[訃報]維新派 松本雄吉氏 死去

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つくづく、見たいときに芝居を見なければ、失われてしまう時は取り返せないと思いました。訃報ばかり書いている気がしますが、書かずにはいられないのは、その後悔を記録に残しておくためです。

劇団「維新派」主宰の松本雄吉さん死去

壮大な野外劇で知られる劇団「維新派」の主宰で劇作家・演出家の松本雄吉(まつもと・ゆうきち)さんが18日午前3時25分、食道がんのため大阪市内

の病院で死去した。69歳だった。葬儀は劇団の有志で営まれた。後日しのぶ会を開く予定。

■維新派は、社会人になって始めてみた衝撃的な舞台でした。

大阪が本拠地である維新派、その作品の壮大さに憧れながらなかなか、行動に起こせぬまま近年の作品を見逃して来ました。
彼の作品を二度と見ることができなくなったいま、その自分の甘えが身にしみます。

初めてみて、戦慄したのは汐留に巨大な装置を組んだ「少年街(1991年)」でした。

白塗りのメイクの役者たち、ストーリーらしいストーリーのない中にでの独特のくせになるリピートされる台詞とリズム。「ヂャンヂャン☆オペラ」と呼ばれる手法の舞台は、全く新しい演劇経験でした

■が、その後、松本雄吉さんの舞台に触れる機会は遂に訪れませんでした

関西を拠点にされている松本雄吉さん維新派の舞台は、関西では大規模な少年街に勝るとも劣らない劇空間で上演される作品の凄さを見聞きしていくなかで、東京で演ぜられる舞台がどうにも小規模なものに思え、足を運ぶのを、躊躇してしまいました。
昨年の「レミング(2013年)」や、「透視図(2014年)」など東京で、彼の仕事に触れる機会はいくらでもあり、それ以外の地域の舞台であっても、新幹線や飛行機を使えば、容易に行ける異世界の体験だったはずです。
いまや彼の作品を見るにはタイムマシンが必要な状態になってしまいました…

 

心よりご冥福をお祈りいたします。

 

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