全体としては、非常に良かったです。最後のシーンでほろっときました。男優だけの世界で、この芝居を描ききることができるだろうかという疑問は、前作(というよりも続き物の1部、2部という感じです。音響/装置もほぼ前作同様ですし)を見たときに解消していたのですが、今回はこの劇団の作劇法がなんとなく理解できていたため、前回以上にうま
劇団 | Studio Life | ||||
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題名 | 白夜行 第二部 | ||||
公演期間 | 2005/12/01~2005/12/11 | ||||
作 | 東野圭吾 | 演出 | 倉田淳 | ||
出演 | 笠原浩夫、岩﨑大、甲斐政彦、山﨑康一、倉本徹、末松一仁、林勇輔、楢原秀佳、深山洋貴、曽世海児、高根研一、船戸慎士、寺岡哲、奥田努、牧島進一、篠田仁志、下井顕太郎、宗村蔵人、荒木健太郎、関戸博一、松本慎也、三上俊、吉田隆太、石飛幸治、藤原啓児、重松収(客演)、河内喜一朗 | ||||
劇場 | THEATER1010(北千住) | ||||
観劇日 | 2005年12月3日(ソワレ) |
【ストーリー】
この複雑なストーリーをきちんと説明できる自信はありません。是非小説をお読みください。 TBSのドラマはたぶんダメな気がします。
【感想】
白夜行1同様、笠井さんが、亮司をやっている版をみました。
雪穂役は岩崎大さん。長身の雪穂です。
雪穂役の方、最初出てきたときはやはり違和感がありました。ぱっとみ出演者の中でもかなり身長が高いほうの方だったので…しかし、見た目の美しさがそれをそのうち打消しました。
大人の雪穂ならば、彼でも良かったということでしょうか?(さすがに高校生役は想像できません。この劇団において、役者は「記号」であると前回書いているのに矛盾ですが)
非常に微妙なしぐさの演技が、明確でわかりやすく、言葉にしない心情の動きなどが、うまく伝わってきました。目線の動きや、手の動きの事細かな演出が行き届いているということでしょうか?
映像の利用は相変わらずうまいなぁと思いました。
おおむね、問題がない(小説では明示されない最後の犯罪シーンなども、劇であればあのように明示するというのもありかなぁと感じますし)と思うのですが、一点だけ、気になるシーンがありました。
僕自身は、小説の最後の一行が記憶に残るということがあるのですがこの小説もまさにそうでした。
亮司がなくなり、雪穂が刑事に問い詰められて「ぜんぜん知らない人です」と答えて去っていくシーンがこの小説のクライマックスだと思っています。最後の一行は
「彼女は一度も振り返らなかった」
だったと思います。(正確な文章には自信がありませんが)
なのに
何故、この舞台の雪穂は振り返ったんだ????
台無しになった気がします。いや、心情的には理解できますが、それでも、振り返らずに去っていって欲しかったです。(見せ場としてはどうかという疑問は残るものの、それ以上にこの小説の最後の行の重みはあると思うのです。)
しかし、StudioLifeという劇団が、こんなに表現力のある劇団だということは今回の作品で得た大きな収穫です(少女漫画嫌いの私は、萩尾望都の作品を中心にやっているというだけで、見に行っていなかった)
こんなところから、密かにリクエストしてみよう。
「次は、宮部みゆきの「火車」をやってくれないでしょうか」
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