3.11後の今、原発再稼働を推進しなければならないたった1つの理由

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2011年3月11日。あの日を境に、日本の原子力行政は大きな転換点を超えました。自分自信が福島に足を運んだ印象も含め、原発稼働推進を僕が支持する理由を一度記事にしておきます。

目次

イノベーションを最も求められる領域

福島原発の廃炉は、福島県のHPによれば、平成52年〜62年までかかると記載されています。

いや、平成は30年で終わるはず...という細かいツッコミは置いといて、あと20〜30年かかるということを指しています。しかも、様々なHPやブログの記事を参考にするかぎり(個々の信頼性が専門外であるため、まったくどの記事を信じるべきかわかりませんが)、この数字はおそらく最小限の希望的な観測。

すなわち、この数字を実現するためには、今の技術水準ではダメで、イノベーションを起こす必要があるということです。

2011/3/11までに原発を廃止できなかった我々日本人が抱えた十字架が、福島原発の廃炉処理

私は、2011年以前はどっちかといえば、原発には消極的な立場でした。しかし、あの日を過ぎ、福島原発事故を目の当たりにした時に考え方を変えました。福島原発の廃炉は、他国に頼るわけにはいかない。日本人が解決していくしかない領域になったのです。

だからこそ我々は原子力発電の先進国になり、この分野でトップランナーであり続けなければならなくなりました。そうでないと、福島の廃炉は終わらず、結果として福島を故郷とする人々だけでなく、日本を故郷とする我々は故郷を失うことになりかねません。

トップランナーを走り、イノベーションを起こすために必要なたった一つのこと

どんな産業分野でも同じですが、そのために最も大事なのは、人材です。よく、人/物/金なんて要素で、技術革新や事業の要素を語りますが、この中でもっとも長期的な視野持って取り組まなければならないのは、「人材」です。即ち、これから少なくとも30年間誰が、原子力技術を支えるのかという事が、一番大事なことなのです。

枯れる産業に人は集まらない

別に、2011/3/11を境にということではありませんが、原子力工学を志望する学生は減少傾向にあり、2013年には、定員割れをしたというニュースがありました。

国内の主要大学・大学院にある原子力関係の3学科と9専攻のうち、2学科5専攻で今年度の入学者(4月末現在)が定員割れになっていることがわかった。
 背景には、原発事故によるイメージ悪化に加え、国の原子力政策が定まらず、将来が描けない学生の原子力離れがある。人材育成が滞れば今後の原発の廃炉作業にも影響が及びかねないため、関係者は危機感を強めている。

私自身、採用といった形で学生に接することがここ十数年多いのだが、学生の学部選択理由は、「就職に有利」という言葉が多い。
感情的な原子力発電への反対論が渦巻く中、原子力工学を「就職に有利な」学部を目指す学生が選択するとは、考えにくい。

前段で述べたイノベーションを起こす上で、これは恐ろしいインパクトがあります。

夢と未来を感じさせる必要性

勿論、社会的貢献を胸に原子力工学を目指してくれる若者が皆無だとはいいません。しかし、絶対的人材量がいなければイノベーションは生まれません。そして、人は安定、高給、やりがい、夢が揃わなければ集まりません。

対して、社会的な貢献がない(ように僕には思える)ゲーム業界や金融業界に人があつまるのは、その分野の産業に未来があり、夢があるからです。

(ゲームや金融業界に手厳しいのは、先日読んだ以下の本の影響があるかもです。他意はありません)

原発再稼働、学部新設を国策で進めるしかない

原子力工学の復興を図り、日本が日本の責任として原子力発電事業を引っ張っていくためには、異論はありますが、原発を積極的に再稼働させて、原発の採算性をあげ、ニーズを広げていくしかありません。

勿論、より安全性が高い、発電効率の高い新発電所の建設にも積極的にチャレンジをしていくべきです。

そこに、ビジネスチャンスが広がれば、この業界に夢が広がります。そうすることによってしか、人はこの業界に集まってきません。

実は、東京大学には原子力工学を教える学科がなくなってしまっています。これは、政府の政策として是非復活させるべきと思います。

感情論で原発を追い込むことは、福島だけでなく日本を見捨てることになりかねない

最近、北朝鮮ミサイル騒ぎにかこつけて、また原子力発電所の稼働中止を言い出す方がツイッターで見かけるのですが、本質的に原発が稼働しているかしていないかによって原発の戦略価値に変わりはありません。短絡的な恐怖心を煽っても、原発の問題は解決しません。

世代を超えた解決が求められるこの問題については、多くの智慧/人材が集まる仕組みを作り出すことしか今生きている我々にはできないのではないでしょうか?

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