劇団 | 張ち切れパンダ | ||||
---|---|---|---|---|---|
題名 | 「じじいに幸あれ」 | ||||
公演期間 | 2014/04/23~2014/04/29 | ||||
演出 | 梨澤慧以子 | 作 | 梨澤慧以子 | ||
出演 | 三田村周三、八木菜々花、仲田敬治、沖田裕樹、田中良、植吉、儒河、古市香菜、咲良美里、塙育大、深井邦彦、薩川朋子、モリタモリオ | ||||
劇場 | 「劇」小劇場 | ||||
観劇日 | 2014/04/29 |
三田村さんを見に伺った舞台ですが、とても脚本も演出も良い作品でした。過去に見たことのあるいろいろな作品を彷彿とさせるシーンが多数ありましたが、結局はそのどれとも違う作品になっていたと思いました。三田村さん以外に印象に残ったのは、八木菜々花さん、儒河さんでした。
目次
■物語
■詳細
うっかり、電車を乗り過ごしてしまったため、開演時間に間に合わず最初のシーンを結構見逃してしまったorz。
いつものように元気な老人(笑)三田村さん
物語の中心は、老人(三田村さん)とヘルパー(八木さん)の会話。寝たきりと思いきや意外に元気というあたり、同じ三田村さんが主演だった舞台「天井」を思い出しました。
二人の関係性に違いはありますが、井上ひさしさんの「父と暮らせば」もちょっと思い浮かべながら見てしまいました。
基本的には、二人の他人同士の身の上話と夢の話。その当人役を別の役者が演じるという演出はちょっと新しさを感じました。特に、千咲を成長するにつれてを別々の役者さんが行い、場合によっては男性がやるというあたりの、自由さは 他の舞台ではあまり見ない演出でした。
そもそも、なぜ、過去の役を別の役者が演じ続けるのかという部分は、ちょっと気になっていましたが、最後になって理由が理解出来ました。
八木菜々花さんの感情の爆発が印象的でした。
ヘルパー役の八木さんは、この難役をよくやりとげたなぁと感動しました。子供役になったり、大人になったりという過去と現在の時制の変更を演技力だけでうまく見せきってくれました。
ヘルパーという役どころなので、割りと抑えた演技が多かったのですが、最後のあたりの感情の爆発は見どころでした。マウントポジションで、三田村さんにのしかかり、叩きつけるように三田村さんに思いをかたりながら、どんどんテンションが上がってくる様子、それを受け止める三田村さんの演技も相俟ってもっとも印象的なシーンでした。
どこかで見たと思っていましたが、ドラマにも結構出ている方のようですね。さすがです。
ぱっと見で印象に残る儒河さん。覚めた演技がいいですね。
千咲の中学生時代を演じていた儒河さんは、スラっとしたスタイルと小顔のボーイッシュな役者さんで、演技も(演出の指示だとおもいますが)とてもさっぱり/機械的にしていて、それをまた、ぴったり演じていて、他の舞台だとどうなるのか見てみたいと思いました。
シンプルな構成ながら脚本も素晴らしい
二人の一見なんの関係もなさそうな老人とヘルパーが実は様々な理由でつながっていてという話の作り方がとてもうまいと思いました。登場人物も最小限で、その全てが色々な心の思いを抱えているというのもよく描けていると思いました。
死亡欄を見て、三田村さんが、千咲の母親が誰かということに気づくというところが無理があるかなぁとおもっていました。お母さん=「新聞の死亡欄に載るようなすごいひと」だったということなのかしら……と思いつつ、ネットを調べて、気づきました。死亡欄というよりも死亡広告を見ていたと考えればいいのかもしれません。
故人の友人/知人に知らせる手段として必ずしも否定される手段ではないですし。すっかり、日常ではみなくなったものですが、ウィキペディア先生によると沖縄ではまだ、死亡広告を地元紙に出すというのが親族の死亡を関係者にお知らせするメジャーな手段とのこと。
このおかぁさんは、沖縄の人という設定だったのでしょうか?(最初をみれていないのでわからないのですが)
劇場の装置や演出もうまいですね。
いつ行っても狭いと感じる「劇」小劇場を左右にうまく使いこなしていました。左側には、具象的な装置(ベットと階段)があるのに、右側は抽象シーンを行うための場としていても違和感がない不思議な立体感のある装置でした。
楽日観劇だったせいか、客席には色々な舞台関係者の方が多数きていました。
コメントを残す