[劇評]東京ヴォードヴィルショー「その人、女優?」@ザ・スズナリ

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東京ヴォードビルの女優陣を主役にした舞台。脚本の力が高い事もあり、秀作。2時間半ぶっ通しという芝居でありながら、ほとんど時間が気になる事がなかった。

劇団 東京ヴォードヴィルショー
題名 その人、女優
公演期間 2004/10/08~2004/10/17
中島敦彦 演出 黒岩亮
出演 あめくみちこ、小林美江、山本ふじこ、市瀬理都子、佐藤B作、佐渡稔、石井愃一、山口良一、たかはし等、まいど豊、玉垣光彦、羽賀蓉子
劇場 ザ・スズナリ(下北沢)
観劇日 2004年10月16日(マチネ)

【ストーリー】

時は昭和の終わり頃・・・。
片桐沙代子は、一瞬の間だけ人気女優だった。
お昼のメロドラマでヒロインを演じていたときが人気のピークで、以後テレビドラマや舞台に出演はしていたものの、人の記憶に残るほどでなし。後輩女優・天野千里と立場は逆転しつつある。
その上、夫である脚本家・橋岡との結婚生活も、橋岡の女遊びが理由で破綻。そらにさらに、元夫の最新作・東京コズモホールの?落とし作品の主演女優は天野に決定していた。
しつこいマスコミから逃れるべく沙代子が付き人・大石とたどり着いたのは、九州の田舎町にある古ぼけた連れ込み旅館・・・。売れない男優・坂井出の実家を頼ったこの逃亡は、しかし到着直後からトラブルが続く。
一方東京では、橋岡が頭を抱えていた。書き上げたばかりの舞台脚本が消えたのだ。

【感想】

劇場に入って最初にわらったものは、パンフレットに書かれた中島さんの「新宿寿司戦争」と書かれた脚本を書くに至った経緯の話。当然フィクションだが、よく考えると無名時代に佐藤さんに声をかけられて以来脚本を書き下ろしているといえば、三谷さんだってそうだ。やはり、中島さんの言うとおり「福島なまりの平成の今太閤」というのはあながち嘘ではないのか?

ま、それはともかく、中島さんの脚本の面白さは、既に「キネマのジョニー」にて確認ずみ。

問題は、普段かなり地味な印象がある女優陣が本当に「主役がはれるのか」という部分…杞憂でした。(なんか杞憂って言葉やたら使っている気がしますが)

パンフレットによれば、どうやらワークショップを行って女優の事を把握してから書いたようです。それにしても、ばっちりハマッテいる役ばかり。

個人的には、おかあさん役の山本ふじこさんのはまり具合が楽しかった。いままであまり多く台詞のある役ではないとはいえ、その独特の雰囲気で印象に残る事の多い女優さん(先日見たその場かぎりの男たちの時の女忍者とか)だが、今回はその雰囲気が充分に発揮されているような気がした。

全編、宮崎弁(日南弁)で語る言葉は、福岡にしばらく住んでいた身としてはなんとなく懐かしい。でも、所詮出身者じゃないので、微妙なイントネーションが本当に日南弁になっているのかどうかは良くわからない。昔、鹿児島出身の友達がテレビの幕末もののドラマをみた後に、ほとんどの鹿児島弁のイントネーションはでたらめといっていたので、もしかしたら日南出身者がこの芝居みると違和感があったりするのだろうか?

いつもは主役をはる男優陣が、脇を固めているというのも何か贅沢な気分。佐渡さんや佐藤さんがいつもに比べて自由自在にやっているような気がして面白い。佐渡さんのいいかげんな男ぶりや、佐藤さんのいやな男ぶりはかなりいい。このあたりも、作者のあて書きがかなり気持ちよくは待っている感じがする。

ちょっと前まで、テレビ(大河ドラマ)で毎週のように見ていたまいどさん、こうしてみるとやはり若く見える。テレビではなんであんなにおじさんに見えるんだろう…..相対論かテレビでは周りが若いもんなぁ

こういったバタバタする喜劇というのは、ヴォードビルショーの得意分野。それだけに、脚本のよさもあいまって2時間半近い時間だったにもかかわらずほとんど時間が気になる事がなかった。

ちなみに、次々回作の予告がパンフに載っていた。「竜馬の妻とその夫と愛人」(再演)….あれ、新作やるって言ってませんでしたっけ?

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