[劇評]カクスコ「今日までどうもありがとう(11月版)」@THEATER/TOPS

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カクスコの最終公演。相も変らぬ男達のなんにも起きない日常を描く公演がこれでみられないかと思うとさびしい。が、総集編という性格上やむ終えないのかもしれないが、いつもは感じなかった冗長感があり、終盤さすがに飽きてきている自分を感じた。

劇団 カクスコ
題名 今日までどうもありがとう(11月版)
公演期間 2001/11/02~2001/12/02
作/演出 中村育二
出演 中村育二、岸博之、井之上隆志、山崎直樹、近藤京三、原田修二
劇場 THEATER/TOPS(新宿)
観劇日 2001年12月2日(マチネ)

<<ストーリー>>

「さつき荘」というアパート住まいの男達の話。

<<感想>>

いつもながらほんわかとした雰囲気を形作る劇団の公演。

今回痛切に感じたは、笑いって色々なパターンがあるんだなぁということ。

 

三谷さん的な作りこまれた「笑い」、SET的なアドリブととっさの掛け合いによる「笑い」、そのどちらとも微妙に違うほんわかした「笑い」のジャンルがある。

この笑いは、誰か一人の頭の中で作られる「笑い」ではなく、全員の創意工夫の中で(恐らく練習の中で)作りこまれる笑いなんじゃないだろうか(何の裏づけも無いので、あくまで想像だが)そして、「笑い」に限らず色々なものを共有している小集団からしか、生まれない「笑い」なのではあるまいか?

 

そう思うと、カクスコの解散は本当に悲しい。このような「笑い」を作れるグループは、二度と現れないかもしれない。

 

但し、この感傷は、過去にカクスコの芝居を共有したものだけが、感じられるものかもしれない。というのも、今回の芝居は、総集編だったせいか、いつもに比べて芝居時間が長かったのだ。

 

芝居の構成上それほど起承転結があったり、次にどうなるのかなとわくわくするよう公演でないため、少し長くなると単調なその世界がちょっとだけ苦痛だったりする。(笑いが途絶えることはなかったし、名残惜しいという意味で長さを楽しんだも事実だけど、一方で「ちょっと長いぞ」と醒めた感想を持っている自分もいて…)

 

ただ、その一点を除けばほとんど不満はなく、懐かしいネタ(とあえて言おう、カクスコの舞台は設定が違ってもやってることがいつも同じだったりするし….)は充分堪能できた。

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