々に終わり、時間を持て余していた。 |
細川徹 | 細川徹 | 光石研 川栄李奈 ロバート・秋山 池田鉄洋 廣川三憲 大堀こういち 上川周作 鈴木理学 加藤パーチク 小川夏鈴 |
夫が女装する女(放映済み) |
杉田由紀子(麻生久美子)は悩んでいた。 |
スミス | 麻生久美子 野間口徹 西田尚美 植木夏十 上田遥 |
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夜逃げする女 | 20年間下北沢に住み続ける須田類(緒川たまき)と椎名照美(酒井若菜)は、2人で下北沢の小さな古着屋を共同経営している。 ある日、類の元に照美の恋人である原田利夫(山西惇)が現れ、300万円の返済を迫った。 原田に対し音信不通の状態であった照美は、店の奥に隠れていた。 なぜなら、その300万円は店の経営のために使ってしまったのであった。 金が返せないなら結婚する、と言う原田。… |
関和亮 | 緒川たまき 酒井若菜 志尊淳 山西惇 藤原よしこ 竹内健史 太田恭輔 六角慎司 久世星佳 |
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最高のSEXをする女 | 柴原麻子(夏菜)は深夜、彼氏・時村孝治(和田聰宏)の部屋でドラマを見ていた。 バンドマンの孝治は、このドラマのエンディングテーマを担当。 爆睡する孝治の横で、エンドロールに“トキムラコージ”を見つけ思わずニヤつく。 母や友人からも「ついに売れた」「いよいよ結婚」などのメッセージが届き、幸せの絶頂にいる麻子に、思いもよらぬ情報が…。 |
福原充則(ピチチ5) | スミス | 夏菜 和田聰宏 柄本時生 伊藤梨沙子 小山めぐみ 岸茉莉 |
未来から来た男 | スーパーコンピューター『mamazon』が、世の無駄をすべて排除し、平和で合理的な世界を築いていた2037年。 ところが反発するものたち…通称“サブカルゲリラ”は、サブカルの聖地・下北沢を奪還するべく抵抗を続けていた。 そこで『mamazon』はサブカルゲリラ完全抹消計画を発動。 |
柴幸男(ままごと) | 山岸聖太 | 佐藤二朗 松本穂香 加藤諒 片桐仁 池谷のぶえ 橘輝 大石将弘 菊池明明 kazuya 榎本力 溝口教仁 |
手がビンになった男 | 北沢のカフェバー『風知空知』のカウンターにいるのは、『劇団ひよこ豆スティング』劇団員・井沢キヨシ(佐藤隆太)と美人女優・海老川アンナ(臼田あさ美)。 売れっ子女優のアンナは、たまたま観劇したキヨシの劇団を絶賛し、なにやらいい雰囲気に。 キヨシは謙遜しつつも、心の中では完全に舞い上がっていた。 しかも「あなたに興味があるの」と、意味ありげにほほ笑むアンナ。… |
上田誠(ヨーロッパ企画) |
戸塚寛人 |
佐藤隆太 臼田あさ美 田中要次 三浦誠己 大澄賢也 六角慎司 内田滋 山中崇 中川晴樹 土佐和成 二宮郁 陸奥なつ芽 重田千穂子 |
彼女が風俗嬢になった男 | 田川のりお(青柳翔)は常連のルカ(渡辺真起子)と共にパチンコ店の開店を待って店の前で並んでいた。 そこに、突然現れたバラエティ番組のAD(田村健太郎)から「最近あったピンチな話」を教えてほしいと言われる。 しかし、のりおはピンチとは無縁の生活を送っていた…この日までは。 無職のイケメンのりおは、キャバ嬢の彼女みわ(馬場ふみか)に養ってもらいながら、パチンコに明け暮れる平穏な日々を送っていた。つまりはヒモ。 ピンチは突然、一本の電話でやって来た。 「池袋の風俗に行ったらお前の彼女が出て来た」… |
根本宗子(月刊「根本宗子」) | 山岸聖太 | 青柳翔 森川葵 馬場ふみか あきお 小松利昌 田村健太郎 ルカ 渡辺真起子 |
ところどころ?というひとがいますが、多くの脚本家さんは名前を聞いたことのある方ばかり
個々のストーリーも魅力的です。(上記の一覧は、公式サイトから拝借しました! 主なキャストは放送済みドラマについては、ドラマを見た後で出演者を足しています。)
以下の記事ではシュールな作品になることを懸念していましたが、そんなことはなく、万人受けするストーリー展開になっているように思います。
脚本家は小劇場系で、監督を若手の気鋭の映像作家さんにしたのが功を奏したのかもしれません
次回は、ようやく女性が主役?
ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの奥様、緒川たまきさんが主役。
男の変態性というかフェチがなんらかのテーマだった過去三作とは異なり、予告及びストーリー説明を見ると女による女の話っぽい次回は、どうなるか楽しみです。
追伸 見ました!。今までとは大分テイストが異なるシンミリする話でしたね。予告にないキャストには、喜安さんの本拠地ブルドッキング・ヘッドロックの役者さんが悲鳴を上げる主婦、バーの酔客として出演していましたが、主役二人に縁のあるバーのママさん役にいきなり久世星佳さんが出てきたのはびっくりでした。なんかいいセリフ言ってましたね。重みあります。
シモキーターに笑った(追伸 8/26)
佐藤二朗さん演じるシモキーターの間抜けさと松本穂香さんの可愛さにほっこりする回でした。あの映画っぽい始まり方と意外にも、目標がちっちゃい未来からの使者の役割がおかしかったです。mamazonの声をやっている池谷のぶえさんが、素に返って「え?殺すの?」みたいに言う所がツボでした
びんになった男は、まさかの救世主?(追伸 9/2)
佐藤隆太さん演じる主人公の心の言葉がダダ漏れの「モテキ」みたいな演出がよかったです。今までのどの回よりもぶっ飛んだ設定で、まさに「ダイハード」の名に恥じないドキドキ&笑いの回でした。第2話でがさ入れに来ていた大堀こういちさんが刑事役で再び出演、第4話でバーに入ってきた警官役の六角慎司さんも登場ということで、下北沢の担当の警察官、刑事役というシリーズを通した設定なんだなとわかりました。
雪辱を果たせ!
かつて、下北沢を舞台にしたドラマがありましたが、結構視聴率的に苦戦して、最後はすごく巻きが入ったことがありました。毎週楽しみにしていた身としては悲しい出来事でした。あの雪辱を果たしてほしいです。
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