[劇評]グリング「ヒトガタ」@THEATER/TOPS

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お葬式の緊張感と作者がいう人間関係の変化が笑いを生み出す脚本が秀逸。さすがに再演されるだけのことはあります。弘中麻紀、高橋丸々の客演女優陣の好演が印象的

劇団 グリング
題名 ヒトガタ
公演期間 2007/06/05~2007/06/18
作/演出 青木豪
出演 中野英樹、弘中麻紀、辻親八、井手みな子、石井英明、萩原利映、歌川椎子、遠藤隆太、杉山文雄、高橋理恵子
劇場 THEATER/TOPS(新宿)
観劇日 2007年6月10日(ソワレ)

【ストーリー】

人形作りを一家の生業として営む家の祖母の死。そのために集まった親戚たち。人形作りをする父と外で働く長男の間には感情の亀裂があった。葬儀の中の会話ですこしづつ状況が明らかになっていく。

【感想】

ちょっと複雑な家族関係で、最初のうちは各の人間関係を把握できませんでした。人にもよるかもしれませんが人間関係が明確にならないと、私は話しに集中できないタイプ。最初はこまりました。

 

でも、それが会話のなかで浮かび上がっていくに連れいろいろな役のいろいろな思いが交差して日常の(といっても葬儀という特別な場なわけですが)なんでもない会話にはらはらさせられ、また笑わされました。ピーンと張りつめ本来であればあまり「笑い」が許容されない葬儀というばに参列者としてでなく観客として関わっていることが笑いの感情をより刺激することになっているように思いました。

女優の弘中さんは、いつもラッパ屋でみている男っぽいかっこいい系とは違うかわいい奥さんをうまく演じていたと思います。ラストシーン近くで子供ができたことを義理のお父さんに告げた後、お礼をいわれて涙ぐむシーンは思わず感情移入して私自身涙ぐみそうになってしまいました。

もう一人若い助演の女優さんも笑っているシーンが本当に笑っているとしか思えない自然なえんぎをされていてみていて印象にのこるぶたいでした。

演出もあるのでしょうが不器用な男たちのぶつかりあい・こすれあいに女優たちのはたうやくわりは重く見応えがありました。

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