映画『国宝』を祝日に鑑賞しました。3時間という長さを感じさせない濃密な物語で、一人の人生の激しい起伏と歌舞伎の世界が丁寧に描かれていました。
題名 | 国宝 | |||||
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原作 |
吉田修一 | 脚本 | 奥寺佐渡子 | |||
監督 |
李 相日 | |||||
映画館 | MOVIX広島駅(広島) | |||||
鑑賞日 | 2025年8月11日 |
目次
鑑賞に至るまで
ようやく映画『国宝』を観に行きました。公開当初から話題になっていたうえ、上映時間が3時間(正確には175分)と聞いていたため、少し足が向かなかったのですが、祝日を利用して思い切って鑑賞しました。観終わってまず感じたのは、「本当に3時間あったのか?」ということです。時間を感じさせない、濃密な体験でした。
ストーリーと脚本の印象
物語はほぼ主人公・立花喜久雄(吉沢亮さん)の一生を描いており、さまざまなドラマが詰め込まれています。予想外の展開が次々に訪れ、脚本の巧みさには感心しました。原作は読まずに劇場に行ったので、喜久雄の両親がヤクザという設定にも驚きました。
キャストと人物関係
出演者は豪華でありながら、登場人物は多すぎず、濃密な関係性が描かれています。以下が主なキャストです:
吉沢亮/立花喜久雄(花井東一郎)
横浜流星/大垣俊介(花井半弥)
渡辺謙/花井半二郎(喜久雄を引き取る歌舞伎名門の当主)
高畑充希/福田春江(喜久雄の幼なじみ)
寺島しのぶ/大垣幸子(俊介の母)
森七菜/彰子(歌舞伎役者・吾妻千五郎の娘で、喜久雄に想いを寄せる)
見上愛/藤駒(芸妓として喜久雄と出会い、才能を見抜く)
田中泯さん演じる小野川万菊なども登場し、物語を支えています
歌舞伎の場面と映像美
歌舞伎を生で観たことはありませんが、演目として「曽根崎心中」「二人道成寺」も知っていたので、歌舞伎の場面は興味深く鑑賞できました。映像も非常に美しく、印象に残る瞬間が多かったです。
印象に残った役者:田中泯さん
主演ではないのですが、田中泯さん演じる小野川万菊は非常に印象的でした。ダンサーとしての鍛えられた身体と、独特の話し方からにじみ出る存在感が強く、物語のキーを引っ張る役割を見事に演じていたと感じました。
主人公二人(吉沢亮さんと横浜流星さん)の関係性
吉沢亮さんと横浜流星さんの掛け合いには見応えがあり、才能と血筋という対照的なテーマの下で両者が切磋琢磨し、葛藤する姿がとても豊かに描かれていました。「歌舞伎の世界は血か才能か」というテーマが静かに響きました。
半次郎の人生と余韻
吉沢亮さん演じる喜久雄の人生は、激しい起伏に満ちています。終盤、国宝となった喜久雄へのインタビューで「順風満帆でした」と語る場面は、思わず笑ってしまいました。順風満帆に見える人生にも実は多くの事件や感情の波があり、それらを乗り越えて今があるのだ、と改めて考えさせられました。
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