ハマりにハマった漫画の実写映画化作品。ただ、地味なシーンの多い原作をどのように映画化するのかのイメージが出来ず、映画館に足を運びませんでした。しかし、DVDで見て、映画館で見なかったのを後悔するくらい良い出来の映画でした。
題名 | バクマン | ||||
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原作 | 大場つぐみ×小畑健 | 監督 | 大根仁 | ||
出演 | 佐藤健/真城最高 役 神木隆之介/高木秋人 役 小松菜奈/亜豆美保 役 桐谷健太/福田真太 役 新井浩文/平丸一也 役 皆川猿時/中井巧朗 役 山田孝之/服部 哲 役 リリー・フランキー/佐々木編集長 役 宮藤官九郎/川口たろう 役 染谷将太/新妻エイジ 役 |
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劇場/媒体 | DVD(レンタル) | ||||
鑑賞日 | 2016年10月21日 |
目次
■重版出来(じゅうばんしゅったい)みて、思い出した。
前の前のドラマのクールで、黒木華さん主演の重版出来を見ていて、そういえば、漫画の制作現場を題材にした漫画の実写化といえば、バクマンじゃないかと。
大場つぐみ×小畑健のデスノートのコンビの第2作。原作には見事にはまり(流石に少年ジャンプは買わなかったが)、単行本は残らず買って読み、電子書籍でオールカラー版を再度買い直した程の作品。それだけに、ちょっと怖くて実写映画は見に行かなかった。
見てみると、映画館で見なかったのをちょっと後悔したくらい、良かったです。
■原作20巻の物語が映画の尺にうまくまとめられていた。
長い話なんで、1本の映画にまとまるのかと心配でした。前作の「デースノート」だって、13巻の話の半分をしかも2本に分けてたし…
この映画では登場人物を絞り込んで、うまくまとまっていました。おかげで、原作ではいい味だしていたキャラクターが少し減ってしまいましたが、結果としては変な消化不良を起こすことなく物語に集中できた気がします。
漫画のアンケート競争によるバトルが、そのままバトルっぽい演出になっているのは賛否両論あったかもですが面白い演出だと思いました。プロジェクションマッピングを利用して、俳優の周りに次々にできあがりのマンガ原稿が出来上がっていく演出も良かったです。
■配役は概ねハマっている人が多かったと思いました。
主役二人(佐藤健/神木隆之介)はハマってます。逆でもよかつたかもと思いましたが(実際、キャスト公開時は逆が良いのではとネットで話題になってたし。)、これで良かったんだろうな。
平丸一也役(新井浩文さん)が、もっとキャラ立って欲しかったなぁと思いました。特にこの役を新井さんは自分から志願したらしいので、見た目は本当に平丸一也そっくりだったので、もっと平丸っぽいシーンが欲しかったと思いました。いや、時間がないのはわかるが。
新妻エイジのキャラは、漫画の通りにやろうとすれば全然ダメだったような気がする。染谷将太さんらしい新しいダークな感じの新妻エイジのキャラはかっこよかったです。
リリー・フランキーさんの佐々木編集長、皆川猿時さんの中井巧朗、宮藤官九郎さんの川口たろう役も、原作のイメージに近くてよかったです。
一方で、山田孝之さんは独自の服部哲でしたし、桐谷さんの福田真太も見た目イメージがちょっと違いましたが、中身はまさに原作通り。
物語を削り込んでいても、キャラがちゃんとハマっているのは良かったです。
■亜豆美保さんは、かなりイメージが違いました。
亜豆美保(小松菜奈さん)は、イメージとちょっと違ったかな。なんか、地味。オーラが無い。でも、だんご鼻だし、目はちょっと小さい。いやこっちが年取りすぎただけかも。
清楚な感じがいいのかもですが。
あと、これは、脚本が悪いのですが、亜豆美保のキャラは漫画と真逆。事務所の圧力に負けてもう会えないとか言っちゃうし、漫画のストーリーのキーパーツである純愛すぎる純愛があまり感じられなかった。会えないと言った時の自然な涙目はぐっと来ましたが。
ま、この映画に出ている女子キャラ、たった一人なので、全てを兼ね備えなきゃ行けなかったのが、荷が重すぎるのかもしれません。
こんなことなら、漫画家のキャラの一人を中井さんではなく、蒼樹 紅を出せばよかったのかもしれません。
あと、個人的には高木秋人の恋人の見吉 香耶がいて欲しかったのなと思います。
■物語はよくできているが、流石に無理がある設定も。
週刊連載漫画作家がアシスタント使わないとかありえないから、ましてや連載持ってて他の先生のアシスタントやる余裕はないですから….と思わず見ながらツッコミを入れてました。別に漫画家に知り合いの居ない自分にそういうことを教えてくれたのも、この漫画だったんですが。
インクに汚れた顔と指先、汗を強調した泥臭い青春物。漫画原作知らない人が楽しめるものなのかどうかはちょっと不明です。
■スタッフワークもかなりのもの
音楽いいなぁと思っていましたが、サカナクションなんですね。ちゃんと聞いた事がない最近のバンドですが、NHKの番組なんかにも、いい曲を提供してましたし、今度しっかり聞いてみようと思いました。
実は、最後のエンドロールがかなりの力作。まさか、個々のスタッフの名前が漫画の単行本の背表紙として本棚に並んでいるとは…最初は只の背景だと思っていたので、それに気づいてびっくりして巻き戻しました(これがDVDでの鑑賞のいいところ(笑))
そういや、大場つぐみ×小畑健のコンビの3本目が始まったって聞いたなと思ってネットで検索したら、既に3巻まで発売中(4巻は11/4発売予定)。「プラチナエンド」読みたくなってきた…ていうか読むだろうな。
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