1時間程の長さに助けられたが、ストーリーの焦点があわせづらく見ていて非常に疲れる芝居であった。それが人間である以上、全てのキャラクタに背景があるのは当たり前なのだが、それがまったいらに並べられてしまうと、見ている側は何を見ればよいのか戸惑う。
劇団 | 劇団ギルド | ||||
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題名 | BUS | ||||
公演期間 | 2002/11/02~2002/11/05 | ||||
作 | 高谷信之 | 演出 | 高谷信之 | ||
出演 | 小野千秋、倉本展子、三田村都美、田口潤、中谷守男、彩貴恵、小松恵理香、加藤千晴、手代木義之、加藤敦洋 | ||||
劇場 | MOMOI’S LIVING BAR COREDO(広尾) | ||||
観劇日 | 2002/11/03(ソワレ) |
<<ストーリー>>
なんということもないバスの中で繰り広げられる日常。しかし、各々が少しづつ問題をかかえ、それが狭い社内の中でお互いに影響を与える事無く、しかし少しづつ大きなものになっていった。それは、運転手も例外ではなかった。
<<感想>>
バスという道具立ては、うまいと思った。都会の喧騒の中を走る見知らぬもの同士が隣り合って座る密室空間であり、電車やエレベータと違いその安全も行く先も運転手一人の手にかかっている。そういう空間は他になく、確かに劇的な空間である。
が、この芝居を見ていてそのよさを殆ど使い切れていないように思った。
バスの中に集う人たちの様々な問題やドラマを語るというアプローチは悪くないのだが、幽霊が出てきたり、突然路線バスが、観光バスに変わって日光に行ったりという設定の飛躍が稚拙すぎて、観客はついていけない。
ストーリーも散漫である上に、役者にも硬さが抜けず妙に力の入った演劇的な演技が、どうしても鼻についてしまう。しかも、不思議な事に全ての役者に均等に見せ場があり、そこだけ演技の質が変わる。(練習がされているということか)
それでいて、どの役者の背景やストーリーも中途半端で、何一つ見ていて合点の行くエピソードがない。 運転手なら運転手にフォーカスを絞り彼の内面を掘り下げるような舞台づくりであっても良かったのではないだろうか。
どうしても、養成所の習作を見せられているような違和感を感じざる得ない。知人を招いて出ているみんなに見せ場を用意し、知人達にのみ喜んでもらうのが目的でないならば、芝居の作り方そのものが見直されるべきではないかと強く感じた。
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