劇団 | 唐組 | |||||
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題名 | ビニールの城 | |||||
公演期間 | 2019/10/05~ 2019/11/04 | |||||
作 |
唐十郎 | 演出 | 久保井研 | |||
出演者 | 稲荷卓央、藤井由紀、久保井研、岡田悟一、福本雄樹、福原由加里、加藤野奈、栗田千亜希、升田愛、全原徳和、戸部俊介、川崎勇人、藤森宗、影山翔一、竹岡直樹 | 劇場 |
下北沢特設紅テント(下北沢)
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観劇日 | 2019/10/20(日) |
目次
下北沢に紅テント!
紅テントといえば、新宿花園神社か雑司ヶ谷鬼子母神という常識を覆す下北沢公演。確かに演劇の聖地ではありますが、テント芝居ができる場所なんかあったっけと思いながら、下北沢に向かいました
東口を出て、テントの有る方に向かうと確かに見えます
地下化された線路の上の元線路の場所が今ポッカリと空き地になっていることに今更ながら気づきました
近くまで行くとなんかおしゃれなオープンカフェになっています
そこになんか雰囲気が違う方(m(_ _)m)たちが、並んでいました。夜19時開演の舞台ですが、前売りに整理番号がついていないチケットだったので、整理券の配布が必要で、14時に整理券を配布するというのに13:30に並びました。
それでも、僕の前には8人くらい並んでいました。ゲットできたのは「6番、7番」(複数枚貰う人もいましたが、一方で当日券の方もいたようで、なんとか好番号をゲットできました)
ビニールの城の思い出
実は、この「ビニールの城」という舞台は学生時代に脚本を読んでいました(上演をしようと思ったわけではないのですが、当時唐十郎さんの脚本にはまっていました)
とはいえ、地方在住の身としては舞台となる町も小道具も全てが ファンタジーの世界のようなものでした
ビニールの城は、第七病棟の石橋蓮司さん、緑魔子さんに宛書きされた脚本で、到底他の人が上演することが想像できないというのが、読んだ時の感想でした
それだけに、コクーンが上演というのは僕に取って大事件でした
思わず記事にしました
その後、チケット争奪戦に破れ結局この舞台を観ることはできませんでした。そして、二度と出会うことがないと思っていた脚本に、本家唐組が大好きな役者さん稲荷卓央さん、藤井由紀さんのコンビで再演という知らせが!
観てますます感じましたが、石橋蓮司さんと緑魔子さんの為に書かれたような脚本が、別のキャストでこう立て続けに上演されるのは、病床でコクーンでの再演を企画した蜷川幸雄さんの執念の賜物かもしれません
今度こそはと、テントに向かいました
電気ブランは、上京してすぐに飲みました( ひどい二日酔いになり二度と飲んでいませんが)
そして今では、住むところがものすごく近いこともありファンタジーの世界だった浅草は随分と身近な街になりました
稲荷/藤井コンビ復活!
藤井由紀さんは、最近見に行った舞台でも出演していましたが、稲荷卓央さんの出演はなんと4年ぶりとのこと
その間に稲荷さんは大河ドラマに出演をしたり、外部舞台に出演したりと活躍
藤井さんは、読売演劇賞の女優部門でノミネート
そんな稲荷さん、藤井さんコンビの唐組舞台は僕自身割と見に行っています(その後しばらく見てなくて、久しぶりにみたのは、2018年m(_ _)m)そういう意味で、とても懐かしくかつ親しみのあるコンビでした
今回は、上記の通りかなり良い整理券番号をゲットしたおかげで、シモテの最前列から2列目、中央よりというかなりの好位置をキープ。
おかげで、この二人のがっぷり四つに組んだ演技をかなり間近で観ることができました
セリフの迫力、感情のほとばしり(とつばと汗の入り混じった顔😄)をテレビで観るアップ画像なみの間近で見ておもったのは
もっと二人が若いときにこれを見たかった…
恋愛模様を語る二人の物語は、見る側からするともう少し若い二人が演じたほうが良いように思いました(とはいえ、1985年の初演時の石橋蓮司さん、緑魔子さんの年齢はいずれも40代。今回の稲荷さんも、藤井さんも40代だから実は私の勝手な思い込みの可能性が高い)
特に藤井さんは、儚げげなのは良いのですが、痩せ過ぎていて少し痛々しい。ビニ本(死語)に出てそうな感じは全然しません(ま、緑魔子もイメージできませんが、かつビニ本世代ではないのでイメージでしかありませんが)
いつも以上に唐十郎さんの描くプラトニック・ラブは、ちょっと想像力を働かせないと辛いものがありました
とはいえ、終盤は熱演に気圧される部分もあり、一方で今の唐組でこの二人でなければこの芝居は成立しなかったのかなと思ったりしました
ちなみに本水を使う舞台だったので、2列目はちょいちょい水が飛んできます(ほどほどですが)
女優が目立ちにくい脚本?
上記の通り元々この脚本は、唐十郎さんが自分の劇団ではない第七病棟に描き下ろした作品で、自劇団用ではありません。
私自身は、第七病棟は一度しか見れませんでしたが、緑魔子をヒロインとし、石橋蓮司とのロマンスを描く芝居で一貫しています
だからかもしれませんが、この脚本上、主人公のモモ以外にコレといった目立つ女性役がありません
同じくビニ本の女であるリカ(福本さん)が少しセリフが多いくらいで、後は目立ちにくい役です
そのせいか、今回女優が目立たない舞台でしたし、結果として若手の男優陣で見せ場を見せた役者さんは多かったものの女優さんで印象に残る人がいなかったのは残念でした
逆に男優陣は力強い
勿論、演出で第3の主役といっても過言ではない夕一役の久保井研さんも、頭を剃って演じるあたりの力の入れようは流石です
不気味な登場から、一人の女(モモ=藤井さん)をめぐって朝顔(稲荷さん)と対峙する様はかなり見ごたえがありました
全原さん、岡田さんのそこここで主人公たちを追い詰める男たちも良いし、飄々とした腹話術師たちも場を緩ませることなく芝居をひっぱってくれました
唐組の面白さはましているように思いました
唐組舞台とはちょっと違う雰囲気
脚本は、34年前のもの。そして、外部向け脚本
そのせいか、なにか雰囲気が違うものを感じました
主人公の朝顔(稲荷さん)は、唐組の舞台史上もっとも意気地がありません(笑)
ここまで、女性に迫られながら拒絶し続けるというのは、現代の草食男子や絶食男子も真っ青です
それでいて、言っていることはなんか高尚です
哲学的なセリフや哲学用語(だと思う、自分が知らないので記憶していないorz)を使って自分の状況を正当化したりします
いわれてみれば、石橋蓮司さんっぽいキャラクター設定なのかもしれません
言い切れば、客席はついてくる
言葉遊びにしろ、セリフの背景にある現実世界の事実にしろ、34年前と今ではまるで異なります
豊田商事事件を知っている観客は一体どれほどいたでしょうか(確かに平均年齢が高そうな舞台でしたが、それでも結構遠い話)
題名にさえなっているビニールで包まれたエロ本の存在を知っている人がどれほどいるでしょうか
しかし、それらのセリフを躊躇なく言い切ることで客席の笑いをとり一体にする力はさすがと思いました
テントという異空間を共有しているがゆえの、客席と舞台の近さゆえかもしれません
ラグビーワールドカップの日本VS南アフリカ戦を蹴ってここにきてるという一体感ばかりではないでしょう😅
屋台崩しないかなぁ→やっぱりありました
立地的に、舞台奥が開いて何があるのかまったくイメージがわきませんでした
更にいえば、この脚本は、映画館跡地(浅草常盤座)、シアターコクーンと野外で公演されたことがない脚本です
そう思ってみると舞台奥の作りもいつもよりしっかりしているように見えました
もしかして、屋台崩しがないのでは…
と訝しんでいましたが、 ありました!!
そして、シモテ前から2列め中央よりの私の座席からビニールの城が 見えませんでした
ベンチがジャマァー…藤井由紀さんの顔が上半分しか見えない(涙)
しかし、テントの向こうに見える下北沢の街は格別でした(通行人の方は訝しんでいましたが)
300人くらい?大盛況の公演
ちなみに、300人くらいテントには入っていたと思います。座りながら後ろを見たところ最後列は立ち見の方もいた様子
先週の台風による公演中止もあって、予想以上に観客が集まったのかもしれません。
公演は2019/11/4まで。雑司が谷鬼子母神にて続きます
以上 唐組「ビニールの城」の劇評記事でした
稲荷さん、藤井さん共演の唐組舞台の劇評
どれも、14年以上前。反省
2016年版のパンフレットは、↓
1985年版の脚本(多分今回の脚本)は、アマゾンで売ってます。2万円😨
[…] 清角克由(2019/10/20) […]