劇団 | 植吉劇場 | ||||
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公演期間 | 2013/05/09~2013/05/13 | ||||
演出 | 大岩美智子 | 作 | 古屋治男 | ||
出演 | 植吉、高野麗、保倉大朔、加古みなみ、趙徳安、佐藤五郎、河辺容子、古屋治男、塙育大、三田村周三、宮島健 |
5年ぶりの舞台でも、雰囲気は変わらない。何ということもない植木屋さんの日常がたんたんと進みながら、ちょっと日常で垣間見れない植木屋さん(庭師)の仕事観とかそういうものが暖かく伝わってくる舞台でした。
植吉さんが演じる植木屋で、何十年も面倒を見ていた日本庭園が、施主の世代交代で潰して英国庭園に作りなおすことに。植木屋は、自分たちが前の施主と何十年かけてきた一本一本の木を思い、必死に施主を説得するが、最後は納得してその庭を自らのてで伐採することになる。
なんか、事件が起こるようで起こらないストーリーです。色々、伏線というか事件の目があるのですが、「なんで施主の旦那さんはあんなにいいなりなの?」「なんで施主は、英国庭園にしたいの?」とか「結局、植吉さんの義弟と妹さんは、なぜしばらく別居していて、突然義弟さん来たの?」とか、….という疑問は解決されないままお話が大団円していき、またあんなに抵抗していた庭の伐採をなぜ突然引き受けてしまい…なんかスッキリしないストーリー展開でした。
でも、それでいいのかもしれません。日常でもそんなに色んな事が必ず解決する訳でも、すっきり片付くわけでもないし、そういう日常を受け入れていくのが、この舞台が見せたい世界なのかもしれません。
植木をやっている役者さんが植木屋を演じる。というコンセプトは、その職業がらの植物への優しさが舞台の中のお互いを思い合う気持ちを感じ取れる温かい舞台であることが大事なのだと思います。
役者さんでは、ゆとり世代的な演技で浮いた(でも、こっちの方が僕の周囲には多いかも)演技の趙徳安さんは、おいしい役をうまくこなしているなぁと思いました。
彼が、出ていると割りと彼の視点になって状況を見ている自分がいました。
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