もしトラが、もうトラになった世界はどうなるのか

広告

目次

トランプ大統領が現実に。

もしも、トランプが大統領になったらという言説」(通称もしトラ)について真面目に取り扱っていた大手メディアは僕の知る限りありませんでした

確かに、トランプがヒラリーを猛追しているという報道がこの数日メディアを騒がせていました。

しかし、三度の公開討議で惨敗したトランプの勝ち目など、万が一にもなく、メディアが、冷め切った選挙状況を無理矢理引っかき回しているだけだとタカをくくって見ていました。

誰も、明確に答えてくれないトランプ大統領の世界

もしヒラリーが、勝ったとしてもトランプを支持した少なくない層をヒラリーは無視することは出来ずアメリカは変わるだろうと言う記事はありました。

しかし、トランプの勝利はまったくの想定外であったのではないでしょうか?

アメリカの凋落の象徴か、復活の狼煙か

正直、後者の可能性はない気がしてます
(万が一出来ると仮定したとしても)メキシコ国境の壁も、自由貿易協定の離脱も、高関税による国内産業の保護も、一瞬のカンフル剤的な効果があったとしても、長続きはしそうにないからです。

国内製造に回帰出来るものとできないものがある。世界中で売れまくっているiPhoneなんて、その良い例だと思いますが、短絡的な経済政策でなんとかなるものではないと思います。

「iPhoneは米国では作れない」スティーブ・ジョブズの言葉=製造業の米国回帰を考える

オバマ米大統領がスティーブ・ジョブズに「iPhoneを米国内で生産するには何が必要なのか、そしてその仕事が米国に戻ってこないのはなぜなのか」と尋ねたところ、ジョブズは「その仕事が戻ってくることはない」と断言したという。
<中略>
iPhone組み立て作業員の監督に必要な8700人もの工業エンジニアを米国で見つけるのは難しいが、中国では可能なこと

製造業の多くが国外に出ていっている状況が続いたことによりアメリカには製造業を呼び戻す力が失われているのだと思う。上記の話は2012年の話。あれから5年、状況はより進んでいるであろう(上記のエンジニアの不足だけでなく、恐ろしい額を製造装置に投資し続けたアジアに、アメリカが太刀打ちできる状況にあるとはちょっと思えない)

 

それでも、アメリカは保護主義に走り、内向的になっていくだろう

モンロー主義とよばれ、アメリカが海外へ関心を示さなくなった時代があった。

確かにいま、アメリカが海外に興味を示さなくなってもやっていける要素も整いつつある

海外にちょっかいを出す一番大きな理由だった石油もシェールガス革命で、自給出来そうになってきた。(中東からのシーレーン防衛に大金を投じる必要はない)

テロリストについてはアメリカを鎖国化してイスラム教徒を受け入れなければ、国内テロは減るかもしれない。

 我々は、アメリカという国を喪失した状態で世界の秩序を考え直さなければならなくなるかもしれない

アメリカが、保護主義をとり、国内経済を活性化させることが出来る最後のチャンスかもしれない(しつこいが、長続きはしないと思う)

格差社会をてこに当選したトランプも、格差社会の撲滅は難しいだろう

僕は、アメリカに限らず格差社会が広がっているのは、一概にグローバル化や移民流入だけが原因だとは思えない
セカンドマシンエイジで描かれている機械との競争こそが格差社会の元凶であり、移民をシャットアウトしても、関税により海外製品への需要を国内製品に振り向けたとしても、雇用回復は限定的なものにしかならない。
何故なら、アメリカこそがイノベーションによる雇用の減少の立役者であり、国内生産にシフトすればするほど、生産性を向上させる技術革新に拍車がかかるからだ

そうなれば、彼を熱狂的に支持した中間層以下の国民は、白人も有色人種も同様にふたたび職を失い、路頭に迷うことになる

そうなる世界に対しての彼のヴィジョンがまだ示されていないし、僕は持っていないのではないかと疑っている

短絡的な解決に走らないでほしい

明確な経済ヴィジョンをしめせないとき、彼が短絡的な解決に走らないことを祈らざる終えない

すなわち国内政治のもたつきから、目をそらすための海外へのちょっかいをだすとかやめてほしい
トランプはファシズム的な言説が多く、そういうことをやり出しそうで怖い。(ヒトラーと比較する人が多いのもなんかうなずける)

 

結局は、杞憂なのかもしれない

八年前にオバマが大統領になった時も、オバマの外交政策が、中国よりであるという話を聞いてきて、すごく不安になった覚えがある
でも、結局は、日米同盟については強化され、対中国に対してオバマがデレデレという事態は起こらなかった

トランプも心配するほどのことは無いのかもしれない

超大国アメリカの政府が、一人の暴れん坊の力で何もかもが根底から覆ることは考えにくい

政治素人トランプも、本人が望むか望まないかに関わらず、政治のプロをブレーンに迎え、急激な変化を抑制させる方向にすすむだろう。

彼自身の固有の政策論を、持っているわけではないように見えます。受けそうな事を言っているだけにしかみえません。

 

オバマ大統領の功罪、アメリカはどうなってしまうのか?

 

[書評]セカンドマシンエイジの下流老人達

広告

1 個のコメント

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です