本作は、2019年に急逝された劇作家・中島淳彦さんの脚本を、中島さんと共に劇団を立ち上げた名優・青山勝さんの演出で現代に蘇らせた作品です。女優の井場景子さん(役名:桜田純恵)が立ち上げた初プロデュース公演ということで、並々ならぬ熱量を感じる舞台でした。
| 劇団 | グッバイハロープロデュース | ||||
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| 題名 | 脚光を浴びない女たち | ||||
| 公演期間 | 2026/2/17~2026/2/22 | ||||
| 作 | 中島敦彦 | 演出 | 青山勝 | ||
| 出演者 |
中村まゆみ: 石川秀子(舞台の部屋の主。エレキギターを買う) 西山水木: てる(秀子の母) もりちえ: 榊原育子(同じ団地。元教師。娘の非行に悩む) 木下綾夏: 松田清子(スーパーのバイト。バンドを組んでいる) 龍ともこ: 早見祐子(同じ団地。娘の進路に悩む) 六条宮子: 梨香(早見の娘。夢見る女子中学生) 中村裕子: 天地まり枝(団地のできたころからの住人) 井場景子: 桜田純恵(最近団地に引っ越してきた夫婦の妻。元は金持ち) 高山佳音里: 山口佳枝(1年ぶりに団地に戻ってきた) 山口智恵: 小柳スミ子(石川の上の階の住人。老老介護中) 高橋真希: 榊原の娘(一瞬だけ登場) 以下は、ダブルキャスト(私は見ていません) 田中千佳子: 早見祐子(同じ団地。娘の進路に悩む) 伊藤りりか: 梨香(早見の娘。夢見る女子中学生) |
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| 劇場 |
サンモールスタジオ(新宿御苑)
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| 観劇日 | 2026/2/21(マチネ) | ||||
目次
団地の一室で繰り広げられる、10人の女性たちの群像劇
幕が開くと、そこには解体の噂が絶えない市営団地の一室が広がっていました。蛇口から本物の水が出るほどリアルに作り込まれた美術の中で、中村まゆみさん演じる住人・石川秀子の部屋を舞台に物語が展開します。
出演者は、個性豊かな10人の女性のみ。観劇前は「女性ばかりで混乱しないかな?」という一抹の不安もありましたが、実際に幕が上がればそんな心配は無用でした。多彩な女優陣が放つ際立ったキャラクター性のおかげで、一人ひとりの生き様が鮮明に浮かび上がっていました。
実力派キャストが魅せる、市井の人々の逞しさ
今回足を運ぶきっかけとなったのは、いつも拝見している「劇団桟敷童子」のもりちえさんの出演でした。普段の骨太な役どころとは一味違い、今回は悩みを抱えつつもどこかはっちゃけた、愛すべき「団地のお母さん」を好演。桟敷童子らしい芯の強さを残しつつ、優しさが滲み出るベストキャスティングでした。
また、最高齢の役どころを演じた西山水木さんの存在感には圧倒されました。九州方言の使いこなしが実に見事で、舞台に深い説得力を与えていました。
若手層では、「松田清子」役の木下綾夏さんが印象的です。網タイツにジーンズという尖った外見ながら、中身はおっとりとした善人というギャップが魅力的で、アフタートークでの「網タイツが好評で」というエピソードには、私も思わず心の中で頷いてしまいました。
ちなみに、ここまでの説明でお気づきかもしれませんが、役者名は全て昭和の往年のアイドルの名前がもじられています(私は、舞台が終わってパンフレット見直すまできづきませんでした….(汗))
音楽で救われる物語
老老介護や子供の非行といったシリアスなテーマを内包しながらも、物語はエレキギターに憧れる主人公を軸に、音楽の力で鮮やかに彩られていきます。バラバラだった女性たちが最後には大団円で歌い上げる展開は、まさに中島淳彦節全開といった趣で、胸が熱くなりました。
また、このプロデュース公演の企画者(プロデューサー)である、井場さんが役どころとしては団地の新参で、巻き込まれている行くという役どころだったのも、ギャップとして面白かったです(事前にパンフをみてなかったので、気づいたのは舞台が終わった後でしたが)
普遍的な「団地」という物語
私自身、幼少期を市営団地で過ごした経験があり、母が近所の方々と繰り広げていたやり取りを懐かしく思い出しました。現在、私の住む広島でも大規模な市営団地の取り壊しがニュースになっています。
時代の流れと共に消えゆく場所と、そこで懸命に生きる人々。中島さんが遺したこの脚本は、2026年の今観ても全く色褪せることなく、日本のどこにでもある普遍的な物語として深く心に響きました。
最後のアフタートークでは、劇場を先に押さえてから脚本決め、役者のオーディションという順番で動き出したという制作秘話も伺え、お芝居への純粋な情熱を感じる素晴らしい休日となりました。


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