稲荷さんの病気降板もあって、新人大抜擢の芝居。唐さんの出番もかなり少なく結構、世代交代のようなものを感じた。久しぶりの唐組だったが、芝居の雰囲気は昔のままで、ほとんど見ている側のブランクを感じる事がなかった。
劇団 | 劇団唐組 | ||||
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題名 | 水中花 | ||||
公演期間 | 1997/03/06~1997/03/09 | ||||
作 | 唐十郎 | 演出 | 唐十郎/辻孝彦 | ||
出演 | 唐十郎、鳥山昌克、久保井研、辻孝彦、藤井由紀、中袴田克秀、岩倉弘樹、赤松由美、木下敬志、野上大樹、藤本拓也、岩間潤子、田村文彦、熊本俊太郎、高橋祐也、田中忠行、丸山厚人、溝添祐、南敬太、村上武士、昆野京子 | ||||
劇団 | 江戸東京博物館隣(両国) | ||||
観劇日 | 2001年10月14日(ソワレ) |
<<ストーリー>>
マージャンの賭けの「かた」に一日だけ、上田という男の妹を自分の妹にすることになってしまった保健所の所員 田口。しかし、それは、戦時中の軍用犬の調教師の息子が、かつて父と狂犬病になった父の犬との間の葛藤の記憶から犬と同じ名前をもつ女を追いかけているのを知り、その護衛役として田口に預けたのだった。
<<感想>>
はっきりいって、ストーリーが上に書いたようなものだったのかは、はなはだ自信が持てません。唐組の芝居で完全にストーリーが理解できるのは、少ないのですが、今回は特にわかりにくかった気がします。
芝居自体は、犬が出てくる設定のせいか、ついつい「盲導犬」の印象が脳裏にちらついてしまった為、余計にストーリーを追いにくかったというのがあるかもしれません(単純な私)
とはいえ、それがそれほどマイナスにならないのが唐組芝居のいいところ。テント芝居の醍醐味は充分にあった気がします。残念ながら、最後の屋台崩しの時、座った場所が良くなかった為、終わった時の開放感を充分に味わう事はできなかったのですが
ただ、唐さんの出番も少なく、稲荷さんも出ない、好きだった飯塚さんも最近まったく舞台でみないということで、世代交代が進んでいるというべきか、あまり個性の強い役者がいない気がしました。全体にこなれた演技をする人が少ないというか、硬い演技をする人が多く、劇中のお遊びがあまりお遊びに見えず、客席が舞台と一体化できなかったという気がしました。確かに、稲荷さんの病気降板ということもあり、抜擢された新人が主要なキャストをやっていたことも大きいかも知れませんが、それにしたって、久保井研さんや、鳥山さんといった劇団歴の長いキャストの演技も固かったのは納得いかないものがありました。
案外、誰か一人の演技が、ぱーーーーんっと吹っ切れると芝居全体のボルテージがあがるのかもしれません。そういう意味では、見た日によって印象の変わる舞台であった気がします。
今回大抜擢された田村さんは、かなり存在感がある役者。いい感じです。ちょっと強面の感があるので、従来主役を張ってきた稲荷さんと共(競)演すれば、かなりインパクトのある舞台ができあがりそうで、今後楽しみです。
また、何かと話題の新人高橋祐也さんも今回は新人にしてはかなりいい役を無難にこなしていました。ちょっとテント芝居にはいないタイプ(あたりまえか)で、従来の唐組であれば、あの手の役はきっと女優にやらせていただろうというような少年役をうまくこなしていました。
飯塚さんもいず、今回は他劇団から女優の助っ人もなくどうなることかと思いましたが、女優陣は相変わらず美人ぞろいで、見ていてうれしかったです。ただ、存在感という点では、今は男優の方が勝っているのかもしれません(ちょっと前に唐組についてはまったく逆の評価をしたのだが…)
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