50代の男性3人の日々の悩み。健康、子供、夫婦、会社、セックス、女、そんなもの全てが織り交ぜられている話。やる人によっては暗い話になってしまいそうだが、3人のキャラクターとフォークソング(こそが彼らの象徴なのか?)が全体の雰囲気を和らげ、不思議と暖かい気分で見終われることができる作品。
劇団 | ラサール石井プロデュース | ||||
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題名 | 悩み多きものよ | ||||
公演期間 | 2007/02/28-2007/03/11 | ||||
作 | 水谷龍二 | 演出 | 田村孝裕 | ||
出演 | 山口良一、ラサール石井、小倉久寛 | ||||
劇場 | THEATER/TOPS(新宿) | ||||
観劇日 | 2007年3月10日(マチネ) |
【ストーリー】
たまたま人間ドックで鉢合わせしたまtったくバックボーンも家庭も異なる3人が、何故か何度か会ううちに気が合い、お互いの悩みを相談するようになる。
【感想】
50代の男性達によるどこにでもありそうで、それでいてほんわかさせるストーリー。脚本の水谷さんも含め皆さん50代の男性というのが今回の舞台の根底に流れているテーマなのでしょう。(演出の田村さんは30代ですが)
考えてみれば、この年代の人が私の周りには丁度いない。会社がベンチャーということもあって、経営者からして40代だし、まわりも20代~40代の人ばかり。親は70代だし、ちょうど身近にいない年代なんだなと気付いた。
テレビや舞台で割とよく見るこの三人の芝居は、最初の「No2」から気に入って欠かさず身に行っています。お兄さん世代というわけでもなく、ちょっと遠い世代なんだけど、何故か親しみを持っているのはもっぱら三人のキャラクターのなせる技です。
前作「なかよし」にやや似てる作り(音楽を途中でやるところとか)。ただ、少し会話に頼りすぎている気がします。ほとんど事件がなく、ただ淡々と会話によって状況が説明されていくイメージが強かったです。
わざとかもしれませんが、3人の背景が似ている事が、全体として起伏が少ないストーリーだったという印象を作っている気がします。個人的には、(元々にているところが多い三人だからこそ)役柄の上ではまったく違うキャラクターを演じてくれた方が見ていて楽しい気がします(そういう意味では、この三人による最初の舞台「No2」が個人的には一番好きだったりします)
そういえば、過去2作品が、まったく場転がない芝居だったので、場転がある今回の芝居はちょっと新鮮でした。最初に人間ドックの待合室から始った時は「どうやって、この場所で2時間芝居をするんだろう?」と考えてしまいました。場転があるとは思いもよりませんでした。先入観とは恐ろしい。
フォークソングは、私にとっては、青春とか懐かしいとかの曲ではないですね。「あの素晴らしき愛をもう一度」なんて聞くと学校の音楽の時間を思い出してしまいます。でも、この世代にとってはやはり青春を表すんでしょうか?気持ちよさそうに3人とも歌い、演奏していまいた。
いつだったかテレビで、男が集まった時の会話は、20代は女や恋愛の話、30代は仕事の話、40代は健康の話をするということを言っていましたが、50代の男性が集まるこの舞台ではその全てが話題になっていました。
いつもに比べると、ステージ後のアフタートークは短めだった気がする。最終シーンが激しいせいで息切れしているのかな。(最終シーンの雰囲気が雰囲気なので「どぉうもぉー」ってな感じで始め難いとは言っていましたが。)それも楽しみの一つであるだけに少し残念。
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