劇団 | オフィスPSCプロデュース | |||||
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題名 | 殺人ラヂオ | |||||
公演期間 | 2018/05/22〜2018/05/30 | |||||
作 |
わかぎゑふ |
演出 | わかぎゑふ | |||
出演 |
朝倉伸二:石巻竜二(売れない詩人) 石倉良信:富岡忠太郎(陸軍少尉) 加藤義宗:蝶々亭毛虫(落語家) 岩瀬敏司:高野浩一郎(高野長英の子孫の医者) 佐久間淳也:坂本藤吉(革命クラブの政治活動家であり、小笠原男爵の付き人) 羽場涼介:今西博(オペレッタ男優。実家は漬物屋) 西ノ園達大:山川健二(製薬会社の仕入れ担当) 津村知与支:稲垣五郎(新聞記者) 鈴木健介:小笠原端希(ラジオ放送を日本に持ち込んだ男爵) | |||||
劇場 |
シアターKASSAI(池袋)
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観劇日 | 2018年05月26日(マチネ) |
目次
座組の豪華さに惹かれて観に行きました
朝倉伸二さんや津村知与支さんといった見知った俳優さんが出演されることと、名前はよく聞くもののまだ作品をみたことのないわかぎゑふさんの作演出という座組に惹かれ第1回公演でありながら足を運びました
プロデュースするオフィスPSCとは、俳優さんたちのマネジメントを行う会社のようで、今回出演しているみなさんを始めなめい会えをよく知る俳優、劇作家、演出家さんなどが多く所属されています。今年で、設立32年目とのこと
今回は、その会社の飲み会で始まった企画が形なったというものらしく、多忙であろう役者さんが集まった舞台でした
ここからはネタバレがあります
物語の舞台も魅力的。世界観も独特
大正13年(1924年)に日本でラジオの試験放送をされた時代の話。年代的に、第1次世界大戦と第2次世界大戦の間の軍部が力を持ち始めたあたりの時代背景を舞台にラジオというまったく新しいメディアに目をつけた軍人が思いついたある実験
その実験に巻き込まれた様々な階級、年齢、職業の男たち
彼ら各々がもつ背景事情も様々でありながら、否応なく巻き込まれたが故に慌てふためき、必死で生きるために活動する
一方で、ラジオ放送を日本で始めるべく奔走する男爵は、軍部がラジオを利用しようとしている企みに気づき、ラジオの未来を憂える
個人的には結構好きな部類の話で、こういう近代史をバックボーンにおいたサスペンス調のドラマは、どストライクにハマる…はずでした
一人芝居の集合体のような構成
イマイチのめりこめなかったのが、芝居の構成が一人芝居の連続+集合的シーンという組み合わせになっていて、一人芝居部分の割合が多すぎることによって、少々飽きが来てしまいました
個別の俳優さんは上手い方ばかりで、一人芝居の出来はよいのですが(良くなければもっと早く飽きてた)、いかんせんその部分が多すぎて(かつ全員分ある)誰に焦点を絞って話を追うべきか最後まで決めきれませんでした
結果として、物語に起伏が乏しく盛り上がりにかけるような印象をもってしまいました
役者の皆さんが忙しく、なかなか集合して練習を行う機会がなかったために、こういう構成になったのではないかと勘ぐってしまいました
説明不足…なのか?
もう一つ、こちらの理解力の問題かもしれませんが結局個々の物語中のイベントの行く末がどうなったのかがよくわからないままに終わったことが多すぎて終わった後に、すっきり感がない舞台でした
- ラジオの試験放送を使って殺人依頼を受け付けるということが、なぜラジオの可能性を確かめる行為になるのか、それによってなんの得が企んだ少尉にあったのか?
- 死にかけた詩人は、結局どうやって助かったのか?
- 医者は、少尉の嘘を見抜いていたのか?
- なぜ、少尉は心を病んでしまったのか?
- 軍部がラジオを利用するという企みは結局どのようにして実現されたのか?
- 活動家の坂本は、ラジオの魅力に気づいたのはわかるが、なぜ男爵の付き人になりさらに彼を殺したのか?
終わったときに、終わったんだろうなとは思いつつ上記のあたりが全てスッキリしないままに終わってしまったので、「えっ!?終わり?」と思ってしまったのも事実でした
(だからといって、全部説明するために3時間の大作にされても困るのですが)
結論からいうと、意味深なシーンや要素が詰め込まれすぎていて、わけがわからなくなってしまっていたように思いました
今後に期待
出演している方も物語の世界感も、とても僕好みであったがゆえに、イマイチという感想になってしまったのがとても残念でした
なにかのボタンの掛け違いさえなければ、ものすごく印象に残る芝居になった予感がしたので、また、同じ座組でお芝居があれば見に行ってしまうと思います
以上 オフィスPSCプロデュース「殺人ラヂオ」の感想記事でした
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