サスペンデッド「カラスの国」@シアタートラム

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名前は知っていたが、この劇団は初見。なんとなく、蓬莱さん(モダンスイマーズ)とか田村さん(ONEOR8)とかの日常とあまりかけはなれていない設定の中で起こる事件を丹念に追う感じの舞台をイメージしていたのだけど、意外にも80年代を思わせる不条理劇的な構造
karasunokuni

劇団 サスペンデッド
公演期間 2011/03/17~2011/03/23
演出 早船聡 早船聡
出演 佐藤陽一、伊藤聡、冠野智美、柿丸美智恵、白洲本樹、石村みか、渋谷はるか、佐藤銀平、三田村周三

こういうの久方みていなかったのでかえって新鮮。北村想さんや別役実さんの舞台の方がイメージに近い感じでした。(いつもこういう芝居というわけではないようですが)

以下ネタバレ

個人的には、ホテルのボーイとウェイトレス(メイド?)のやりとりがとても上手く出来ていて感動的でさえありました。冠野智美さん演じる女がすこしづつ、恐怖を押し殺して好きな男の言うがままに悪を実行しようとして、裏切られるという辺りの心情の変化が言葉の演技以外の表情や態度にとてもうまく表現されていて引きこまれました。

全体に流れるミステリータッチの作りも、けしてこの舞台の本質ではないような気がします。

どこともしれぬ国のどこともしれぬ町のどこともしれぬホテルで起こる一夜の出来事。舞台の演出家を語る非番の警官、娼婦、刑務所に送られる受刑者とそれを護送する翌日に結婚式を控えた男、主役は旅のセールスマン。

そのまま別役さんや北村さんの舞台にでてきても不思議ではない登場人物たちにはある意味で懐かしさのような郷愁を覚えました。

でも、今回この舞台にでていたる人の中で三田村さん以外はそんな舞台を見たこともなく、あるいは本の中でしか見たことがないのかもしれません。

普段は、コメディタッチ作品も行うというこの劇団。もしやいつか見たシティボーイズの舞台みたいな壮大な当時の舞台に対する茶化しだったのかもしれない。とか思うのは深読みしすぎでしょうか?

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