超有名作であり、僕自身の演劇への出会いの一つと言っても良い作品。劇団四季のキャッツ。とはいえ、3回目の観劇はとても刺激的な体験でしたし、また出会いたい作品でした
劇団 | 劇団四季 | |||||
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題名 | キャッツ | |||||
公演期間 | 2024/11/11~2025/02/23 | |||||
作 |
アンドリュー・ロイド・ウェーバー/浅利慶太 | 演出 | トレバー・ナン/浅利慶太 | |||
出演者 |
木村 智秋: グリザベラ(過去の栄光を失い、孤独をさまよう物語のキーパーソン) 吉田 絢香: ジェリーロラム=グリドルボーン(Gusとともに劇中劇を演じる優しい猫) 田代 美里: ジェニエニドッツ(母性あふれるおおらかな猫) 片岡 英子: ランペルティーザ(マンゴジェリーといつもイタズラをするコンビの片割れ) 多田 毬奈: ディミータ(マキャヴィティを警戒する神経質な雌猫) 小野 日歌里: ボンバルリーナ(華やかでセクシー、物語を盛り上げる存在) 藤原 加奈子: シラバブ(純粋な心でグリザベラに寄り添う子猫) 竹下 里香: タントミール(コリコパットと息の合った動きを見せる双子の猫) 藤田 真由美: ジェミマ(天真爛漫な子猫で、作品を柔らかい雰囲気にする) 関野 ひとみ: ヴィクトリア(白い毛並みが特徴的な、美しいダンスを披露する猫) 吉村 菜奈子: カッサンドラ(クールな雰囲気をもつ気高い雌猫) 佐藤 圭一: オールドデュトロノミー(ジェリクルキャッツをまとめる温厚で偉大な長老猫) 日浦 眞矩: アスパラガス=グロールタイガー/バストファージョーンズ(劇中劇を彩る往年の名優猫) 加藤 迪: マンカストラップ(物語を導くしっかり者の語り手的存在) 神永 東吾: ラム・タム・タガー(自由奔放でロックなムードを漂わせる人気者の猫) 田中 勇人: ミストフェリーズ(華麗なマジックを披露する不思議な猫) 高野 佳基: マンゴジェリー(ランペルティーザとともにイタズラ好きのコンビを組む猫) 田邊 祐真: スキンブルシャンクス(鉄道好きで几帳面な“鉄道猫”) 羽賀 悠仁: コリコパット(タントミールと双子のように息が合うミステリアスな猫) 紙谷 昇世: ランパスキャット(力強い見た目で劇中ちらりと登場する猫) 桒原 駿: カーバケッティ(元気いっぱいで好奇心旺盛な若い雄猫) 森田 一輝: ギルバート(軽やかな身のこなしで周囲を沸かせる猫) 提箸 一平: マキャヴィティ(“犯罪王”と呼ばれ、皆に恐れられる謎多き猫) 岩崎 晋也: タンブルブルータス(明るく元気な動きで舞台を盛り上げる若い雄猫) |
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劇場 |
上野学園ホール(広島)
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観劇日 | 2024/12/17(ソワレ) |
目次
はじめての広島公演と、17年サイクルの「キャッツ」体験
私が『キャッツ』を観るのは今回で3度目になります。
– 1回目:1990年(福岡)
– 2回目:2007年(東京)
– 3回目:2024年(広島)
不思議なことに、毎回観る都市が異なり、しかも17年おきという巡り合わせ。こうして時を経るごとに、別々の街で『キャッツ』と再会するのは、まるで運命的な出来事のように感じました。
新鮮な驚き―記憶になかったシーンの数々
「ストーリーは大体わかっている」と思っていた私も、今回の上演では知らないシーンに驚かされました。
たとえば、序盤に登場する家政婦猫ジェニエニドッツ(Jennyanydots)のシーン。犬やゴキブリの仮装をした猫たちが大勢舞台上に現れ、コミカルかつ印象的な場面が繰り広げられます。1990年や2007年には、このような鮮明な記憶がなかったため、新しい発見でした。
さらに、俳優猫アスパラガス(Gus)がかつて演じた荒くれ海賊猫グロールタイガー(Growltiger)の回想シーンでは、海賊船を模した大掛かりな舞台装置が展開。これも過去2回では印象に残っていなかった場面で、まるで新作を観ているような新鮮な気分になりました。
舞台装置の進化と、観る位置による新たな発見
今回の席は1階席の中央付近、19列目。以前の東京公演はかなり近い席で観ましたが、少し後方から舞台全体を俯瞰できることで、新たな演出意図や役者たちの動線、背景美術の細部まで楽しむことができました。視点を変えるだけで、『キャッツ』の世界がより立体的に感じられたのは大きな収穫でした。
>広島公演ならではの小ネタ
『キャッツ』の舞台は巨大なゴミ捨て場という設定。
その中に、広島公演ならではの要素が散りばめられていました。カープの帽子、地元デパート(福屋)の紙袋、さらには広島名物のふりかけなど、“ここは広島なんだ”と思わせる細やかなアイテムが発見でき、思わず微笑んでしまいました。
グッズ販売とご当地感への期待
一方で、グッズ売り場ではあまり「広島限定」感を感じられなかったのは残念でした。
12年前、甥っ子たちが広島で『キャッツ』を観た際には、「キャッツもみじまんじゅう」があったと言ってた記憶があり、今回も期待していたのですが見当たらず……。時間不足で見逃した可能性はありますが、もし本当にないのであれば、広島らしいグッズが復活してくれたら嬉しいところです。
12年前の製品は、こちらですね
俳優陣の躍動感と身体能力に感嘆
猫のようなしなやかさで踊り、歌い、舞台狭しと駆け回る俳優陣。
その柔軟性や表現力は圧巻です。
年齢を重ねるにつれ自分自身の身体の硬さを実感する身としては、彼らの身体能力は驚嘆に値しました。
クライマックス「メモリー」の圧倒的な魅力
物語のクライマックス、グリザベラが歌う「メモリー」。
彼女(木村さん)の声量と表現力は圧倒的で、その歌声を聴くと「天国へ召されてもおかしくない」と思わせるほど。
過去2回の観劇との比較でも、今回の舞台装置や演出はさらに豪華になっていたように感じます。『キャッツ』はテクノロジーや演出面でも進化を続けており、その集大成を観られたことに感動しました。
フィナーレとカーテンコール、終演の実感
フィナーレ後は何度もカーテンコールが繰り返され、長い拍手と喝采が続きます。
実は、34年前のキャッツ(まだ観劇初心者でした)も、この長いカーテンコールがあって、当時は初めての劇団四季観劇で、随分面食らった覚えがあったのを思い出しました
最後にラム・タム・タガー(Rum Tum Tugger)がぴしっと締めてくれることで、「ああ、これで本当に『キャッツ』が終わるんだ」と実感することができました。
広島での集客力と、地元での舞台文化
広島公演は2024年11月から翌年2月まで約4ヶ月の長期上演。
平日の夜にもかかわらず、1階から2階席まで満席に近い盛況ぶりでした。広島での舞台人気は以前はそれほど高くない印象を持っていましたが、劇団四季は別格のようです。
地元でこれほど多くの人が観に来ているのを知って安心しましたし、これを機にもっと舞台文化が根付いてくれればと期待してしまいます。
劇場選びを間違えたハプニングも笑い話に
最後に個人的なハプニングを一つ。
今回、私は劇場を勘違いしてしまい、間違った会場へ向かってしまうという大失態をおかしました。
観劇歴がすでに30年を軽く超える僕も、広島での観劇経験はまだすくない僕は、◯◯学園ホールという劇場が2つ広島にあるとまったく認識していませんでした
今回の公演会場は、「上野学園ホール」そして、今年の3月に藤原竜也さんを見た劇場が、「広島文化学園ホール」….
並べてみれば、まるで違いますが、◯◯学園ホール=3月に行ったホールとまったく信じて疑っておらず、開演30分前に広島文化学園ホール前で呆然としてしまいました😂
タクシー🚕の運転手の方が本当に頑張ってくれて、開演直前に本当の劇場へ滑り込み、なんとか上演に間に合いました。
結果的には観られたので良かったものの、今後は劇場アクセスをしっかり確認してから出かけようと、反省しきりです。
まとめ
17年ぶりごとに巡り会う『キャッツ』は、何度観ても新たな発見と感動がありました。進化する演出、土地ごとの工夫、そして圧倒的なパフォーマンス。
広島で上演される『キャッツ』は、過去を知る者にも初めて観る人にも、強い印象と心に残る体験を与えてくれます。
次はまた何年後、どの街で出会えるか――そんな期待を胸に、また日常へと戻っていきたいと思います。(17年後は、世界のどこかでキャッツをやっていたら、見に行きたいと思っています)
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