自分自身にとって印象深い役者さんが亡くなるというのには、なかなか慣れません。自分が歳を取るに連れなれなければならないことなのかもしれません。
俳優の平幹二朗さんが亡くなられました。
シェークスピア劇などの舞台や、「三匹の侍」「樅(もみ)の木は残った」などのテレビドラマで幅広く活躍した俳優の平幹二朗(ひらみきじろう)さんが23日、自宅で亡くなっているのが見つかった。82歳だった。
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■直近でみたのは、「蒼の乱」でした。
とはいえ、追いかけていた俳優さんという程ではないので、直近でみたのは2014年の劇団☆新感線「蒼の乱」でした。天海祐希さん、松山ケンイチさんという華のある若い役者さんの中にあり、まだ開けていない関東を制圧下に置こうとする常世王(蝦夷の王)を演じる平幹二朗さんの重厚さと醸し出す妖気は、平さんでなければ出せないものがあり、物語中盤における重要な転換点で見事な存在感を見せていたのは強い印象に残っています。
■王女メディアの強烈な印象
おそらく舞台役者さんとして(当然テレビでは見知っていたので)、平幹二朗さんが僕にとって印象づけたのは、王女メディアでした。(いつ見たかは覚えていません。多分90年代だと思います)
王女メディアという話は、なんというか、物語だけ読むと本当に納得し難い話で、女の嫉妬心から自らの子供を殺すという、身勝手な母親のわがままな話としか言いようがなく、それを平幹二朗さんが、女装でまさにそのメディアをやるというのが、どうにも、見始める前は納得がいかなかったのです。
しかし、蜷川幸雄さんの演出による平幹二朗さんの王女メディアは、素晴らしくって、メディアの心情がビンビンと響いてきて、この物語の根底にある怨念のようなものが伝わり、この話そのものに対する印象が大きく変わりました。
■息子さんにみえる面影
大河ドラマ「真田丸」序盤の殊勲賞的な名配役は、悲劇の武将武田勝頼を演じた平岳大さんでした。最近、彼を見ているとお父さんの面影を感じることが多くなりました。平幹二朗さんとは違う魅力を備えつつ、存在感のある役者さんで舞台で活躍する姿を見たいと思いました。
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