[劇評]シアターガッツ「メガトン・チェリーボム」@サンモールスタジオ

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パワー炸裂。面白かった。狭い劇場をうまく使って役者達も個性的でかつ達者な方ばかり。他の作品も見たくなる劇団。が、長すぎ….新感線じゃないんだから、2時間半はいくらなんでも長すぎる。(休憩もないし)後、暗転多すぎ!!

劇団 シアターガッツ
題名 メガトン・チェリーボム
公演期間 2004/11/09-2004/11/14
作・演出 品川浩幸
出演 藤元英樹、大岩篤史、脇山烈、小島敬子、山崎淑子、寺西栄美、中川弘樹、道家希、欅智昭、永井裕子  、川浦君英、広瀬愛子(ホチキス)
劇場 サンモールスタジオ(新宿御苑)
観劇日 2004年11月14日(ソワレ)

【ストーリー】

その日、塚原家はただならぬ緊張感に包まれていた。娘のミナコが家に彼氏を連れてきたのだ。
手みやげのカステラを手に現れた男は小松。

実直そうな好青年の登場に母は舞い上がり、父は押し黙る。そして当の小松も緊張のあまりつい口を滑らせてしまう。

「僕ら3人、力を合わせて幸せな家庭を築きます!」
─3人?そう、ミナコのお腹には二人の愛の結晶が宿っていた。

塚原家に初めて迎えた彼氏のお披露目は「できちゃった宣言」の場と化す。言葉を失う家族を尻目にミナコは小松を家に招き入れ、勝手に同居生活を決めこんでしまう。

そんなギクシャクした家族のやり取りを冷ややかに見つめる息子の洋平は高校生。通販で取り寄せたアダルトビデオを見ては、膨らむ妄想に眠れぬ夜を重ねている。その日手にしたビデオは「メガトン・チェリーボム!」。世のチェリー君達に正しいHの仕方を指南するHow To ビデオの人気シリーズだ。

ところが、ビデオに映っていた愛のナビゲーター、「バットマン」こそ小松! さらに相手役のAV女優ミーナは姉のミナコだった!

2人のできちゃった結婚は果たして祝福されるのか─?
)(サイトより)

【感想】

名古屋の劇団です。初見。そもそも名古屋は行ったことさえないので、僕の中ではいろんな意味で伝説の町です。結婚式の引き出物がすごいとか、喫茶店でコーヒーを飲むといっぱいおまけがついてくるとか….いや今回の観劇には何も関係ありませんが

正直、初めて見る劇団の時は少し緊張するもんですが、今回は何をあせったって芝居が始まる前から若干パニくり気味でした。
なにせ、てっきりシアターサンモールでやっているもんだと思い込んで劇場に足を運んだらまったく別物をやっている….劇場を間違えたのか?どきどきしながら、信じられぬ思いで周りを見回しました。するとあやしいバットマンの姿が….というわけでサンモールスタジオという劇場にも今回初めて行きました。

実は、はじまってすぐの数シーン(課長が、部下の女性と何か妖しい会話をしているあたり)は、少々ストーリー展開がまどろっこしくって、その上、けして演技がうまいわけでもなく(なんかテンポがよくない)、結構どきどきしてました。初見劇団見ていて、最初の数シーンが面白くないと不安になるもんです。

が、しばらく見ているうちに、なんとなくストーリーの展開が分かってきて、役者の力量も見えてきてようやく安心してみることが出来るようになって来ました。

役者さんに恵まれている劇団だと思いました。

小松役の藤本英樹だけでなく、最初ちょっと心配だった飯塚役の大岩篤史さんもかなり達者です。(絶対飯塚役の大岩篤史さんの方が小松役の藤本英樹さんより歳が若いような気がするのだが….気のせいだろうか)大岩篤史さんは、ラッパ屋のおかやまはじめさんを思わせる感じです。(別におじさん役だからというわけではなく、いやそれも大きいですが)いやな中年男をこれだけこなせる役者さんはあまりいません。貴重な存在だと思います。

全体に役者が役にはまっていたのも、この芝居が面白く見ることができた要因だと思う。そういう意味では作者は、劇団員の特性を良くつかんでいるんだろうなぁと思った。

永井裕子さん、広瀬愛子さんは、可愛い女優さんで、目を奪われました。ただ、広瀬愛子さんは、AV女優という役にしてはちょいと色気が足りない気がします。お姉さん役としておそらく理想的ですが…(かなり趣味が入ってます。はい)

ちなみに、2時間半はいくらなんでも長すぎです。個人的には、中途の女子高生がプロダクションにスカウトされて、それが怪しいプロダクションでというあたり(あまりにもありきたりな展開)と、お母さんの浮気に気づいた女子高生の話(なんでここだけ、あんな観念的なシーンなのでしょう?)と、うまくないんでか、下手なんだかわからないダンスは、いりません!また、多すぎる暗転も何とかすべきです。(このくらいの脚本を書く力量があるんだから暗転をせずに場転を考えることくらいできるはずです。小屋の狭さは言い訳になりません。多分)

ちなみに、舞台終了後ガチャガチャ、ポスター、バッチ、ういろう…等の驚くほどの物販量。最初は、この劇団の特有の営業努力かとも思ったが。。。。もしやこれも名古屋標準なのか?

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