[劇評]明後日「じりりた」@THEATER/TOPS(新宿三丁目)

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渡辺哲さん、酒井敏也さんという見知ったキャストを頼りに初めての劇団を見に行きましたが、身近なテーマだったこともあり、かなり楽しむことができました
新しい座組、演出家、役者に出会え、懐かしい劇場と再開することのできた舞台でした

劇団 明後日
題名 じりりた
公演期間 2023/02/22~2023/03/01

ニシオカ・ト・ニール

演出 ニシオカ・ト・ニール
出演者 酒井敏也:介護施設の二人部屋の先住者
渡辺哲:介護施設の二人部屋に後から入ってきた
町田水城:介護施設職員(先輩)
星野勇太:介護施設職員(後輩)
森崎健康:渡辺哲さんの息子
劇場
THEATER/TOPS(新宿三丁目)
観劇日 2023年2月25日(マチネ)

目次

懐かしのシアタートップス!

劇場に着くと、シアタートップスがとても懐かしく感じました。

一度、松竹の劇場になってから再び本多劇場グループ下で再オープンしてからは初めての鑑賞ですが、前に来た時から内装が変わっていることはなく、懐かしさに浸ることができました。
かなり久しぶりの劇場ですが、結局懐かしさも相まってほぼ違和感なく観劇しました
ただ、入り口がちょっとわからなくなって、4階まで階段であがってしまったりしましたが(昇ってから、エレベータを発見しました)

見知ったキャスト、知らない作家

渡辺哲さんと酒井敏也さんが主演を務める「じりりた」は、介護施設で共同作業をする二人の入居者の物語です。

物語のテーマは、老人介護の話で、自分自身が老いを感じることもあるし、両親の事を考えても最近身近な話題ということもあって、この演劇を鑑賞する前からこの物語に興味を持っていました。

物語は、初めて見た脚本家/演出家であるニシオカ・ト・ニールさんの手によって丁寧に進められていました。渡辺さんと酒井さんの演技も素晴らしく、二人が演じる役者の存在感に魅了されました。

初めて見る役者さんたちも非常に堅実な演技をされており、その演技に安心感を抱きました

ここからはネタバレします

ストーリー展開が巧み

ストーリー展開は、途中まではとてもわかりやすく、省略もうまく場展開もこ気味が良かったです。

しかし、途中から謎の鳥が登場して、話がややこしくなっていました。鳥が喋り始めるあたりから、ストーリーに幻想的な要素が加わり、物語が特異な世界線の話なのか幻覚の話なのか、それとも幻聴なのかと思わせられました。

庭でひょんなきっかけで手に入れた野鳥の卵を二人で(やがては、登場人物全員で)孵化させるために奮闘するあたりは見ながらも、ほっこりさせてもらいました

エンディングは、いろいろな解釈が可能であり、それがよかったと思います。

あがた森魚さんがいい味をだしてます

あがた森魚さんは、世代的にハマっている友人から昔熱心にすすめられたミュージシャンでした。

そのあがた森魚さんの鳥の声も素晴らしく、これまで聞いたことのなかった声でした。また、私自身はあがた森魚さんの音楽にはあまり興味がなかったのですが、今回彼の声を聞いて、当時の音楽と声を思い出しました。

役者にはずれなし

渡辺哲の存在感は抜群でした。

若手の俳優さんもしっかりした演技で安心感がありました。
なかでもいい味を出していたのは、介護士役の町田さんで、彼が入居者に翻弄されていて、戸惑いながら仕事を進めていく中で、最後にちょっと自分の意志を見せたあたりはかっこいいなぁと思いました

まとめると、「じりりた」は、終わってからもほっこりする舞台でした。

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