目次
■書店で目につき購入
書店で読みやすそうだなと思い、手に取りました。テーマ別にクエスチョンアンサー形式になっているので、本当にススっと読み終えてしまいました。
何故、南欧諸国は経済的に苦しいのか
→カトリック教徒だから。カトリック教徒は、富を寄付する事を奨励する宗派なので、労働意欲がわかない。一方で、プロテスタントは寄付することよりも働くことで原罪を救われると考えるので産業が栄える
何故、第二次世界大戦時日本はユダヤ人を助けたか
→ユダヤ金融資本に、日露戦争のときに助けられたから。ユダヤ人はクリミア戦争でイギリスに負けたロシアに金融資本を投下して助けたのに、絶対王政のロシアからひどい仕打ちをされてロシアを恨んでいた。
シーア派とスンニ派は、何が違うか
→シーア派はムハンマドの血統主義。でも、その血統を継ぐものはいまはいない。でも、血統者がどこかに生きていると信じている。律法に従うスンニ派にとってはそれは神秘主義に見えて相容れない。
なぜ、ヨーロッパは共同体になれるのに、アジアはなれないのか
→ヨーロッパはローマ帝国やフランク王国のように一つの国であった歴史がある。宗教もほぼ同じ。アジアは、そもそも政権交代の仕方からして、血で血を洗う易姓革命の中国と日本は違いすぎ。そういういみでは、ロシアはヨーロッパというよりは違う文化圏だから、統一はやはり無理、
■いや、簡単すぎるだろ!とも思うが。
本当はもっと複雑だろうなとはおもいつつも、シンプルなロジックで今起きていることの背景を世界史に求めるのはとてもわかりやすいです。
学生時代にこういう世界史授業を受けたかったなとも思いますが、学生時代の基本の蓄積があるから、すっと頭に入って来るのかもしれません、
■世界史のバックグラウンドから考えると….
クリミアは住民投票で、ロシア編入を選び、世界特にアメリカは反発した。でもそのアメリカも、メキシコ領だったテキサスの住民投票で、アメリカ編入を画策して戦争を戦い、カリフォルニアまでアメリカにしてしまった
この調子だと、中国は沖縄の住民投票による独立を支持しかねないし、世界史的には珍しくないこと。
他にも中東の複雑さは、日本は深入りすべきでないことや、唐の政治と現在の中国の政治は似ていて同じような末路になるのでは?など、著者の意見も一考の価値があるように思います。
アメリカを動かす五つの力なんてのも、知ってみると今のトランプ旋風をまた違った見方で捉えることができます
さっと読める割に、いろいろ示唆に富む面白い本でした
コメントを残す