[劇評]星屑の会「星屑の町 忘却篇」@シアター1010(北千住)
1994年から続く「山田修とハローナイツ」の物語が、2016年の完結編から10年を経て、東京で2日間だけ帰ってきました。メンバー全員が古希前後を迎えた座組を20年以上観続けてきたからこそ、キャラクターたちの歩みと、役者さんたちが演劇界の重鎮へと登りつめていく歩みを重ねて楽しめる、とても温かく楽しい舞台でした
| 劇団 | 星屑の会 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 題名 | 星屑の町 忘却篇 | |||||
| 公演期間 | 2026年10月3日~2026年10月4日 | |||||
| 作 |
水谷龍二 |
演出 | 水谷龍二 | |||
| 出演者 |
小宮孝泰:山田修(ハローナイツのリーダー) 渡辺哲:込山晃 有薗芳記:青木五郎(老人ホームで介護の仕事) でんでん:西一夫 菅原大吉:山田英二 大平サブロー:天野真吾(ハローナイツのボーカル) 戸田恵子:キティ岩城(ハローナイツ2代目ボーカル) 蔵下穂波:仲宗根純 江端英久:日野健太郎 新納多朗:喜屋武民夫 星野園美:杉本早苗 朝倉伸二:牟田旭 春風亭昇太:白石勇次 竹内都子:白石ゆかり ラサール石井:市村敏樹(声の出演) |
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| 劇場 |
シアター1010(北千住)
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| 観劇日 | 2026年10月3日(マチネ) | |||||
最初に出会ったのは、なんと25年前
2026年10月3日に、北千住のシアター1010にて、星屑の会『星屑の町 忘却篇』を観てきました
星屑の会というのは劇団ではなく座組で、作家の水谷龍二さんの脚本のもと、同じメンバーが集まって上演されるお芝居です
初めてこの星屑の会の舞台を観たのは、なんと25年前、2001年の『クレイジーホスト リターンズ』というホストの話でした
その後、今回の舞台のベースにもなっている「山田修とハローナイツ」というムード歌謡の一座のお話に出会いました
僕が最初に出会ったのは2006年の『星屑の町 東京砂漠編』で、そこから数えても20年になります
実はこの座組は1994年に『星屑の町』の最初のバージョンを上演しているので、そこから数えるともう32年もやり続けていることになります
名もなきおじさん俳優たちが、今や重鎮ばかり
正直、2001年や2006年に観た頃は、あまり名の知られていないおじさん俳優たちが集まっているという印象でした
元コント赤信号のラサール石井さんと小宮孝泰さんのお二人は当然知っていましたが、それ以外の役者さんはこの座組で初めて観たという方が多かったです
しかし、今回出演されている方々の名前や顔を改めて見ると、渡辺哲さん、有薗芳記さん、でんでんさん、菅原大吉さん、そして戸田恵子さん、朝倉伸二さん、新納多朗さんなど、今や大河ドラマや映画、日本の演劇シーンに欠かせない重鎮ばかり
「大河ドラマに出ているあの俳優さんも、最初に観たのはこの座組だったな」と思えるような面々です
もう二度と観られないと思っていた
今から10年前の2016年に「完結編」を上演し、2019年にそれを再演したものの、正直もう二度とこの座組が観られることはないだろうと思っていました
座組の中心である水谷龍二さん、小宮孝泰さん、ラサール石井さんの3人のうち、ラサール石井さんが参議院議員になられたため、演劇活動は難しいはずだと考えていたからです
それがまさか、2016年の完結編から10年経った今年、東京で2日間だけの上演が実現しました
ラサール石井さんがどんな形で出演されるのかも含めて楽しみにして劇場へ向かいました
会場のシアター1010は、過去に2〜3回来たことがありますが、とても広くて観やすい劇場です
一番最近来たのは2008年の以下の舞台でした
みんなで古希、そして70歳でロマンス詐欺
今回のストーリーは、現実と同じく古希(70歳)を迎える小宮さんと、ハローナイツのボーカルである大平サブローさんの古希を祝う会としてメンバーが集まるところから始まります
山田修とハローナイツの2代目ボーカルであるキティ(戸田恵子さん)が、地元の大阪の社長にお願いしてリサイタルを開いてもらう企画を立て、そこに全国からハローナイツのメンバーが集まってくるという展開でした
劇中の登場人物たちも俳優の実年齢と同様に年を重ねていて、渡辺哲さんやでんでんさんは76歳くらいになられており、若手に見える菅原大吉さんでさえ結構なお年です
今回は菅原さんの実生活での奥様である竹内都子さんも出演されていて、とても豪華なキャスティングでした
劇中ではほぼ全員が引退状態だったり人生がうまくいっていなかったりして、小宮さん演じる山田修は70歳にしてロマンス詐欺に引っかかり、女性とおぼしき相手に150万円を騙し取られてしまいます….
やっぱり五郎はいいやつだな
乱暴な口調ながら一番ハローナイツを愛している五郎(有薗芳記さん)は、いつもその時々の世の中の大変な仕事に就いている設定が多く、2016年には福島で原発の廃炉作業員でしたが、今回は老人ホームで介護の仕事をしていました
「やっぱり五郎はいいやつだな」と改めてこのキャラクターが好きになりました
いつも役柄や役名が変わる朝倉伸二さんと新納多朗さんのコンビも面白かったですし、今回若手として参加していた蔵下穂波さんも、沖縄民謡のとても澄んだ綺麗な歌声を披露するシーンがあって素晴らしかったです
竹内都子さんや星野園美さんといった親しみやすい雰囲気の女性陣の中で、戸田恵子さんの年齢を感じさせないスリムで美しいお姿も印象的でした
20年にわたって観続けてきた座組だからこそ、劇中のキャラクターたちの歩みを振り返りながら楽しむと同時に、出演者の方々が演劇界の重鎮へと登りつめていく歩みをリアルタイムで見届けられた
この座組に出会えて本当によかったと感じる部分です
ラサールさんの代打は、まさかの春風亭昇太さん
最後は幕が一度下りた後、山田修とハローナイツによる、内山田洋とクール・ファイブを彷彿とさせるムード歌謡のコンサートが行われました
戸田恵子さんと、70歳とは思えない素晴らしい歌声を聴かせてくれた大平サブローさんのお二人によるボーカル
そしてその後ろにはラサール石井さんの姿がないので、その代わりに春風亭昇太さんという、ラサール石井さんとはよく他の舞台で共演されていた方が代打で入るというような形になっていて、それはそれで面白かったですね
『笑点』なども忙しいだろうに、俳優としての稽古に加えてバックコーラスの練習までしたんだなと思うと大変さも伺えますが、友人が買ったパンフレットを読ませてもらうと出演が念願だったようなので、そういった意味でもとても楽しい舞台だったなと思いました
ちなみにラサール石井さんは声の出演という形で、おそらく録音を使って開場前・終演後のアナウンスだけでなく、芝居の中でも天野真吾役の大平サブローさんの一人芝居で、その録音の市村敏樹と電話で会話をするというシーンがあって、うまく存在感がありました
劇中で死んだことになっていなくて良かったなと思ったりもしました🤣
58歳の僕が中堅という客席
客席はですね、何せ1994年初演ですから、そこから追っかけてらっしゃる方であれば32年追っかけてらっしゃることになりますので、当然ながらかなりのご年配の方々が多く、58歳の僕自身が中堅という感じの客席でしたが、とても温かく会場を包み込んでいる雰囲気が良かったです
期待しすぎず、でも少し期待して
おそらくこれがこの座組を見る最後のチャンスなんじゃないかなと思ったりもしますが、一方で、議員になってしまって出られなかった重要キャストであるラサール石井さんが、何らかの形で議員を引退されてまたこの舞台に戻ってくる頃に、もう1回あるといいなと期待してしまう舞台でした
何せ主要キャストの方々には76歳といった方々もいらっしゃいますし、水谷さんも結構なご年齢なので、そのあたりはどうなのかなという心配も含め、また自分自身が元気でいることも含めて….
次の公演をあまり期待しすぎず、でも少し期待して待ちたいと思います
以上 星屑の会「星屑の町 忘却篇」の感想でした




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